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今日の筆洗

2024年04月13日 | Weblog
 岩波少年文庫の朝鮮民話選に『ネギをうえた人』という少々怖い話がある▼人間がネギを食べなかったころ、人間は互いが牛に見え、間違えて食べることがよくあったそうな。そんな間違いが嫌になったある人が、人間が互いに人間に見える国を探す旅に出て、長い年月を経てようやく見つける。なぜ人間と牛が見分けられるのか聞くと、秘密はネギ。栽培して食べると間違いはなくなったと知る▼民話では人に和をもたらすネギだが、韓国の国会議員を選ぶ総選挙で野党が与党打倒の象徴に長ネギを使い大勝。尹錫悦(ユンソンニョル)大統領を支える与党は惨敗した▼ネギ活躍の発端は尹氏がスーパーの視察で1束875ウォン(約100円)の長ネギを見て「合理的な価格だと分かる」と言ったこと。尹氏が接した品はあくまで特価で通常は数倍という▼物価の実情に疎いと批判が出て「長ネギ」と「大破」の韓国語の発音は同じ「テパ」のため野党側は長ネギを手に「与党を大破」とアピール。物価高に苦しむ民に浸透した。ネギのせいばかりでなかろうが、尹氏には苦い結果である▼民話では、ネギを知った人は種をもらい急ぎ故国に戻る。みんなを救えると種をまいたが、収穫前に周囲の人たちが「牛がいる」と捕まえようとし危機に陥る。結論を書くのは控えるが、公のために汗を流しても、理解を得るのはそう簡単ではないと分かる話である。
 
 

 


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