ビバさんのさんぽ道

みやこの建物、お庭、お花、あれもこれも見てみたいと欲張りビバさんがでかけます

2018年10月馬路村への旅 もくじ

2018-10-25 02:18:41 | 土佐の国
2018年10月21日から高知県馬路村に1泊の旅に出かけました。





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馬路村への旅(5)田野の町と岡御殿

2018-10-25 00:47:13 | 建物(高知県)
ゆずの森加工場と金林寺を見てから、安田川沿いに村の道をぶらぶら散歩しながら宿に帰ってきて、11:30馬路発の高知東部交通のバスで馬路村を後にしました。

馬路村から高知市に帰る途中に少し寄り道をしてみました。
「安田中学校前」でバスを降り、すぐ近くの土佐くろしお鉄道の安田駅で奈半利行きの電車に乗換えました。12:48発、東へ一つ目の田野駅で12:52に降りました。

田野駅は道の駅「田野駅屋」を兼ねていて、お土産物や農産物の売り場と食事ができるお店があって、賑わっていました。
ここでお昼ご飯を食べて田野の町歩きにでかけました。



昔ながらの家が街道沿いに並んでいます。



これらの家の造りは、前に訪ねたことのある奈半利の町にたくさんあった漆喰壁造りの家に似通っています。
田野町と奈半利町は奈半利川をはさんですぐ近く、雨風のきつい気候の土地で、漆喰壁と水切り瓦の家の造りがこの地方の特徴になっています。



酒屋さんの土蔵も漆喰壁に水切り瓦です。
濱之鶴酒造です。



その近くにある「岡御殿」に行きました。
1844(天保15)年に建てられた豪商・岡家の屋敷で、土佐藩主が参勤交代や東部巡視の時に本陣として使った所です。
岡家は藩主山内一豊に従って大阪泉州から来た米屋でしたが、材木業、質屋業、回船業などで富を築き、田野五人衆の筆頭商人となり、名字帯刀、御目見え等の特権を許されていました。

展示資料館「岡御殿」
開館:9時~16時30分 
休館日:火曜日、12月28日~1月2日
料金:大人500円、中高生300円
別に1000円でお殿様、お姫様の衣装着用体験をすることができます。
田野駅より徒歩7分

敷地内には御殿、茶の間、土蔵、御成門などの建物が保存復元され、藩政末期の雰囲気を伝えており、三つの展示室に岡御殿の歴史、建築的特徴、岡家に伝わる品々が展示されています。
建物は格式のある書院造りで、高知県の有形文化財に指定されています。


玄関に昔の籠が置かれていました。戸や肘掛がついており、裕福な町人が使っていたものです。



三間続きのお座敷。手前から、控の間、次の間、上段の間。



次の間には大床があります。



上段の間は一段高くなった殿様が休憩した部屋で、本床と脇床があります。



その部屋の付書院。



廊下側から見た付書院。廊下は畳廊下の外側に板廊下がめぐらされています。



その上部の組木細工と釘隠し。



上段の間から廊下側を見ると、部屋の隅の柱が4本重なって見え、殿様が庭を見るのに妨げにならないようになっています。



欄間の組子細工もいろいろの種類があります。









釘隠し。



庇下には扇垂木が美しく配置されています。



庭の木・姥目樫(ウバメガシ)が刈り込まれて五本で一体の龍のように仕立てられ、東の庭の風水、青龍を現わしています。



お殿様のためのトイレ(砂雪隠)。
他に湯殿(浴槽はなく、殿様が水や湯をかぶり、身体を拭くための浴室)もありました。



裏庭と土蔵。



少し離れた所には旧岡家住宅(通称:西の岡邸)があり、岡家の分家で、脇本陣として随勤の重臣などの宿泊に当てられていた家でした。
こちらは無人で、自由に見学することができました。



西の岡邸の玄関。



お座敷。






こちらの施設は一時期倒壊の危機に瀕していたところ、地域からの声を受け建物の修復を行いましたが、庭が手つかずの状態だったので、タレントのユージさんも手伝ってここまできれいに修復されたそうです。


