直近2件の記事で、合計10本の144/430MHz用アンテナの測定結果をまとめたが、最後は残る4本だ。今回の括りは、“50MHz以下のバンドが1つでも付いているアンテナ”になるが、動作形式的にはpart2記事のSBB7以外の4本に相当する。でも何となくだけど、144MHzでも延長コイルが仕掛けられているものもあると思うので、専用アンテナより不利な結果も想定される。
でも正直なところ、このタイプのアンテナで144/430MHzの運用をほとんどやったことが無いと言うか、積極的に使おうと思ったことが無いため、体感イメージすら無い。そういう経緯的にも、ある意味結果を楽しみにしながら測定してみた。
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■測定条件など
・モービル :シエンタ+天井にシステムキャリア
・アンテナ地上高:実測で約1.8m
・アンテナ基台 :パイプ基台(COMET_RS-215)+自作パーツ
・同軸ケーブル :18MHz用アンテナチェックケーブル、ただし430MHzは更にMJ-NPコネクターを使用
・アース :アンテナ測定用MAT50、装着状態はこんな感じ
・測定器 :アンテナアナライザー(COMET_CAA-500MarkⅡ/改)
これまでに引き続き測定条件は、普段のモービル運用環境のうち、同軸ケーブルの影響のみを最小限にする状態とした。つまり、動作上MAT50(マグネットアースシート)×2は不要であるが、必ず50MHz以下のバンドとセットになるため、測定用マグネットアースシートを装着して行った。
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結果はUP画像の表のとおり。なお、色が付いている所はSWRが1.3以下、Zが四捨五入で50Ωになる値だ。
まず驚いたことに、SWRが1.5を超えたものはHV7CXの144MHzのみだったことだ。この手のアンテナは、多くのバンドを網羅させるために苦しい?強引な?からくりになっているものと思い込んでいて、昔(転職や休眠前)から期待値ゼロだったため、これは意外だった。しかもHV-7に至っては、SWRとZの全てに色を付けることが叶った。
これだったら本気使用では何とも分からないけど、つなぎで受信に使うには十分だと思う。と言うことで、多くのバンドに少ない本数で対応させたい時の有効な選択肢になりえることが分かった。
ちなみに、表中3番目に登場しているUHV-4は、当BLOGで初めて登場したアンテナで、確かCR8900の50MHzズッコケ事案の後に購入したものの、未だ調整に手が回っていない。なので、いずれ調整していきたいと思う。
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これで144/430MHzに対応と称していた14本のアンテナの測定結果がまとまった。AM中のHV-7用コイル3本に引き続き、PMの作業時間は約3時間であった。余談だけど、これだけ長時間にわたって測定や調整するとさすがに疲れてしまい、翌日(5/4)は次のネタに手を出す気力が出ずに中途半端な過ごし方になってしまった。
それでも以前から、「144/430MHzでも、何かしら納得感がある測定を行いたい!」と思っていたので、結果オーライとしたい。
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■P.S.
少々後出しジャンケン気味になることを承知で補足すると、今回いつものHF帯のように帯域(SWR≦1.5範囲)をベースにした結果のまとめ方でない理由は、ほぼすべてのアンテナで周波数とSWRの関係が直線or放物線など滑らか&規則性のある線を描くものにならなかったためだ。
これを例えて言うなら、エサキダイオードの負性抵抗特性に似た雰囲気の範囲があり、概ね415~430MHzあたりで発生した。このため、「両端でSWR=1.5と出る周波数の平均をf0とする方法は、妥当ではない。」と判断し、割り切って実用的&分かりやすい145.00MHzと433.00MHzというスポットな周波数を、新たに測定点と決めて行った。
これは、f0が導けないとは言うものの、帯域がバンド幅より広い&実用的な周波数範囲がが狭いという事情を踏まえて決めたプランなので、50MHz以下の場合は従来どおりの方法で臨んでいく。
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