あた子の柿畑日記

田舎での日々の生活と趣味のレザークラフトについて

またまた大失敗

2007-10-11 09:59:24 | レザークラフト

 またまた  もお~


     牛ではありません。


 この前、作品にろうをしみこませてしまい、リベンジを誓ったわたしです。 くわしくはこちら    


 気に入らなかった部分も手直ししながら順調にろうを伏せる段階にこぎつけました。


 下塗りをした、石造りの建物の一部。なんだかぼやけていますね。



 ろう伏せをする前に、革の表と裏を刷毛で濡らします。 でないとろうの熱さで革がやけどするのです。 厚い革とはいえ、もとは生き物の皮膚ですから。 そういえば、わが子にろうそくのろうを垂らして虐待した父親の裁判があって判決が出ていましたが、裁判長が「おぞましい」という言葉を使っていました。 たしかに、水でぬらしていてもうっかりすると焼けこげのできる熱さ、これを生身の皮膚に垂らすなんて、想像しただけでもむかむかします。 その子はどんなにか痛かったでしょう。


 次に、ペーパータオルで、水分を吸い取ります。 矛盾してるんじゃないか、と思われるかもしれませんが、水気が多いとろうは革から浮いてしまうのです。ほどよい湿り気になるまで水を取ります。 そのあたりはカンと経験に頼るしかありませんが。


 いよいよ、電気ポットでとかしたろうを塗っていきます。 白く光っているのがろうをおいたところです。 石造りなので、石と石との間に影ができるように、隙間を空けて塗っていきます。 



 ろう伏せが終わったら、下塗りよりも濃い色の染料をはけで塗り込みます。 ろうの部分はもう染料が入りません。 隙間の部分に濃い色の染料がしみこむというわけです。 ここまでの経過時間、4時間半。 時計の針はちょうど夜中の12時を指していました。



 ろうを落とします。 塗っていたろうをすべてはがすのです。 ろうけつ染めの楽しみは、ただこの一瞬にかかっていると言っていいほど、期待と緊張の瞬間ですが、なかなか手間ひまかかります。 時間を見たら45分かかっていました。 (瞬間とは言えない~


 石壁がくっきりと現れました。 成功!



  じつはこの写真の前にもう一手間あるのです。 革に残った細かいろうを水で洗い流します。 革に水は禁物と思いがちですが、ろうけつ染めではこんなにたくさん水にさらすのですよ。


 で、いよいよ洗おうと思って全体を見てみたら・・・・


 な、なんだ、このよごれは?



 夕焼け(になる予定)の空にカラスか? 夕焼け小焼けじゃあるまいし。 
 それとも、ドラキュラ城のコウモリか? それのほうがまだ似合う。 いっそ空に魔女をとばせてみるか。 あれこれ、あれこれ・・・・(対策を考える)


 原因は、ろうの表面についていた染料(それも極めて濃い色の)が、ろう落としで革をうらがえした時、空の部分についてしまったものと思われます。 革の傷ひとつ、 新聞紙のインクが移るのにさえ気を遣う空の部分なのにー。


 ろう落としの前に、ろうに残る染料を拭き取るのは当たり前。 そうしたつもりなのですが、 屋根の部分を拭き取るのを忘れたらしい。 ろう伏せの部分がほんのわずかだったので油断したかも。 それよりなにより、4時間半に及ぶ作業で集中力が欠けていたのでしょう。 前回の失敗もそのぐらいの作業時間の後だったし。 


   集中力=体力だ~。 


 教室に持って行って、わたしがあれこれと考えた対策案を検討することにしました。 で、汚れの上に、やや立体にした雲を載せることに決めました。


 そばで小物を作っていた先輩のさん、
 「そんな大作の失敗を見つけたときってどんな気持ち?」
 「そりゃあ、ああ~ってなりますよ。なりますけど、わたし、あきらめが早くなったみた   い。」
 「うん、それはいいことね。」と、師匠。


 どうにもならないことはさっさとあきらめて、その後の対策に頭を使う。そんなくせがついてきました。 少しは達観してきましたかね?


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2 コメント

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Unknown (ねね)
2007-10-11 19:37:21
工芸ってセンスと技術と細心の注意も必要なんですね。
大変だからこそ価値があるのでしょうが、締め切り間近のミスは痛いですね~
雲でうまくカバーできるように頑張ってね!
全体像を見るのを楽しみにしていますよ。
大きいから写真に撮るのも苦心するかも?
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Unknown (あた子)
2007-10-11 19:56:40
 まだまだ未熟だと言うことです。プロの職人さんはえらいですね。
 締め切りまであと一週間です。がんばります。
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