水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

惜敗

2012年07月17日 | 日々のあれこれ

 答案返却のあと、楽器を積み込んで県営球場へ。
 一試合目は2・3年生で、二試合目は1・2年生中心で出かけたが、はじめて全学年で会場に乗り込む。
 全国にその名をとどろかす共栄高校吹奏楽部さんに、気持ちだけでも負けないようにと意気込んで出かけたら、来てねぇし。
 それ以上に気がかりだったのは暑さだが、試合開始の頃から少し雲が増え、風も吹いたので、思っていたほどではなかった。
 だから、もう少し長く応援してても大丈夫だったのだけど … 。
 残念。
 最終的な点差ほど力の差があるとも見えなかったが、どう見ても普段できることをしてなかったのは本校の方だった。
 たしかに一昨年の高梨くんのような絶対エースはいない。昨年のように身体能力の高い選手がうようよしているチームともちがう。でもまとまっている感じはしていた。みんなでくらいついていけば接戦になるのでないかと期待していたが、気負いもあったのだろうか、のびのびと本領を発揮する向こうさんに比べると、かたいところがあったように思える。
 なんてね。外野があれこれ言うことではないか。
 考えてみると我が部も、圧倒的な個人技をもつ子はいないし、55人編成の部を40人強でたたかおうとしているのだから、大事なのはまとまりであり、積み重ねたことを本番で発揮できる気持ちづくりだろう。
 まずは春日部共栄さんと同じ土俵にあがれるように、残り少ない時間を使っていこう。

 渋滞の帰り道、川越のある学校さんを訪問している音楽座の方と連絡をとる。
 時間があうようならお会いしませんかとのありがたい言葉をかけていただいてたのだが、ちょっと無理かなと思って電話したら、待ってますと言われる。
 学校にもどって、片づけもろもろをなかじま先生にお願いし、川越駅に向かい、秋の公演の件などをうかがった。
 お芝居について、出ている人、作っている人と直接会話できるなんて、なんと素晴らしいことか。長生きしてるといいこともあると思う。

 いろんなお芝居があり、カーテンコールのありさまも劇団それぞれだ。
 芥川賞系のお芝居だと、カーテンコールのないこともあったし、なんか笑顔も見せずとりあえず一回だけならんでみましたというのもあった。
 そんなにかっこつけなくてもいいのにと思ってしまう。
 すべてのシーンが終わって、全力投球のあとの開放感あふれる役者さんの顔がならんだのを見て、お客さんはさらに得をした気分になるものだ。
 クラシックのコンサートのアンコールも同じだ。
 そこまで感動してなくても、いちおう礼儀で拍手し続けることが正直ないわけではない。
 そういうときにかぎって、もったいぶってなかなかアンコール曲に入らない、もしくは演奏しない。
 今日はよかったなと思える日は、アンコールへの入り方もほどよい。
 人に何かを伝えるという仕事は、その演目の間だけではなく、その前後も、もっといえばすべての時間にかかわってくる。
 自己満足でおわるか、何かを伝えうるかは、そこが分岐点かもしれない。
 全身天然表現者の北村さんと話しながら、音楽座さんのカーテンコールを思い出した。
 もったいぶらずに何回も並んでくれて、客席に手をふって、さらにダッシュでロビーに出てお見送りだ。
 伝えたい思いの強さは、カーテンコールにも、こうして川越に来てアツく語ってくれる言葉からも感じる。
 こういう方々と部員とのふれあいをセッティングしてあげられるなら、顧問として幸甚これに過ぎたるはない(またぁ、すぐ難しい言い方しちゃって)。

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