透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「真田三代」

2009-07-02 | A 読書日記
 真田幸隆って誰? 

これでは歴女との会話は弾まない。真田幸隆は幸村のおじいちゃんってすぐ分からないと。いつまでも歴史に疎いなどと言ってばかりいないで戦国武将一番人気の真田幸村について少し読んでみよう。

とは言うものの、池波正太郎の「真田太平記」は新潮文庫で全12巻、読破するのはしんどい・・・。

そう思っていた矢先、新聞連載小説「真田三代」が始まった。「天地人」の原作者 火坂雅志さんが描く真田一族の物語。

これまで新聞の連載小説を読んだことは無かった。いや、松本清張の「影の地帯」を読んだような気がする。遠い記憶で曖昧だが。

ちょうどいい機会だ。この連載小説を読むことにしよう。

**カラマツ林を雨が濡らしている。
蜘蛛の糸をつないだような、銀色の小糠雨(こぬか)雨である。
五月雨のなか、真田幸隆は尻の張った黒鹿毛の馬を走らせていた。**

なかなか味のある書き出しではないか。

ブックレビュー 0906

2009-07-02 | A ブックレビュー



 6月に読んだ本のレビュー

今公開中の話題の映画「剣岳 点の記」の原作者 新田次郎の『槍ヶ岳開山』。播隆上人の真摯な生きざまに感銘を受けた。夫婦愛の物語とも読める。おすすめ本。

柴門ふみさんのエッセイ『ぶつぞう入門』『にっぽん入門』と続けて読んだ。すると文春文庫になっている残りの1冊『サイモン印』も気になる。先日新宿の紀伊国屋書店で購入して帰りのあずさで読んだ。やはり東京の大型書店はすごい。きちんと本が揃っている。

『サイモン印』に出てくるが、「紫門さん」と間違えられることがしばしばだそうだ。私はサイモンです!という、注意喚起のタイトルかも知れない。

武澤秀一さんの著書2冊。仏教の世界を建築的な視点から読み解いてみせた本。仏教と建築、ふたつの分野に精通していないと著すことができない。

写真には写っていない『のぼうの城』。 Mさんから借りた本では予想に反して一番面白かった。人望を得るとはどういうことか、考えさせられた。

長谷川尭さんの『建築有情』中公新書をおよそ30年ぶりに読み始めた。なかなか興味深い指摘がある。読了後に取り上げようかな。