イズミル便り

IZMIR'DEN MERHABA

BORNOVA LEVANTEN KOSKLERI(ボルノヴァ異人館)

2011-10-29 11:03:50 | イズミル暮らし・イズミル案内

東京の木枯らし1号のニュースに思わず背中を丸めてしまいました。イズミルは小春日和の過ごしやすい日が続いています。地震のあったVANでは気温が氷点下に下がることもあり、昨日は雪が降り出したそうです。しばらくはテントでの生活を続けなくてはならない人たちには無情の雪です。

19世紀オスマン帝国末期、トルコのエーゲ海、地中海沿岸の港湾都市で貿易商を営むイスラム教徒以外の商人たちはLEVANTEN(レバンテン)と呼ばれていました。彼らが建てた家や教会、公的施設は当時のトルコに見られたオスマン風、またギリシャ風の建築とは少し違う特徴が見られ、イズミルにも30軒ほどのLEVANTEN KOSKLERI(KOSKはお屋敷の意)が残っているそうです。

BORNOVA(ボルノヴァ)地区に残るLEVANTEN KOSKLERIのいくつかは修復され、多くはEGE(エゲ)大学の施設として使われています。我が家からMETRO(地下鉄)で約15分のBORNOVA(ボルノヴァ)でお友達と待ち合わせ、ぶらぶらと異人館散歩に出発しました。駅のすぐ前に広大なエゲ大キャンパスが広がっているので、METROの駅も大学生がいっぱい。そして駅周辺は一応文教都市風に緑の多い公園やおしゃれなカフェが並んでおり、歩いているだけでほっと懐かしい気持ちになる一面があります。一方で一歩道をはずれるとにぎやかなトルコの熱~い活気あふれる商店街もあり、そちらを歩くとエネルギー消耗度が激しくなりますが・・・。

目的地は「MURAT KOSKU(ムラト邸)」、1880年にイギリス人EDWARDS家によって建てられました。元の持ち主EDWARDSさんの息子はイズミルの鉄道を敷いたり、ガス会社を作るなどの功績があった人のようです。もともとはEDWARDS KOSKUと呼ばれていましたが、その娘が嫁いだ人の名前がCONSTANTIN MURATであることから、現在ではMURAT KOSKUと呼ばれているようです。

広大な庭の後ろ側には、小さなHAMAM(ハマム=お風呂)まであります。1980年に国の児童保護局に、2001年には修復がされて2003年にはイズミル県へ移譲され、現在はエゲ大学の施設、カフェテリアなどとして一般にも公開されています。昼間はカフェ、夜は室内で食事もできるそうです。

「WILKINSON KOSKU(ウィルキンソン邸)」、1985年までWILKINSON家のものでしたが、その後持ち主が変わり廃墟となっていたところ、2005年のエゲ大学50周年を記念して修復され現在は「エゲ大学50周年邸芸術ギャラリー」として使われているようです。

「ST.MARY MAGDALENE KILISESI(聖マグダラのマリア聖公会教会」、1857年に建てられたそうです。 

「YESIL KOSK(緑邸)」、貿易商だったPANDISPANYA家によって建てられました。その後持ち主が何度か変わり1955年以降エゲ大学の農学部、迎賓館などとして使われた後、現在は職員や学生の為のカフェテリアとして使われています。このYESIL KOSKの前の歩道脇に、昨年「トルコにおける日本年」を記念して植樹をした日本の桜数本があります。春に花を咲かせてくれたら、そして大きくなって桜並木になったら、きっとこの緑の屋敷に映えるんじゃないかなあと大いに期待しています。

他にも個人所有のものもあるようですし、エゲ大学が民族博物館として公開している建物などもあります。また近いうちに探訪に出かけたいものです。ボルノヴァ異人館散歩第二弾をお楽しみに(気を長く・・・)!

 

 

日本から来てくれた桜

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18 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
異人館=異次元 (湘南八重桜)
2011-10-29 18:14:14

 ブログで辿るボルノヴァ異人館は映画でも見ているよう異次元・夢空間に入り込んだ気分に~トルコの深さに今更の驚き・楽しいひと時をありがとう。                                            
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猫ちゃん (Kako)
2011-10-29 21:40:01
なんて可愛らしいんでしょ。
ちょこんと座って。。。

洋館の数々は、ふと横浜の山手を思い浮かべました。
散策に、素敵な場所ですね♪
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Unknown (ちさと)
2011-10-29 21:50:38
毎回yukacanさんのブログに来るとトルコに来た気分になれます~
とても素敵な建物でどれも「窓」がいいですね~
桜の木が元気に大きく育ちますように…
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湘南八重桜さん (yukacan)
2011-10-30 04:54:06
いつものトルコの光景とは少し雰囲気が違いますか。本当にトルコの歴史は色々な面がありますね。
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Kakoさん (yukacan)
2011-10-30 04:55:30
自分も一緒にお茶しているみたいな気になっているのかな。おすそ分けしないと手まで出してくるんですよ。
本当ですね、横浜山手みたいですね。ああ、懐かしい~。
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ちさとさん (yukacan)
2011-10-30 04:56:48
ブログでトルコに来た気分にならないで、実際に来てくださいね。実際にトルコの音やにおいを感じないと!
桜、来年の春は花が咲くかなあ。咲くといいなあ。
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Unknown (不思議な世界旅行)
2011-10-30 18:51:43
猫を招いたお茶会の写真、かわいらしいです。

なるほど、トルコから見ると「異人館」ですね。そこに桜並木も植えられて、イズミルの国際都市としての一面といったところでしょうか。

ハマムがあるところがトルコらしい。
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不思議な世界旅行さん (yukacan)
2011-10-31 04:47:18
招いた覚えはないんですけどね。でもかわいいですよね。何考えているのか、動物ってかわいい。
異人館、勝手に名づけました。本当に桜に異人館、神戸化?横浜化?推進中ですね。
ハマム小さいんですよ。こんなところに大の大人がちんまり入っていたのかしら。しかも外にあるから、ここから母屋?に行くまでに湯冷めしそうですわ。
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日本のどの辺り (arz2bee)
2011-10-31 08:44:25
 家の飼い犬トムもお呼ばれしたいそうです。
 イズミルの気候は日本のどのあたりの感じでしょうか。湘南より暑い寒い?。簡単には比較できないでしょうが。
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Unknown (cake)
2011-10-31 09:48:39
なるほど、トルコとは雰囲気の違う異人館ですね。
ハマムがある所は微笑ましいのです。地中海沿岸と言うか、スペインの香りもしてきそうです。色遣いも素敵ですね。
私は先にスペインの建物を見ているせいでしょうか、トルコの建築に違和感はありませんでした。どちらもイスラム文化がちょっと入っている所が、北欧と違う所だと思います。
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