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カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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これはきれいPEN-Wの巻

2021年03月16日 19時50分00秒 | ブログ

遅れて来たペンマニアさんからまたまた送られて来ましたよ。元箱付きのPEN-Wですが、外観はかなりきれいですよ。

 

純正フィルターは新品のようにきれいです。しかし、シャッターは不動でファインダーも曇っています。

 

この塗膜をご覧ください。塗り肌の艶消しがそのまま残っています。使われていませんね。

 

 

前面の塗装も劣化がありません。ピントリングなども完璧な状態。これは未分解機と思ったのでしたが・・

 

確かにトップカバーは開けられていません。トップカバーを分離するにはシューカバーを取り除く必要がありますか、この個体は引っかかって取り除けない。カバーをそのまま取り付けると少しカバカバするよにう動くんですね。工場ではそれを防止するためにの角を少し曲げているのです。しかし、曲げ過ぎると取り外せなくなります。まぁ、PEN-Sなどの梨地クロームなら傷もつきにくいのですが、PEN-Wは塗装ですし、この個体のように無傷となるとすごく気を使います。で、裏技で取り外しに成功。慣れない方だと多分傷だらけ間違いなしです。

シャッターを分離しました。あれ? このシャッターは分解を受けていますね。途中で修理されているのに動かないということか・・

 

作業としてはいつも同じなんですけど、シャッターを分離するとシンクロ接片の半田付けが取れました。反対側の接片が取れることが多いのですが珍しい。

 

霧の遁兵衛か伊賀の影丸、忍者の手裏剣みたいなシャッター羽根。これでは動きません。

 

シンクロターミナルを直しておきます。

 

 

微妙な半田付け。

 

 

下塗りにグレーのプライマーが使われている塗装は比較的状態が良いように思います。

 

 

あっ、ピンボケだ。で、完成したシャッターユニットを本体に取付けようとネジを絞め込んだところ・・なんかスムーズに入らないし斜めに入るようです。たぶん、途中でシャッターの修理を受けた時にネジを斜めに締め込んだのでしょう。そのまま見なかったことにすれば出来ますが気分が良くありませんので再びシャッターを分解しました。ねじ山の矯正にはタップを通してしまえば確実ですが、材質がアルミで条数が少ないですからタップ通しによってねじ山が痩せているとズルッとねじ山を壊してしまう危険があるので、裏側の正しいネジ山が残っている側から少しづつ締め込んでねじ山を矯正していきます。

レンズは後玉にバルサム曇りがありますけど他の標準的なレンズと比較すれはかなり良い方です。しかし、海外の北米に有った個体などにはもっと良いコンディションのものがありますからバルサムには使用による紫外線より高温多湿の方が影響が大きいのかもしれませんね。

 

あら~、シャッター以外は未分解と思っていましたが駒数ガラスも交換されていますね。たぶんクラックが入っていたのでしょう。塗装機の場合はエポキシ接着剤と塗装面の貼り付きが強いため剥離は困難なのですが、もう少しきれいに出来ないでしょうかね。

 

ファインダーは対物レンズのみ分離されていました。1枚にカケがあります。

 

 

ファインダーを組み込んだトップカバーを本体に取り付けます。

 

 

PEN-Wまで合本になった取説があるんですね。これも貴重です。当初は完全未分解機と思いましたが、修復の手が入っていましたね。しかし、現存の個体の中では上位に来るコンディションの個体であることは間違いありません。しかし、遅れて来たペンマニアさんは何台のPEN-Wを所有されているのか私も分からなくなりました。おそらく日本一のコレクターさんでしょうね。#1043XX 1964年10月(東京オリンピック開催年月)製。

 

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