峰野裕二郎ブログ

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高速の寄せ

2021年11月04日 | 将棋
深浦康市九段が将棋ファンの間で「地球代表」と呼ばれていると書きましたが、その他に人気棋士には様々な愛称があります。

最初に浮かぶのが谷川浩司九段の「高速の寄せ」です。
藤井聡太三冠が中学生でプロ棋士になったことは一般紙などでも報道され、広く知られているところですが、谷川九段は、加藤一二三九段に次ぎ、史上2人目の中学生棋士になった人です。

谷川九段は、史上最年少の21歳で名人位に就き、名人位を通算5期獲得した棋士に贈られる永世称号である17世名人の資格を得ています。
タイトル通算獲得数は27期で歴代5位、文字通り将棋界の歴史に名を刻む名棋士です。

「寄せ」という将棋用語があります。終盤、相手の玉を詰ましにかかる段階のことですが、谷川九段の「高速の寄せ」の愛称は、その段階の手順が、ずば抜けて鮮やかだったことからきています。

谷川九段の容姿、立ち居振る舞い、語り口とも実にスマートで、それまでのどこかおどろおどろしい将棋指しのイメージを一新させる棋士だったように思います。
そして、それは彼の次の世代である羽生世代、そして現在の棋士たちへと繋がっています。

反面、数々の伝説を残す升田幸三を始め、芹沢博文、米長邦雄のような型破りの面白い棋士が姿を消したのは残念なところです。 

おっと、思わず長くなってしまいました。庭仕事が待っています。その他の棋士の「愛称」については、いずれまた。