エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

野沢菜をいただく

2007-12-06 | 食文化
            《 美味しいふるさとの味・野沢菜 》

毎日見舞いに来る妻からの報告で、家の様子はすべて分かった。
 信州から野沢が届いたという。早速浸けて、もう水が上がったこと。
 今朝、1年ぶりにお葉浸けをご馳走になった。これまた信州からの新米を、とても美味しくいただいた。

*【11/27入院中のメモ】*
 入院中に、妻の実家から荷物が届いたという。一つは新米、続いて最近は野沢菜をいただいた。翌日、早速浸けたという。何も手伝いをするわけではないが、例年繰り返される信州の風物詩を、今年は見ることが出来なかった。とても残念だ。
 次は信州リンゴのフジが届くだろう。また、年末にはお正月を前にお餅をついて送ってくれる。ありがたいことだ。
 宅急便の段ボールには、いつも必ず、飴や煎餅などの駄菓子が入っていた。
子どもたちへの心遣いがありがたかった。
 何年も何年も、段ボールにつめていろいろ送ってくれた信州の亡き父、母の顔が浮かんでくる。切なく込み上げるものがある。
 本当の幸せはこういうものなのだろう。



参: 昨年の拙ブログ(2006-11-24) 「晩秋の風物詩「野沢菜漬け」」

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* いつか書いた エッセイ *
 冬の楽しみ 「野沢菜漬け」

 暮れから正月、雪の季節には野沢菜漬けを楽しんでいる。
 毎年十一月末になると妻の実家からみずみずしい野沢菜が届く。いつもは葉を柔らかくするため霜に当ててからの収穫だが、昨秋は暖かく降霜前でも丈も長いようであった。
 もみじ葉が一片ごとに散り始める穏やかな小春日和に、妻の野沢菜漬けはお菜洗いから始まった。いつも変わらぬ信州の風物詩である。
 野沢菜はご飯によく合う。あの茎の歯ごたえが何とも言えない。食後茶碗に注いだ白湯に葉の部分を広げて飲む味がまた格別だ。
 野沢菜漬けは春が近づくとどうしても飴色に変色する。でもその野沢菜も油で炒めてチャーハンにしたり、砂糖で煮詰めて佃煮風にして懐かしい味を楽むこともできる。
 信州では冬の間、氷の付いたままの青い野沢菜が食卓に出される。冷たい緑鮮やかな野沢菜をいただくたびに、さわやかな信州での青春がよみがえってくる。
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三界は只心なり

2007-12-06 | 健康
《庭の隅に、白斑入りの濃紅色大輪の八重咲きツバキが咲いていた》

 今回の入院は、どうにもならない病状ではあったが、多少の計画的な治療だった。
 週単位の計画的な辛い検査が続いた。その度の絶食と点滴、鎮静剤や鎮痛剤、特に眠らされる麻酔薬が嫌だった。いつも薬による影響が辛かった。でも、その都度、以前もっと苦しい闘病があったことや家族への思いを力として何とか耐えることができた。すべては、やはり時間が解決してくれた。

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*【11/7 入院中のメモ】*

《今日は何もないようだ。 無為に時間が流れていくようでいたたまれない。焦るな焦るなと言い聞かせてはいる。考えれば、これまでどんなにか無駄な時間を費やしてきたのだからと。そう考え納得するが、それにしても辛い。おまけに今日の快晴、病院の窓からこんな雲一つない秋空を眺めていることはもっと辛い。
 多少センチな気持ちになるのはいい、でも、鴨長明の方丈記には「三界ハ只心ヒトツナリ」とある。どんな状況にあろうが、心の持ちようによって充実した人生があるのだ。
 そう勇気づける前向きな気持ちと、こうして惨めな気持ちが交錯する。
 急がずに、静かに落ち着いて世の中を眺めていきたい。天真に任せる。 》
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