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カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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通常作業のローライ35系の巻

2021年09月16日 20時30分00秒 | ブログ

UPの間隔があきました。作業はしているのですが、コロナではなく夏カゼを引きましてね。喉と鼻だけで熱は出ないのですが、なかなか抜けません。体調悪いです。気温の変化が激しいので、みなさんもお気を付けください。

で、いつのも作業をしていますが特に新しいこともありません。ローライ35系の不具合は大体決まっています。この初期型ローライ35は露出計が作動しません。例によって電池室からの取出し部の断線です。

今回も半田付けで修復をしておきました。初期型ですと回路の問題だけでなくCdsが不良となっているものもありますが、今回は元気に作動しています。

 

シャッターの不具合というのは少ないですが、シャッター羽根が錆びている個体の場合は不調となります。レンズを清掃しますので、どちらにしても分解します。

 

この個体はジャーマニー製ですが、すでに裏蓋のロックレバーが改良されたタイプですね。あまり人気は無いのかな? しかし、機械としての信頼性はこちらの方が優れていると思いますね。

 

このローライ35は巻上ロックが利きません。何度でも巻き上げが出来ます。過去に分解歴がありますが、白い樹脂の(L型)レバーの動きを制御するピンセット先のストッパーの調整不良によりロックが掛からない状態です。

 

調整後、のストッパーがカムを留めています。

 

 

この個体は巻き戻しレバーを操作してもスプロケットの開放とロックが出来ません。スプロケット軸の嵌っているギヤが上方に逃げることでスプロケットをフリーにします。初期型ですので、バネの抜け止めとして真鍮ワッシャーとEリングがセットされますが、シンガポール製では省略されます。

初期型のスプロケット軸はギヤの摺動部が細く、強く押されると容易に曲がってしまい、ギヤが動かなくなるトラブルがあるので分解検査をしてみましたが、特に曲がりはありません。なんで?

 

原因は思わぬところ。いつも問題となっている樹脂の接眼部です。プリズムを固定する板バネの圧力で側面が変形してしまい、ギヤの歯と接触をしているため、ギヤがスムーズに動けないのでした。

 

こちらはローライ35Sのファインダー。ローライ35の初期プリズムタイプと全く設計が異なります。分解清掃をして行きます。

 

これはローライC35ですが、シボ革の接着が両面テープのため剥がれています。

 

 

反対側も剥がれそうですね。一度すべて剥離をして貼り直します。

 

 

本体が樹脂製のため溶剤系の接着剤が使えない(樹脂が溶ける)ので両面テープ貼りとしてあると思いますが、それですといずれ剥がれますので接着で貼ってあります。

 

基本的に故障はない個体ですのでメンテナンスをしておきます。ファインダーの清掃はレンズ固定ピンを抜けばブライトフレームが取り外せます。

 

 

この辺に軽微な打痕がありますので修正をしておきます。

 

 

個人的にはここまでコストダウンしなくてもと思いますが、現存数が少ないようで相場は高いのだそうです。

 

今日は露出計ユニットの研究をしていました。不良の部品を寄せ集めて、半固定抵抗は現在のものを使用して既成の僅かなスペースの中で回路(配線)をどのように構成するかを検討しました。メーターは元気に作動しています。みんな大好き初期型ジャーマニーは古いのでCdsゃメーターがダウンしている個体も多く、ジャンクを寄せ集めてユニットを再生することは大切なことと思います。

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