2020年3月31日に奈良に行きました。
京都駅から12時3分にJR奈良線の快速電車に乗って、奈良駅に着いたのが、12時48分。720円でした。
JR奈良駅は、2010年に高架化されていて、1934(昭和9)年に建てられた2代目の駅舎は今は、喫茶店を兼ねて奈良市総合観光案内所となっています。
屋根の上に相輪を持つ寺院風の建物で、保存を望む声が多く、18m曳家して、駅の東口に移され、2007年に近代化産業遺産、2011年に土木学会選奨土木遺産となりました。
駅前広場に常夜灯と平城宮大極殿跡の石碑が立っています。
奈良市のマンホールにはもちろん鹿が描かれています。この頃、新型ウィルスが広がってから観光客が少なくなって、鹿が餌を求めて、広く市街地にも進出してきたというニュースも聞かれていました。
駅前から東に向かう三条通りは歩道が広くなっていて歩きやすく、両側にある商店をぶらぶら見ながら奈良の町を歩いていきました。
三条通りと東向商店街との角に南都銀行本店があります。
1926(大正15)年築の登録有形文化財。正面にイオニア式の列柱を4本並べた堂々とした古典様式の建物。設計者は多くの銀行建築を手がけた長野宇平治です。窓枠や内装は改修されていますが、外観は当初の姿がよく保存されています。
花飾りの彫刻がかわいい。
「もちいどの(餅飯殿)センター街」のアーケードを抜け、
「しもみかど商店街」を歩きました。奈良の商店街に多かったお店は、古道具屋さん、古書店、リサイクル着物のお店、漢方薬店などなど。奈良の人は古い物を再生して何度でも大切に使うのだなあと思いました。
「もちいどのセンター街」南側辺りからが「ならまち」になります。
ならまち(奈良町)とは、奈良の旧市街地、特に元興寺の旧境内を中心とした一帯を指します。元興寺や興福寺の門前町だった奈良時代から始まり、近世以降は奈良を代表する商業地となりました。戦後は静かな住宅地も加わり、入り組んだ路地に、古い時代からの奈良のたたずまいを残す町並みが残っています。
明治初期の呉服商家が飲食店になっています。
「蚊帳」の看板の出たお家は、吉田蚊帳さん。大正10年創業の奈良特産・蚊帳生地の製造販売をするお店です。
その店舗。吸水性のいい蚊帳生地で「ならまちふきん」やのれんを作り、販売しています。
登録有形文化財、岡田家住宅。
主屋は明治前期。離れおよび渡り廊下は大正期。蔵は昭和5年の建築です。
幕末から明治時代にかけて産婆を生業とし、家の前面で薬の販売もしていて、伝統的な奈良の町家の姿をよく伝えています。
元興寺。日本最古の本格的仏教寺院、飛鳥寺が前身で、世界遺産になっています。
拝観料500円。
「ならまち」は観光地でありながら、京都のように観光ずれしていなくて、いかにも観光客目当てのようなお土産屋さんやレンタル着物屋が少なくて、落ち着いて歩ける街並みでした。