透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

繰り返しの美学 原さんの場合

2008-02-26 | B 繰り返しの美学


① 02122 京都24会に出かけた時に撮った写真


② 010616

①は京都駅。ゆるやかに秩序づけよという原広司さんの教え。

②のモダンなデザインは槇さんだといっても通じるだろう。きちんと繰り返しているが実はこれも原さん。宮城県図書館のガラスのキャノピー。6年半前、仙台まで「せんだいメディアテーク」とこの図書館を見学に出かけたのだった。

**同じものはつくるな。同じものになろうとするものは、すべて変形せよ** **材料が同じなら、形を変えよ。形が同じなら、材料を変えよ。**と教える原さんだって時にはこういうこともする。

①のゆるやかな秩序も②のタイトな秩序も共に「繰り返しの美学」。私が取り上げているのは②だと既に何回も書いた。


 


暖房費ゼロ住宅について考えるの巻

2008-02-26 | A あれこれ

■ 地球温暖化防止のためにできることは何? 宇宙船地球号の乗組員として必要な問題意識ですね。

灯油価格の高騰で暖房費が嵩む、暖房費を節減するためにはどうすればいい? こういう問題意識でももちろんOK。

本稿では住宅の「断熱性能の向上」について考えてみます。

究極の高断熱住宅が「無暖房住宅」、台所の熱や家電製品などからの排熱だけで特に暖房しなくても生活できる室温が保てる住宅、厳密にはなにか違うかもしれませんが、基本的にはこんな押えでOKでしょう。

壁や屋根、床そして開口部、どの部位も断熱性能が低すぎる、そう思います。

 在来木造住宅の場合、柱のサイズイコール壁厚ですから約10cm。従って断熱材を壁の構面内に入れようとすれば最大厚10cm、どんな断熱材を使っても薄すぎます。それに間柱や筋交の部分にはきちんと断熱材をセットできないので熱的な性能が壁全体で均一になりません。

屋根に断熱材を入れるということはまだ一般化していないかもしれません。壁と比較すると屋根という部位は小屋裏、天井裏として空間的に曖昧に広がっていますから屋根の断熱は天井材の上に断熱材を敷いて、オシマイというケースがまだ多いのではないでしょうか。

に断熱材をきちんと設置するためには床下地を工夫する必要があります。根太の間に設置してオシマイでは全く不十分。根太の高さは一般的には約5cm。従って断熱材の厚さも5cmが限度。床下換気をするので温度は外気温とほぼ同じ。和室の場合、タタミにも断熱性能がありますが、フローリングの場合には床が冷たい・・・。

開口部 木造住宅の場合、もともと障子一枚、板戸一枚で内外を仕切っていたのですから、断熱性能はゼロに等しかったのですね。その流れで開口部の断熱性能はきわめて低いのが現状でしょう。木からアルミに建具の材質は変わりましたが、アルミは熱をよく伝える材料ですから熱的には弱点です。ガラス一枚の断熱性能など無に等しい・・・。

熱源 このような外皮の住宅ですから冬は寒くて当たり前。灯油をバンバン焚いてようやく室温を保っているというのが実情でしょう。

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各部位の断熱性能をもっと向上させるには・・・。試みにその方法(あまり具体的ではありませんが)を挙げてみます。

壁 在来木造の構面内に断熱材を設置しても前述したように厚さが十分確保できないからダメで、壁面の外に断熱材を設置する構法(外壁断熱)を採用したらどうでしょう。

屋根 
野地板の上か下に断熱材を入れます。(この部分に断熱材を入れることは天井を張らないときは一般的に行なわれますが、天井を張る場合はあまり行なわれません。)そうした上で天井材の裏側に断熱材を入れます。小屋裏を断熱材で充填してしまうという大胆?な考え方もありますが、通気性が損なわれるので好ましくないと思います。

 一般的な床組みでは断熱材をきちんと入れることは無理、床下通気は冬寒い。わざわざ隙間風を入れているようなものでしょう。コンクリートのベタ基礎を採用して、基礎の下にも上にも断熱材を入れます。

開口部 アルミサッシは製造過程でもエネルギーを大量に使います。熱伝導率が低いプラスチックサッシが普及しつつありますが、個人的には建材としてのプラスチックが好きではありませんから、木製サッシを使いたいです。ガラスはペアガラスを採用。日本ではまだ馴染がありませんがトリプルガラスなら更に性能が優れています。

(注)本稿では壁などの通気性の確保については触れませんが、十分考慮する必要があります。

熱源 灯油に頼らないことです。

①太陽エネルギーの積極的な利用を考えます。それもパッシブシステムが好ましいと思います。OMソーラーシステムなどはその代表例です。

太陽光発電はアクティブシステムの代表例で普及が進んでいるようですが、個人的にはあまり好きになれません。


②木をエネルギーとして積極的に使います。木を燃やしてもCO2は排出されます。しかしその生育過程までトータルに考えると未確認ですがたぶんプラスにはならないはずです。それに木は唯一再生可能な資源です。

「既存の住宅の断熱性能を向上させるための改修にはかなり費用がかかるじゃないか・・・」「ごもっとも! ごもっとも!」 

○暖房区画という手もあります。住宅内で冬用の生活ゾーンを決めてその部分のみ断熱性能を上げる、という方法です。普段使わない客間、予備室などは今のままで諦めます。

○厚着をする、これは基本です。モモヒキを愛用します。ンナもの穿いたら若い子にもてない、などとミヤサカおとうさんのようなことを言ってはいけません。、厚着をすることは住宅の断熱性能を体の近傍で補うという建築的な方法と捉えることもできるでしょう。

○酒を飲んで体を温める。これもお薦めです。それも日本酒がいいですね、米の需要が増えますから。麦を使うビールはダメです。これ以上ビールの需要が世界的に増えたら麦の生産が追いかないという指摘もあります。

○夜の組み体操をきちんと実践して一緒に寝たらどうでしょう?。電気毛布などを使うべからず、ですね。

以上オトウサンのための無暖房住宅講座?でした。