桜三里の中ほどに小さな発電所があります。 秋になるとその発電所の入り口あたりが黄色に染まって人目を引きます。
この日も数台の車が道ばたに停まっていて、見物の人が歩いていました。 わたしは人を避けて、ちょっと離れた、銀杏並木の反対が見える場所から見てみました。
手前のもみじも色づき始めていますが、全体的に茶色っぽいですね。
こうしてみると、木の本数はあまり多くないようです。
初めて見る発電所の全貌。 そういえば何十年とこの銀杏を見てきたのに、この発電所のこともあまり知らない。
この発電所で使う水は山を越えた向こうにある面河ダムから、山中の隧道を通ってやってきます。 (訂正 今は発電はしてなくて、これは変電所なんだそうです)
銀杏並木を通り抜けると、道はぐんとカーブして
右手の橋に続いています。 あそこから発電所に入れるみたい。
周囲の木々もそろそろ紅葉でしょうか。
面河ダムですが・・・・・
昭和40年代に必要性を陳情してできたダムだとか。 東予と中予に分水して農業用水・工業用水・発電に使われています。 当時松山市の上水道用にという話もあったそうなのですが、費用の負担の問題もあり松山市は導入しなかったのだそうです。 それをしていれば、今の水不足問題はなかったでしょうにー。 ダムに関しては長い年月を視野に入れた対応が必要のようです。
今、面河ダムのおかげで東予の水路には豊かに水が流れています。 確かに役立っていると実感できます。
かなり前、この発電所のある中山川上流にダムを造るという話が持ち上がりましたが、流域の自治体が、ダムの必要なしと判断して立ち消えになりました。 正直ほっとしました。 この豊かな自然を水没させてしまうのはあまりにも残酷なことのように思えました。 まして我が家を水の底に沈めることになった人々の思いはいかばかりかと思います。
それでも確かに人々の役に立っていると分かればダム建設も無駄ではなかったと納得できますが、何十年も建設をのばしのばしにして、それでも人々の生活に特に支障がないというのは、つまりなくてもよいような・・・・・ 半世紀も前の政治判断が、今問い直されていると思います。 その中で建設か否かに振り回され続けてきた水没地域の皆さんの心情を思うとやりきれないですね。