集成・兵隊芸白兵

 平成21年開設の「兵隊芸白兵」というブログのリニューアル。
 旧ブログ同様、昔の話、兵隊の道の話を続行します!

「叩きつける」原動力!?足首の返し

2018-09-22 21:10:56 | 格闘技のお話
 長々と野球の話を書いておりましたので、今回は短めの格闘技話です。

 フルコンやキックなどでローキックを放つ際、「インパクトの瞬間には背足とスネが約90°を形成するように足首を返す」という技術。
 これを初めてマニュアル化して人口に膾炙させたのは、かつて他流派の大会を独自のメゾットで席巻し「侵略者軍団」と呼ばれた昭和の正道会館であったと記憶しております。
 発案者はおそらく…幾種類ものローのバリエーションを持っていた先代の芦原館長ではなかったのかと思いますが…詳細は不明です。それはともかく。

 この「足首を返した蹴り」で、皆が知っている名人をひとり挙げろと言われますと…私としましては、K-1優勝3回を誇る、ピーター・アーツを一等に挙げたいですね。
 同じオランダ勢のアーネスト・ホーストもこの「足首を返した蹴り」が普通にできていましたが、ホーストは多彩なコーディネーションがあり、蹴りだけに頼っていたわけではなかった。しかしアーツはどうひいき目に見ても、相手に効く攻撃は右のローとハイくらい。とくにフィニッシュは右ハイしかなかったといっても過言ではありません。
 アーツが偉いのは、それが分かったうえで、相手が逃げられないコーディネーションを考えていたこと。
 左足前、オーソドックススタイルのアーツのパンチは全くKOを狙っておらず、悪い言い方をすれば、ただ押すか、距離をはかっているだけ。これで下がるヤツには右の大振りのフックを出すふり(当てない。相手の意識を右フックに集中させ、本命の右ハイを隠すブラフ)をして右のハイをバカン!パンチが効く相手はパンチを出すふりをして自分の右サイドに相手をサバきつつバカン!距離を取る相手には左の引かないジャブを出して距離を測り、下がりながらバカン!全くすごいもんです。
 また、アーツの得意とした左足前オーソドックススタイルにおいて、KOに至る蹴りは左ハイであることが多く、右でKOを取れることはまずない。これを使いこなしていたあたりにアーツの天才性がありますし、また、「足首を返す」が余程しっかりできていたものと思われます。
 その証拠に、普通、蹴りを食らってKOされる選手は膝からクタクタ、と倒れるところ、アーツの蹴りをくらった選手は胴体ごとなぎ倒されており、「足首を返す」の有効性がよくわかります。

 さて、組技のほうに目を転じて、「足首を返す」に最も早く着目し、有効に使用していたのは、私の知る限り「鬼の柔道」木村政彦先生。
 今から10年くらい前、格闘技DVDの老舗クエストからリリースされた「木村政彦 鬼の柔道」、そしてごく最近復刊された「木村政彦 柔道の技」(イーストプレス)の双方に、普通の柔道教室などでは絶対!!!!に教えてくれない、足首を返した大外が登場しております(強豪柔道部などではひっそりと教えているかもしれませんが、私が多数の柔道教本などを確認する限り、木村式の大外を見たことがありません)。
 これについては、クエスト及びイーストプレスの商売のジャマをしてはいけないので詳解を控えますが、本当に威力あり!!!!です。

 足首を返すことによってまず生まれるのは、まず前脛骨筋の緊張。その次の利点として、前脛骨筋の緊張は、スネの部分から背筋までを、いわゆる「繋ぐ」効果があります。実は空手の型にもそれを狙った効果があって…という話をすると、話が横道にそれちゃいますので今日は控えますが(;^ω^)、まあ、そうした効果があるわけですね。
 その結果、蹴りにせよ柔道の足刈技にせよ、ヒットポイントに自分の体重を大きく乗せることができるという効果が生まれる、ということとなります。
 …とこんな話をすると、「そうか、じゃあローは全て足首を返せばいいんだ!」「大外なんでもかんでも、足首を返せばいいんだ!」と考える、20代のワタクシのような単細胞な方が出てくることが懸念されますが…これらは全て、技を極めるまでのコーディネーションが完成していて初めて奏功するものである、ということをお忘れなきようお願い致します。
 また、足首を返すことは、それまでの動きに余計なワンモーションを加えることにもなりますので、技に落とし込む場合や、試合やスパーでの使用を考慮される場合は、しっかり反復練習をされることをオススメ致します。

