あた子の柿畑日記

田舎での日々の生活と趣味のレザークラフトについて

緊急東京レポート

2011-03-13 11:34:04 | 旅行

 東京へ行ってきました。


 「帝国ホテルに泊まるお江戸満喫の旅」 

 1日目は観光バスで東京見物、2日目は全日自由行動。 ホテルは帝国ホテルだって!
実は、この時期是非行ってみたいところがあって、このお値段でこの内容なら、と飛びついたわけです。 キャンセル待ちまでして実現した東京旅行、さてその顛末は?


 1日観光は浅草や築地、皇居、途中スカイツリーも見られて、最後に国会議事堂の衆議院内部見学。 寒いと予想していた東京は、ぽかぽかのいい天気で、
 わたしって、なんて旅運のいい女だろうなんて悦に入ってたんですよ。


 2時半すぎ、東京見物の中でもっとも楽しみにしていた国会議事堂に着きました。
 まず、長~いエスカレーターで地下2階くらい下りたところの広間に案内されました。

 そのエスカレーターに乗るとき、がたっと何かが倒れる音がして、 あれっ、わたし何かにぶつかったかしらと辺りを見回しましたが、どうもなんともなさそうだったのでそのままエスカレーターに。

 「このエスカレーター、よく揺れるねえ」 とわたしが言ったら、
 「さっき、外で工事してたでしょ。それのせいじゃない?」と、バスの中でお友だちになった人が言いました。
 でも~~ なんでこんなに横揺れするのか。 おまけに手すりまで揺れ出したし。
 「地震じゃない?」とわたしが言ったとき、先に下に下りていた案内の係の人に怒られました。 


 「地震です!早く下りてください!」 
 
 でも、前の人が急いでくれないんですもの。 みんなどうも言われていることがピンと来ないみたいでした。


 エスカレーターを下りてみると、何も掴まらずに電車に乗っている感じでした。 とっさにわたしは上を見て電灯の下でないことを確認。 つぎに潜り込めるものはあるかと探しましたが、その部屋は体育館のようにだだっ広く、壁際に簡単な椅子が置いてあるだけでした。 先に下りた人は椅子に座り、そこまで行けなかった人は床にしゃがんだり柱を持ったりして(柱の近くにいて大丈夫なのかと一瞬思いましたが)揺れが収まるのを待ちましたが、今まで経験した地震の中で一番揺れが長かったように感じました。


 その後、施設内点検の間お待ちくださいと言われて、警備の警察官に付き添われて待っていました。その間に携帯で調べた人に、震源地が宮城県沖だと言うことを教えてもらいました。


 東京って(東北から)近いんだねえ~ と、わたしたち、わりとのんきにしてたのですが、
 
 「申し訳ありませんが、今日はお見せすることができません。 向こうの建物にひびが入っていまして・・・・・」 ありゃ


 その代わりに、建物の外を廻って、特別に正面からの写真を撮らせてくれることになりました。



 このどっちかの道が、天皇陛下の通られる道だそうで、本当なら我々が入ることはできないのです。昨年か一昨年か、きれいに汚れを落としたとかで、真っ白いきれいな建物でした。


 係の人はそのままわたしたちのバスに乗り込んで、パンフレットの説明やら回りの建物やらの説明やらをしてくれました。
 「退社時間でもないのにこんなに人がいるということは、地下鉄もとまったようですね。」との説明に、わたしたちもようやくことの大変さに気づき始めました。 でもその時点で、わたしたちはまだ観光気分だったのです。 あとはホテルで寝るだけでしたから。



 帝国ホテルは、皇居や永田町の政府役所からも近いところにあります。係の人は結局ホテルまで付き合ってくれて、バスを降りましたが、????なぜ? 単に説明のためだけだったのかしら? 


 16時15分頃、ホテル裏側のタクシー乗り場がすごいことになっていました。 行列は建物をぐるっと廻って、何十メートルにもなっていました。 そしてホテル前を歩く人、人、人・・・・ 
 後でニュースで知ったのですが、都内の別の場所では、タクシー待ちに5時間並んだ人もいたそうです。



 ホテルでは今、1室1室点検をしていますので、しばらくバスの中でお待ちくださいと言われて、小一時間バスの中にいましたが、一向に中には入れそうもありません。 運動も兼ねてホテルのトイレに行きました。
 中は、なんとまあ、臨時にテレビが運び込まれたロビーでは、じゅうたんの上に車座になってテレビを見る人や、そこかしこで携帯を手にする人、レストランの営業を待って並んでいる人などおおよそ老舗のホテルには似つかわしくない光景が広がっていました。 (テレビを置く台がむきだしではなく白布が敷かれていたのはさすがだと思いましたけど)
 トイレも、公衆電話も長蛇の列でした。


 どうも長丁場になりそうだし、コンビニに出かけた人から、品物が少なくなっていると聞いたので、わたしともう一人単独参加の方とで何処かへ食べに行くことにしました。


 ずっととまったままの新幹線。 ホテルに着く前から、食事に出かけた17時40分までそのままでした。 窓に灯りがついているところをみると、中にまだ乗客が残っているのかもしれません。



