イズミル便り

IZMIR'DEN MERHABA

イズミル名物LOKMA(ロクマ)

2007-03-02 07:44:25 | イズミル暮らし・イズミル案内

シロップのかかった軽いドーナッツのような味。

イズミルの街を歩いたことがある方、ご覧になったことはありませんか?白いテントとそこから続く行列を。もしかしたら「どうぞうどうぞ」とテントの主に誘われて召し上がったことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。

イズミルを歩くと結構な確率で遭遇するこの行列が「LOKMA(ロクマ)」です。イズミルに住み始めてすぐに道行く人が皆シロップのかかったドーナッツのようなものの入った容器を持って歩いているのを見て「美味しそう、どこかで焼き立てを売っているのかしら」と思ったものです。夫もイズミル出身ではないので二人して羨ましがるのみ。

ある日、叔母さんの家にいた時に誰かが「ほらこれがイズミル名物ロクマだよ」と言って外から持ち帰ってくれたのが私のロクマ初体験でした。




ロクマウスタ(職人さん)たち。

イズミルではロクマは買ったり自分で作るものではなく配っているものを頂くお菓子です。「出張ロクマ屋」があってロクマを配りたい人が日時と人数を予約するとその時間に自宅や店の前にテントや材料、揚げ油、配る為の皿、爪楊枝、紙ナプキン等一式用意してロクマを揚げてくれます。道行く人に声をかけて配るのは施主(?)の役目。お金をはずめば配る人も連れてきてくれるのかもしれません。


こんなロクマトラックもありました。


豪快イズミルロクマ娘達。

イズミル以外でもこういう習慣があるのでしょうか?配るのは、いわゆる「hayir(善、善行)」の為。一番よく見かけるのが家族の命日に故人の冥福を祈って配るロクマ。その他にも願をかけてそれが叶った時、家を買った時、男子のスンネット(割礼)の時、お店の開店祝いなどに配るようです。お福わけのような意味もあると言うことでしょうか。

ロクマのテントを見て「あ、ロクマだ!」と並ばずにはいられないのがイズミルっ子、散歩中に少しおなかがすいた時にもちょうど良い量でロクマの行列を見て素通りすることは難しいかもしれません。この味を知っている人なら尚更…。
このロクマ、もちろん家庭でも作ることは可能です。以前叔母さんの家にお掃除に来ていたギュルオバサンが作ってくれたことがあるのですが、ギュルオバサンのロクマを食べたらもう道端のロクマは食べられない!と思うほど美味しかったです。でもやっぱりロクマのテントを見つけて小走りで列に並び熱々をもらって頬張る美味しさも捨てがたいんですよね。要するにロクマ大好き!

    

    

  


知り合いの奥さんの命日に配られたロクマ作りの模様を撮影。

普通は、配る側が用意した容器に4・5個入れてくれるのですが、近所の人やずうずうしい人(?)は大きなボール持参で列に並びます(洗面器のような容器が恥ずかしい人は子供に並ばせる)。自分の前にそんな人がいると順番が来る前に揚がったロクマがなくなってしまうなんてことも…。でも何しろhayirの為ですから「そんなにたくさんあげられません」なんて言えません。そして道行くバスやタクシーを止めて運転手さんにもふるまっています。もらった人は施主に「Allah kabul etsin(アッラーが(善行を)お認めになりますように」と声をかけます。近所付き合いや人情の薄くなったイズミルでもロクマの時だけはほのぼのとした人付き合いの情を感じることが出来るような気がします。



ご興味のある方、ロクマの作り方です(トルコ語)
   ↓
http://www.nepisirsem.com/resimliyemektarifi.aspx?yemekid=1014






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