 最後の蛇足としまして、本稿の内容をさらに深く知りたいという方におかれましては、「カラテ不滅の倒しテク 空手黄金時代を駆け抜けた小兵が語るワザと半生」(玉城厚志著、フル・コム)、「木村政彦 柔道の技」(木村政彦著、イースト・プレス)の購読をオススメ申し上げますm(__)m。

山口県発・愛?と復讐の高校野球2018(その5)

2018-09-18 17:59:27 | 周防野球列伝
 「山口県発・愛?と復讐の高校野球2018」、ようやくオーラスとなりました。ここまでお読みいただいたご奇特な皆様におかれましては、大きな謝意を示しますと同時に、大変疲れさせてしまい、深くお詫び申し上げます。
 最終回で取り上げますのは、日刊ゲンダイに「半強制的に行う長い練習」と書かれた練習時間についてです。

 「日刊ゲンダイ」によりますと、下関国際の練習時間は、平日は朝5時から始まり、授業を経て夕刻は推定16時ころから21時ころまで、遅い時は23時頃まで、とあります。平日でだいたい1日8時間程度、ここから着替えやグラウンド整備、あるいは給水・補食等の時間を考えれば、実働6~7時間ってところでしょうか。
 しかし、他の甲子園常連校からすれば、その程度の練習時間は常識以前の当たり前の長さであり、取り立てて多いわけではありません。
 全国的に有名な野球強豪校は、「授業は午前だけで終了、あとは練習、練習!」なんてところも全く珍しくない。私が知っているだけでも「授業は午前、あとは練習、練習!」制を取っている学校はO阪T陰、S台I英、H学院K星、A森Y田、R大学H安など…おお、どこかで聞いたことのある学校ばっかりだ(;^ω^)。
 こうした学校の場合、毎日が半日授業ですから、5~8時朝練の他、13時~21時ころまでの練習時間が取れます。実に12時間!給水・補食・グラウンド整備の時間を間引いても9~10時間の練習時間が!
 むろん、これだけの時間を練習に当てる時期は限られているのでしょうが、ウラを返せば、どんなに身体能力に優れたガキをかき集めた野球強豪校であっても、それだけの時間をかけて徹底的に練習しないと甲子園には出られないわけです。まあ、そこに野球の奥深さ、難しさがあるわけなのですが…。
 ただ、下関国際はそうした野球強豪校的優遇措置とは一切無縁。部員のほとんどが地元の無名選手で野球エリートが一切存在せず、しかも授業は夕方までちゃんとある(しかも坂原監督は、きちんと授業を受け、課題を提出しないヤツは許さないという姿勢を貫いている)。
 それでも甲子園を目指そうとすれば、上記強豪校と同等か、それ以上の練習をしないと間に合わない。当然の話です。
 そうした環境の中で強豪校に匹敵する練習時間を取ろうと思えば、朝早く集まったり、夜が遅かったりするのは至極当然のことであり、これは下関国際のみならず、各地区で強豪と呼ばれる学校であれば、公私立を問わず、どこの学校でもやっていること。
 これのどこが「不合理に長い練習」なのか…私にはちょっと理解しかねます(今年度から、そうした環境をある程度改善するため、野球部寮が開設されたようです)。
 以上、「半強制的な練習を長くやらされる」という批判は全くの寝言であり、一顧だにする価値はない、という意見でした。

