エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

柞(ははそ)の森

2007-12-29 | 日々の生活
              【小さな柞(ははそ)の林の中の我が家】

 今朝4時、ラジオ深夜便 で「 柞(ははそ)の森に立つ 」(平成19.1/5の再放送)を聞いた。気仙沼の歌人 熊谷龍子さんを知らなかった。(歌集に「花の北限」,「地表水まで」,「森は海の恋人」,「柞の森」などがある。祖父は歌人熊谷武郎氏)

柞(ははそ)とは広葉樹のことで、里山のクヌギやナラなど雑木の類を言うことを知った。そして「ははそ」のすばらしさに共感しながら、木々を愛でる彼女の歌のいくつかを聞いた。

 四季それぞれに柞(ははそ)を愛でる歌は披露されたが、どれも感じたそのままを易しく詠む、自然な歌だと思った。自分にも読めそうな気がした。自分の心を素直に表現してみたいと思った。自分の自然を前にしての感受性は良くわかるが、問題はその感受性を言葉にするまでの過程と思う。その頭の中の回路が歌人の才能であろう。
 
 「森は海の恋人」と言う言葉は聞いてはいたが、これは彼女の「森は海を 海は森を恋ながら 悠久よりの 愛紡ぎゆく」(『歌集 森は海の恋人』(1996年、北斗出版発行))からのものであることを知った。地元気仙沼の牡蠣養殖業 畠山重篤さん〈牡蠣の森を慕う会〉は、「海にとっても山が大事」と訴え、植林や啓蒙などを中心にした自然保護活動に「森は海の恋人」というキャッチコピーをつくったのだった。
また、気仙沼の樹齢800年のカツラの木についても語られていた。県指定天然記念物の高さ33mの県内最古、最大の巨木らしい。一度見てみたいと思った。
 実は、最近、三陸方面への旅を計画していた。魚を食べに、そして冬のリアス式海岸を訪ねたいと思っていた。当を得たいい情報だった。

 今朝は今の時期としては暖かい。低気圧が南からの暖かい空気を運んで、静かな冬の雨降りだ。明日からはこの冬一番の寒気団が襲来、雪の元旦を迎えそうだ。
 冬も毎日庭を楽しんでいるが、今朝の放送を聞き、あらためて庭の小さな柞(ははそ)の林に自然を見つめた。歳月の流れを、人生を、健康を、家族を、・・・すべてに思いを巡らし、積もった枯れ落ち葉に眺め入った。
 
 数日で年が変わる。新しい年も庭の豊かな自然小さな自然を愛でながら、穏やかに過ごしたいと思っている。