透明タペストリー

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「原発事故はなぜくりかえすのか」

2011-04-01 | A 読書日記


『原発事故はなぜくりかえすのか』岩波新書  

■ 著者の高木仁三郎さんは原発の危険性について警鐘を鳴らし続けた方だった。この本の発行は2000年の12月のことだが、、高木さんはそのおよそ2か月前に62歳で不帰の人となった。今、お元気なら、今回の原発事故を深く悲しみ、かつ非常に悔しがったのではないかと思う。

私がこの本を読んだのは2001年のことだった。今も書店の書棚に並んでいたら、是非手にとっていただきたい。ここでは各章のこみだしを抜粋して紹介する。

1章 議論なし、批判なし、思想なし:安全神話の崩壊 自己点検のなさ
2章 押しつけられた運命共同体:国家まかせ 大事故の評価 「我が国」という発想
3章 放射能を知らない原子力屋さん:バケツにウランの衝撃 自分の手で扱う 事故調査委員会も化学抜き
・・・
5章 自己検証のなさ:自己検証のない原子力産業 アカウンタビリティー 寄せ集め技術の危険性
6章 隠蔽から改ざんへ:隠蔽の時代 技術にあってはならない改ざん
7章 技術者の変貌:ヴァーチャルな世界 倫理的なバリアの欠如 新しい時代の技術者倫理綱領
8章 技術の向かうべきところ:JOCの事故の意味

巻末に掲載されている高木さん最後のメッセージ↓
http://cnic.jp/takagi/words/tomohe.html

 

今回の原発事故の主因となった津波。その想定高さをどのように導きだしたのか、それが妥当な値であったのか、きちんと検証して欲しい。