田野町には、この他に総理大臣浜口雄幸旧邸、海岸沿いの天日製塩施設、ちりめんじゃこ製造地、野根山二十三士処刑跡(土佐勤王党の武市半平太救出と藩政改革を訴えて、安芸郡の23人が決起し、野根山街道から阿波に抜けようとしたが、捕まって奈半利川河原で処刑された)などがありますが、時間がなくて、また今度にしました。

田野発15:03、高知着16:22の土佐くろしお鉄道の電車で帰ってきました。


馬路村への旅はこれでおしまいです。
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馬路村への旅(4)ゆずの森加工場

2018-10-25 00:45:20 | 土佐の国
馬路村農協本所、農産物直販所、ゆずの花パン屋さんなどがある一帯は、元は営林署の貯木場だった土地で、柚子の他にどんぐりの木や落葉樹がたくさん植えられ、「ゆずの森」と言われる公園のような場所になっています。

その森の中に「ゆずの森加工場」の建物があり、無料で館内の見学をさせてもらうことができます。
二階建てで、村内の木材をふんだんに使った自然にやさしい建物です。



隣にあるゆず搾汁工場で村内のゆずが搾られた後、こちらに送られてきて「ごっくん馬路村」などに加工されます。
ゆずの収穫は毎年11月に集中し、村中の柚子がトラックで運ばれてきて、きれいに洗い、搾られ、ゆず酢ができます。これに水とハチミツをうまく混ぜて「ごっくん」ができます。



熱で殺菌し、ビンに詰めた後、また殺菌、ベルトコンベアーに乗って運ばれていき、シャワーでゆっくり冷やします。ラベルを貼って箱に詰めるのもほとんどの工程が機械化されていて、ここでは働いている人の姿はほとんどみられませんが、品質管理は人間がきびしく行っています。



出来上がった製品を注文に応じて箱詰めする荷造り場。ここでは多くの人が丁寧に箱に詰めていきます。簡易段ボール箱に、緩衝材も馬路村製のタオルを使って、エコに心がけています。
製造から荷造りまで、すべての過程を二階の廊下からガラス越しに見学することができます。


研究室。柚子を使った飲み物・食べ物から化粧品、搾り滓の肥料利用など、様々な使い道を研究しています。



受注センターにもたくさんの人が働いていました。電話やネットで送られてくる注文を受け付けているので、若い人もたくさん働けるようになっています。



受注センターの前のロビー。すべて木の造りになっていて、居心地のいいスペースになっていました。窓からは安田川の流れも見下ろせます。



見学が終わると、「ごっくん馬路村」を一本ご馳走になりました。

柚子の栽培は昔から馬路村で行われてきましたが、搾り汁を販売するくらいだったのを、徐々に加工品の商品開発に取り組み、機械化や衛生管理に取り組み、販路を拡大してきました。馬路村と農協が協力して、いくつもの加工場と化粧品加工場と直売所を作り、村で働ける人を増やし、住宅提供などして活性化を図っています。
馬路村は平成7年の市町村大合併でも他の市町村とは合併せず900人の村でも単独で生き残る選択を村民の総意で決め、農協も合併をせずに頑張ってきました。
2017年度には、馬路村を含む高知県東部の五町村が、「森林鉄道から日本一のゆずロードへ~ゆずが香り彩る南国土佐・中芸地域の景観と食文化~」というテーマで日本遺産に選定されています。

誰でも馬路村に来てもらい、工場を見学しながらゆずのことをもっと知ってもらい、楽しんでもらうことで、さらに馬路村のファンを増やせるのではないかという思いで、この「ゆずの森加工場」ができました。

馬路村農協 ゆずの森加工場
     高知県安芸郡馬路村馬路3888-4
     Tel 0887-44-2211
     営業時間 8:30~17:00
     無料
      日曜・祭日 休館



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馬路村への旅(3)馬路温泉と村の散策

2018-10-24 01:20:40 | 土佐の国
馬路温泉に泊まりました。



建物のすぐ前には安田川が流れていて、川音が常に響いています。



夕食はアマゴを始めとして、村で採れたものが並びます。



湯気で画面が曇っていますが、温泉のお湯はヌルッヌルでお肌にとってもいい上等のお湯でした。ナトリウム・炭酸水素・塩化物泉。今まで入った中で一番の泉質だと思いました。
日帰り温泉は10時~21時。レストランは11時~14時、16時~21時。定休日はなし。宿泊は本館・別館とバンガローもあり、毎月1回のバラ風呂もあります。



