久しぶりに外泊許可をもらった土曜日、秋の終わりを眺めに娘の車でドライブに出た。 風は冷たいが快晴、猪苗代町の山あいのひろばで孫たちと遊んだ。外気はすでに冬の寒さ、ブランコの冷たすぎる鉄棒を3才の孫は、上着の袖を伸ばしてつかんでいた。しばし静寂に孫の声がこだました。
佇み、山の杉林を眺めると、そこには所々に半分葉を落とした落葉松の林が混生していた。瞬間、忘れていた感動がよみがえり、自分が絵の前にいるような錯覚にとらわれた。秩序正しい暗い緑の杉林の幾何学模様の中に、所々、黄色い落葉松林がホオキのように配置されていた。それはいつか見た、東山魁偉の世界そのものだった。
燃え上がったモミジも色あせた山の端に、冠雪した磐梯山の頂が冬の雲を抱いていた。
美しすぎる感動の景色をもらい、元気に帰院できそうな気がした。 2007.11.17