峰野裕二郎ブログ

私の在り方を問う

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将棋ワールド その3

2021年10月13日 | 将棋
プロ将棋の持ち時間は、ベースとなる順位戦が6時間。
両者それぞれ6時間だから、全部使い切ると1局に12時間かかるということになる。加えて持ち時間を使い切っても一手1分未満で指すことが出来る。
これに、昼食・夕食のための休憩が40分ずつ加わる。

対局開始が午前10時だから、決着がつくのが大抵午前0時前後となる。午前1時、2時というのもそれほど珍しいことではない。
この長丁場を、プロ棋士はネクタイを締めスーツを着て乗り切る。

2004年・B級1組の中川大輔対行方尚史戦では持将棋千日手指し直しが発生したため、翌朝9時過ぎまでかかったという記録が残っている。

さすがにこの時、中川は、ジャケットやワイシャツを脱ぎ、Tシャツ姿で対局したとある。
そこまでいって、将棋を指すのにネクタイにスーツは相応しくないのが分かるか。

そこまでいかなくても、スーツは厳しいねという話を一つ。
昨年度の名人戦挑戦者で、かつて「王座」のタイトルを保持したこともあるばりばりのトップ棋士の1人である斎藤慎太郎八段(28歳)、彼が対局中に正座を崩しているところを見たことがない。
そんな斎藤さんの高価なスーツのズボンのしわが気になるのは、私だけか。

余談だが、2005年に行われたB級1組、青野照市対堀口一史座戦で堀口が56手目の一手に5時間24分かけた大長考の記録がある。
後日、「将棋フォーカス」という番組でこの対局が紹介された際、井上慶太九段は「プロなら第一感の手(当然の手)」と語ったという。

将棋世界は実に面白い。
コメント
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