 有楽町駅に近い高架下のビアホールが開いていたので、そこで何か食べることに。
 赤ちゃん連れの若いお母さんがいて、わたしは一瞬

 「ビアホールに赤ちゃん連れなんてなんたること!」
と思いましたが、実はみんな本当に困っていたのです。 可愛くて元気のいいおかあさんで、お父さんとここで合流して、帰る手段を相談していました。 お父さんが歩いて帰って、車で迎えに来ると言う案がでていましたが、どうなったのでしょう。 
 歩いて帰ろうとしたんだけど寒くてたまらないからお店に入らせてもらったと言う人もいました。さらには、電車が動き出すまでここで飲み明かすつもりなのか、ビールで盛り上がっているグループもいました。


 ビアホール故におつまみメニューがほとんどでしたが、とりあえずお腹を満たすことができて満足してホテルに帰ったのですが、みんなまだバスの中でした。 その時点で、わたしの予想では、部屋に入れるのは9時くらい・・・・・・


 バスの中ではテレビをつけてくれていました。 その映像を見て初めて、今回の地震がただならぬものであったことを知ったのです。


 ホテルから若い女性がお詫びのあいさつに来られ、水と紙コップを用意してくれました。多分エコノミー症候群の予防と思われます。ですから、遠慮なくお水は何度も頂くことにしました。



 1日案内をしてくれたガイドさん、まだ20歳そこそこの若くて、可愛くて、気だてがよくて本当に感じのいいガイドさんでしたが、宮城県北部の出身だと言うことでした。 わたしたちが国会議事堂でバスを降りている間に実家に電話したけど繋がらないと、心配そうでした。 あの映像を見て、どんなにか辛かっただろうと思います。 それでも気丈に笑顔を見せて、わたしたちに水をついで廻ってくれました。


 再びホテルの彼女が現れて、「ようやくお部屋へご案内することができます」と言ったのは、21時少し前。 ね、予想通りでしょ。 それも、客室用のエレベーターはまだ復旧してないので、業務用のエレベーター1基を使ってくださいとのこと。
 業務用エレベーターでリネン室に着き、シーツなどが山積みされている中を通って客室へ行くという、値打ちのある観光でしたよ。


 係の女性には「お客様の疲れた顔を見ると申し訳なくて・・・・」と何度も頭を下げられて、返って私のほうが気の毒になりました。
 いったん部屋に入ったわたしは、非常出口の確認もかねてその階の探検に。


 


 黒いうねっている部分が多分JRの線路と有楽町駅。 その下で食事をしたのです。 赤い光は渋滞した車のライトと思われます。
 疲れてはいましたがテレビの画面から目を離せませんでした。 見る度に広がる被害の大きさ。 ガイドさんの家族、無事だったのかしら。

 夜寝ている間も何度かミシミシという音がしました。それもけっこう長く。 ああ、揺れてるなと思ったけど、頭上に落ちてくるものはないし、まあいいか、とそのまま眠ってしまった・・・・・


 一夜明けて朝食を食べに本館へ行くと、なんとまあ、廊下や広間には毛布をかぶった人があちこちに。 昨日はなにかのパーティーがあったらしく、きれいに着飾った若い女性が、ピンヒールの靴を脱いで毛布にくるまっていました。 そういえば大学の卒業シーズンですよね。 帰る手段のなかった人がホテルで一夜を過ごしたようです。 
 高級ホテルが、満員時のフェリーと化していました。
  


 エントランスにはこの日の交通状況が張り出されて、



 ここ、とっても豪華できれいな場所なのにねえ。
 結婚式もあるらしいのですが、留め袖姿の女性が、親族が来られそうもないと電話で話していたりしてー もうだれも予定通りには行動できないのではないでしょうか。 でも、自分は予定通りにいくと信じて疑わなかったわたしって・・・・・・


 山手線が復旧しないため、地下鉄を乗り継いで、やっと着いた東京芸術劇場。 ここのギャラリーで「日本革工芸展」が開かれているのです。 わたしの東京へ来た第一の目的はこれでした。



 何か張り紙がしてある・・・・・・

 「都庁の指示により安全確認の点検のため、臨時休館します。」

                          


 予定通り無事に返ってきたからそれでよしとしなければなりませんね。
 帰ってからも、テレビをつける度に被害は大きくなるばかりで、命からがら逃げのびた人の、言葉にならない静かな涙を見ていると胸が詰まります。
 そして、今度の旅行で一番印象に残ったのは、自分のことを2の次にして職務を全うしようとする人たちの姿でした。 国会議事堂の職員の皆さん、ホテルのスタッフの皆さん、街に出て交通整理や警備に当たる警察官、観光のお世話をしてくれた添乗員やバスの運転手、ガイドさん、交通機関で働く人たち・・・・  そして街の人たちも、みんなとても困っているはずなのに、静かに冷静に行動しています。日本人て捨てたもんじゃない。 しみじみとそう思いました。 
  
                       




 けさ、関西電力に勤める知り合いからということで、節電を呼びかけるメールが届きました。 と言うことで原文を載せていたのですが、 


   りんごさんからのご指摘があり、このメールはどうもチェーンメールでまわっているもののようです。
 節電自体は枝野官房長官が国民全体に呼びかけていますので、悪いものではなく、むしろ積極的に取り組むべきものですが、情報に誤りがありました。
 
 関西電力のホームページでチェーンメールについて注意を呼びかけています。  これ以上情報を広めないために、内容を削除させていただきました。 すでにメールの文面をお読みになった方、たいへん申し訳ありませんでした。

 

コメント (8)
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