「にがい涙の大地から」というドキュメンタリー映画を観させていただきました。
今から60年以上も前、日本軍によって中国に遺棄された化学兵器(毒ガスなど)。その遺棄された化学兵器によって平和な現在も新たな被害者が生まれているという事実。被害者の絶望が静かな字幕の画面を通して伝わってきます。治療費のため莫大な借金を背負い、死ぬより生きる方がつらい生活を余儀なくされていますが、正義を信じて最後の希望にと裁判にふみきります。一審は勝訴しました。海外、日本各紙にトップニュースで報道されました。しかし、日本政府は控訴します。その裁判は現在も進行中です。
「誰が考えても日本政府に責任があるのに」と、日本人として怒りと悲しみがいっぱいになります。父を日本軍の遺棄した砲弾の爆発で亡くした女性は、「勇気がないんだ。事実を認めたくないんだ」と泣きながらつぶやきました。
ぜひ機会がありましたら、一度観てください。重いテーマですが、日本人が知らなくてはいけない大事な事実だと思いました。映画を観る機会のない方は、こちらの「取材ノートから」をご覧ください。
一緒に観た方が、「靖国参拝問題など、中国の内政干渉のように思っていたけど、この事実を知って、中国人として当然の思いだと思った」と感想を述べられました。相手の思いに寄り添って考えることが、人と人の関係で大切なように、国と国の関係でも大切なんだと再確認しました。
内閣府「遺棄化学兵器処理担当室」HPより