入江選手は何故、公認水着を着なかったか？

先日、日豪対抗水泳大会で
入江陵介選手が出した２００ｍ背泳ぎ世界新記録は
まだ正式には公認されていません

そんなわけで、現時点では暫定世界記録
あるいは未公認の世界記録と呼ぶべきでしょう

何故、そうなるかと言えば
この大会がまだ第一回目の大会で
この大会での記録が即時公認されないためということと
もう一つ、水着が国際水泳連盟公認のものでないためです

私は入江選手が未公認の水着を着たことに驚きました
なんでそんな馬鹿なことをしたのでしょう？
監督やコーチは、なぜそれを認めたのでしょう？

入江選手は日本選手権で世界記録に肉薄するタイムを出していました
しかもその時の泳ぎは、スタートの失敗などもあり
まだまだ改善の余地のあるものでした
あの時と同じ水着を着ても
今回は世界記録の出る可能性は充分あったのです

タイムではなく、勝負にこだわったのだとしても
この選択は不適切でした
この大会で入江選手と競るような選手はいませんでした
実際、入江選手はダントツの１位だったのです

なぜ、確実に世界記録を狙わなかったのか
私は関係者の考えが甘いのを嘆きます
記録そのものは、入江選手ならば、今後さらに更新するでしょう
それは、いかなる水着を身に着けようと
彼自身の実力が充分にあるからです

問題は、入江選手の考え方にあるのです
記録さえ出せばいいという安易な考え方です

この大会は日本とオーストラリアの国際試合です
国の名誉を賭けて最高の競技をしなければいけません
それともう一つ、両国家間の友好親善を促進するという意味もあるのです
堂々と戦い、立派な成績をおさめなければならない大会なのです
未公認の水着を使うということは
やや極端な表現をするならば、反則をするようなものです

現代のスポーツ選手と、その関係者に一番欠けているのが
以上、私の述べたスポーツを取り巻く事情等への理解です
彼らは私から指摘されても、おそらく、何を言われているのか分からず
ポカ～ンとしてしまうのではないでしょうか？

もし、水着を試したいだけなら
地方大会や未公認の大会はいくらでもあります
そちらに出場して試せばいいのです
晴れの舞台ですることではありません