宿のある所から少し上流には、魚梁瀬森林鉄道の遺産である落合橋があります。
長さ37m、1925(大正14)年に架けられた橋で、橋の上流側にかつては製材所があり、天然木の木材を製材していました。橋は現在は馬路村の村道として利用されています。



一つ下流にある吊り橋を渡って、川の反対側に渡り散策しました。



村のあちこちに柚子の木が植えられています。



柚子の収穫は11月から12月にかけてが最盛期なので、この時は実が黄色に色づいたものがまだ少なめでした。柚子がもっと熟してくると、村中が柚子の香りに包まれることでしょう。



安田川の水はとても澄んでいて、透明度抜群でした。
ここは川が湾局して淵になっているところです。



川沿いの道のガードレールは村の産物である木材でできていました。



馬路村交流センター。



元は馬路営林署の本署でしたが統廃合で使われなくなり、馬路村農協本所として再利用されています。
署長室や会議室がそのまま残っているそうです。



ゆずの森農産物直販所。元は営林署の電話交換手の詰所だったところです。柚子製品の他、農産物、手作りのお惣菜、エコ商品等を販売しているので、お土産をたくさん買いました。
朝8時~午後5時頃まで営業。定休日は年末年始。



左の建物は村に移住してきた若い夫婦で営んでいるパン屋「ゆずの花」です。毎週月・火曜日定休。




高台にある金林寺薬師堂は国指定重要文化財。
真言宗高野山派のお寺。弘法大師が馬路村に来た時に一夜で建てたという言い伝えがあります。


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馬路村への旅(2)馬路森林鉄道とインクライン

2018-10-24 00:40:49 | 土佐の国
馬路温泉に着いて荷物を預け、すぐ近くにある馬路森林鉄道に乗りに行きました。

高知県東部の中芸地域(奈半利町・田野町・安田町・北川村・馬路村)の5町村は、かつて林業で栄えた地域です。この地域には昔から立派な杉が育ち、豊臣秀吉が京都仏光寺の大仏殿に使う木材を献上させ、奈半利川に流して木材を運びました。明治時代にも安田川と奈半利川を利用した水運が主流でしたが、牛や馬で木材を運ぶ林道も作られました。

1907(明治40)年、軌道による運材が始まり、1911(明治44)年に田野−馬路間の軌道が開通します。当時は、トロッコに木材を積み、勾配を利用して海岸まで運び、空になったトロッコを犬が引いて山に戻っていました。
1921(大正10)年には機関車による木材の搬出が始まり、時代とともに、蒸気機関車、ガソリン車、木炭ガス車、ディーゼル車が登場し、木材の大量輸送に大きく貢献しました。魚梁瀬森林鉄道は総延長347kmという国内屈指の森林鉄道となっていましたが、1963(昭和38)年、廃線となり、軌道の一部は車道となりました。

森林鉄道の記憶を残す遺構が今も数多く現存しており、明治44年の開通時に建造された隧道などが、平成21年2月に経済産業省の近代化産業遺産群に認定されました。さらに同年、橋梁や隧道など18ヶ所の貴重な土木建造物が国の重要文化財に指定されました。

平成29年度には文化庁の「日本遺産」に、魚梁瀬森林鉄道やユズなどからなるストーリー「森林鉄道から日本一のゆずロードへ~ユズが香り彩る南国土佐・中芸地域の景観と食文化~」が認定を受けています。


かつての魚梁瀬森林鉄道馬路駅付近に、森林鉄道を模した観光列車「馬路森林鉄道」が走っています。運営しているのは昔、山の林業などに従事していた人達です。

●乗車料/大人400円 小人300円
●運行時間/8:30~16:30
●運行日/日曜日・祝日 (8月は毎日運行・雨天運休)※団体の場合平日でも運行可能(要予約)
●お問合せ/馬路温泉 TEL0887-44-2026



