ビバさんのさんぽ道

みやこの建物、お庭、お花、あれもこれも見てみたいと欲張りビバさんがでかけます

これでいいのか奈良(奈良市高畑町)

2020-04-03 23:02:07 | これでいいのか奈良
奈良公園の中にホテルが次々と建てられようとしているというので、2017年6月18日にウォッチングに行きました。その時の様子はこちらですが、その後どうなっているのか気になって、今回、もう一度その辺りを歩いてみました。

奈良ホテルから東に向かって少し歩くと、

浮見堂がある鷺池の南側、奈良市高畑町の約1.3ヘクタールの地は、元は興福寺の子院・松林院があった土地で、かつて志賀直哉ら文人が集まった実業家の邸宅がありましたが、1951年に国有地になり、裁判官官舎が建っていましたが、2005年に県有地になり、やがて建物がなくなり、大正期の庭園だけが自然のままに残っていました。鹿が入っていないので、ムササビや野鳥など多くの動植物が生息していると思われ、学者による環境影響評価が行われる必要があると言われていました。

これは2017年6月に見た時の庭の様子です。

しかし、今回行ってみると、すでに木々は切り倒され、ホテルの建物がほぼ完成、3月30日には竣工式、内覧会が行われたようでした。

入口側。



茶の湯コンセプトの高級ホテルだということです。









周りの住宅には「ホテル建設反対」の横断幕が掲げられていました。

着工前の住民説明会では「木は残す」と言っていたのに、鬱蒼と生えていた木々はすっかり無くなっていました。
奈良公園内での高級ホテル建設の中止を求める要望書提出や署名を集めたり、裁判が起こされていましたが、奈良公園内の自然と文化遺産を破壊する動きは止められていないようでした。

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これでいいのか奈良(奈良市登大路町)

2020-04-03 01:14:09 | これでいいのか奈良
2020年4月1日、奈良ホテルに泊まった翌日、奈良の名庭、吉城園(よしきえん)に行ってみました。

奈良ホテルから歩いて行く道すがら、あちこちに馬酔木の花が咲いていました。



東大寺の南大門を抜けて、大仏殿に向かう道。この途中で左に折れて進んで行くと、依水園と吉城園があります。



実はこの日の主な目的は、依水園に行くことだったのですが、依水園は新型コロナウィルスのためにこの日から休園になっていたのでした。


そこで、すぐ隣にあり、休園ではなかった吉城園に行くことにしました。
吉城園には前に2017年6月18日にも行ったことがあり、その時の様子はこちらです。

吉城園は、「興福寺古絵図」によると同寺の子院の摩尼珠院(まにしゅいん)があったところとされています。明治に民間の所有となり、1919(大正8)年に現在の建物と庭園が作られました。企業の迎賓施設の時代を経て、昭和の終わりから奈良県が所有し庭園を公開しています。

○開園時間
 9:00~17:00(ただし、入園は16:30まで)
○入園料
 前回行った時には250円だったのに、なんと! 2020年4月1日から無料になったところでした。


何故、急に無料に???




主屋「旧正法院家住宅」(奈良県指定文化財)と「池の庭」。



池の庭の小高い丘の上には東屋があり、東側の依水園と東大寺などが見渡せます。



茶室と「苔の庭」。



「茶花の庭」の塀越しに見ると、南側に何棟かの建物が改修工事を行っているところでした。
知事公舎、副知事公舎、警察部長官舎、旧青少年会館など、1920年頃から建てられた和洋折衷のモダンな建物が残っている、この辺り一帯の建物を外観を残して、または解体して最高級の国際ホテルやレストランを建設することが、前回来た時に懸念されていましたが、ついに現実のものになったのでしょうか? 吉城園もそのホテルの一部にされることになり、主屋は建築家隈研吾がデザインして、宿泊施設に変えられると言われていましたが、外観は変わっていませんでした。
吉城園の入場料が無料になったのは、ホテルの敷地内になるから、庭園入場は無料ということなのでしょうか?
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奈良公園のホテル予定地をウォッチング

2017-06-19 01:51:14 | これでいいのか奈良
次々とホテルや宿泊施設に浸食されている京都と同じように、奈良でも新たにホテルを建設しようとする動きが起こっています。しかも、それは自然豊かな奈良公園の中の県有地なのです。

2017年6月18日に奈良のホテル建設予定地を現地の方達の案内でウォッチングしに行きました。


近鉄奈良駅から県庁の前を通り東に進んで行くと、大きな邸宅地が広がる名勝奈良公園の一帯に入って行きます。この先、右側の一帯が登大路町の吉城園(よしきえん)周辺地区で、奈良県がホテルやパーティー会場を整備する計画を立てています。



この道の両側全てを含む広大な土地で、知事公舎、興福寺塔頭世尊院、国際奈良学セミナーハウス、きんでん健康保険組合奈良保養所、青少年会館、副知事公舎、奈良県警本部長秘書官宿舎、吉城園主棟・茶室があります。



江戸期の寺院、大正期の知事公舎、吉城園、昭和初期の副知事公舎など、学術的に貴重な建物群なので、調査保存管理が必要なのに、壊されて高級ホテルが建てられる、にぎわいの地区にしようと、開発が計画されています。東京の不動産開発大手、森トラストが担うのだそうです。



もう一箇所は、奈良公園の南端付近にある約1.3ヘクタールの県有地、奈良市高畑町「裁判官官舎跡地」で、かつて志賀直哉ら文人が集まった実業家の邸宅がありましたが、今では大正期の庭園だけが残っている地です。浮見堂のある池の南側、



この森のある一帯です。



塀に囲まれていますが、隙間から覗いて見ると自然のままの庭がありました。鹿が入っていないので、ムササビや野鳥など多くの動植物が生息していると思われ、学者による環境影響評価が行われる必要があると言われていました。



ここの事業者、東京の大手不動産ヒューリックは、京都でも南禅寺参道の無鄰菴、瓢亭横にホテルを建てようとしています。

住民達は「豊かな自然を壊すな」と、「奈良公園の環境を守る会」を結成。建設中止や見直しを求める約4万4千人分の署名を集め、2018年12月、建設差し止めを求め奈良地裁に提訴しました。「国指定の名勝」「文化財保護法」「古都保存法」「歴史的風土特別保存地区」「奈良市風致地区条例、第一種風致地区」に指定され、厳しい規制で守られてきたこの地に、宿泊施設の建設を認めることは許されないと主張しました。

しかし、2019年2月26日、住民の反対を無視して、奈良県とヒューリック株式会社は奈良公園の木々を伐採し、高級リゾートホテル建設工事に着手しました。奈良公園の木々が次々と伐採され、富裕層を対象にした高級リゾートホテル建設に向けて、工事が開始されました。
壊された自然環境は二度と元には戻せません。奈良公園は「国の名勝」で「都市公園」です。万人に向けてオープンであるべきこの場所に、富裕層を対象としたホテルは本当に必要なのでしょうか? 
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