安田川の支流、西谷川沿いを、ゴトゴトと走って上り、橋を渡って対岸を下る円形の線路を二周して元の駅に戻ります。



線路脇にかつて使われていたディーゼル機関車が残されていました。



駅の横に昔使われていた鉄道遺品がありました。



次に乗るインクラインの模型です。



昔、馬路村の山では水の重さを利用した無動力のケーブルカー(インクライン)で木材を運んでいました。これを観光用に再現したものが馬路森林鉄道のすぐ横にありました。



5・6人が乗れるトロッコのような乗り物の下部に水を貯められるタンクがあり、そこに水を出し入れすることで、その重さの軽重によってトロッコが斜面を上下する仕組みになっています。
下の乗り場で、中央の曲った管から水を抜いているところです。



軽くなったトロッコが斜面を上って行きます。



一番上に着くと、


乗客が降りた後、また管からタンクに水が入れられています。



上の広場には子供用の遊具があったり、広く馬路村の景色を見渡すことができます。



安田川の対岸から見たインクラインの全貌です。木の緑の中に赤く見えるのがインクラインです。

インクラインの
●乗車料/大人400円 小人300円
●運行時間/8:30~16:30
●運行日/日曜日・祝日(8月は毎日運行・雨天運休)
●お問合せ/馬路温泉 TEL0887-44-2026


魚梁瀬森林鉄道の遺構は、安田川林道本線(馬路~田野)、安田川線、奈半利川線があり、広い範囲にわたっているので、18ヶ所の重要文化財全てを見て廻ることはなかなかできません。これまでに小島鉄橋(北川村)法恩寺跨線橋(奈半利町)など、見ることができた過去の記事があります。


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馬路村への旅(1)馬路村への道

2018-10-24 00:39:06 | 土佐の国
2018年10月21日に高知県頭部にある馬路温泉に友人と二人で泊まりに行きました。

前日高知に泊まって、朝、高知駅11時19分発の列車で土讃線、土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線経由で安芸駅に12時23分に着き、駅前の食堂で昼食をとった後、高知東部交通のバスで13時35分安芸駅前発の魚梁瀬(やなせ)行きに乗りました。
1日に3便しかないので、乗り遅れないように気をつけないといけません。

バスはコミュニティバスのような感じの小型バスで、乗客は最初から最後まで、私達と同じく安芸駅前から乗った女性の方一人だけでした。
しばらく海岸に沿って走った後、安田川に沿って山奥に向かって走ります。

海岸通りから山に向かって曲った辺りに土佐くろしお鉄道の安田駅があり、その前のバス停は「安田中学校前」です。前回馬路村に行こうとして安田駅で電車を降り、このバス停を探しましたが、見つけられなくてうろうろしている間にバスが通り過ぎていった苦い経験があるので、今回は安芸駅で乗り継ぎしたのです。やはり今もまだバス停はわかりにくい所に、目立たない標柱しか立っていませんでした。


だんだん山が険しく迫ってきて、道が曲がりくねり、狭くなってきました。



崖崩れしている場所があり、大規模な復旧工事が行われているところでは、交代で片側通行を行っていました。






赤い鉄橋がかかっている場所がありました。
この鉄橋は、かつて魚梁瀬森林鉄道が通っていた線路の跡です。橋の長さは43.2m、高さは6.28m、幅は4.64mで、単線の鉄道が走っていたことがうかがえます。大正元年に桧の木造で建造されましたが、機関車の導入に伴い、昭和4年、現在の鉄骨トラス橋に架け替えられました。安田川に架かる森林鉄道の代表的な遺構で、国指定重要文化財、経済産業省の近代化産業遺産群にも認定されています。今は町道として使われていますが、軽自動車までしか通ることができません。
バスを降りて見てみたかったのですが、一瞬の間に通り過ぎてしまいました。



約50分間バスに乗って、「馬路村役場前」に着きました。馬路温泉への道を尋ねると、運転手さんは親切にバスを降りてきて道を教えてくれました。



バス停前の馬路村役場は、田舎の村の役場にしては立派なたたずまいです。
ゆずの生産、販売で村興しをしてきたことが背景に感じられる景色です。



役場の横の小道を通って、裏手に廻ると安田川が流れていて、橋の上流に見えるのが今日の宿、馬路温泉です。



14:30過ぎに馬路温泉に着きました。


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