 以上、5回に亘り、坂原監督に対する各種批判に対する反論を、かなり長めの紙数を取ってぶった斬って参りました。
 箸にも棒にもかからない不良学校の野球部を立て直し、甲子園で勝てるチームにし、副次的作用として学校までをもまともな学校にした坂原監督は真にすごい野球人であるということを再確認するとともに、バカマスコミによる悪意の報道に脊髄反射を起こし、つまらない批判を繰り広げていた輩に対し、改めて「アホが…」と思う次第でございます。

 最後に周防平民珍山から、昨年の夏、坂原監督を批判していたマスコミ・ネット上の皆様にご挨拶がございます。これをもって本稿のシメとさせていただきたく存じます。坂原監督を批判した心当たりのある方はぜひ、お読みいただければ幸甚に存じます。

【周防平民珍山から、昨年夏に坂原監督批判をしていた皆様へのお手紙】
 拝啓
 昨年夏に坂原監督を批判していた皆さん、今年下関国際がベスト8に入った瞬間、その批判の舌鋒の息の根が完全に止まっていますが、大丈夫ですか?
 昨年夏、皆様は非常に舌鋒鋭く???坂原監督を批判しておられました。 ただ、皆様が坂原監督の教育方針を批判するのであれば、下関国際が勝とうが負けようが、坂原監督が嫌いなことに変わりないはずですから、『なんでこんな学校がまた甲子園に来るんだ!』などと言って徹底批判すべきところ、今年度に入ってそうした報道やネットでの批判を全く見かけなくなったことは、一体どうしたことなのでしょうか。まさか、「勝てば官軍」で舌鋒を引っ込めたのでしょうか。いえいえ、あれだけ坂原監督の教育方針に因縁をつけておられた皆様のことです。まさかそんなイヤラシイ理由で批判を引っ込めることはないでしょうwwww
 幸い現在はネットという便利なものがございます。皆様が昨夏、坂原監督を口汚くののしるために行った書き込み、新聞記事、経済雑誌記事(東洋経済オンライン)は、未来永劫ネットでさらし者にされ続けます。
 皆様におかれましては是非、それらの書き込みや記事を自らの手で消すことをせず、自らの無知無識の碑(イシブミ)として頂きたいと思います。

敬具

山口県発・愛?と復讐の高校野球2018(その4)

2018-09-14 20:18:41 | 周防野球列伝
 「その4」で取り上げますのは、同じく日刊ゲンダイの記事中、坂原監督が発言した「自主性というのは指導者の逃げ。『やらされている選手がかわいそう』とか言われますけど、意味が分からない。」という箇所について。
 この発言は自称教育識者などが、脊髄反射で即座に火病(火病(ファビョン)とは、朝鮮人が怒りや悲しみの感情がメーターを振り切ったときに起こす錯乱状態のこと。かの国ではこれによる殺人・傷害・放火・わいせつ行為が後を絶たない(~_~;))を発症していますが、この火病が如何に愚かなものであるかということをお話ししたいと思います。

 まず、坂原監督の発言に対して「高校生は自主性をウンヌンカンヌン」という自称識者や、ネットできれいごとばかり言っている輩に質問したいことがひとつあります。
 「キミタチは、高校生とは『高い目標を自ら掲げ、ゲロが出るような勉強又はスポーツに常時意識高く取り組み、自発的にハイレベルな勉強又はスポーツのメニューを組んで毎日実践できるもの』と思い込んでいるが、そんなことができる高校生は全国に一体何人いるんだ?
 てか、どこにそんな高校生が存在しているんだ?それにお前ら自身、そんなスーパー高校生だったのか?」

 「自主性」というおためごかしが好きなお偉い先生方はおそらく「自主性とは人間が生まれながらにして持っているもので、雑草がそこら辺から生えてくるように、勝手に備わるもの」と思っているふしがあります。
 これはとんでもない思い違い。自主性とは、「やらされる」過程、それもとびっきり厳しい「やらされる」過程で育まれ、生まれるものです。
 人間は基本的に自分がかわいく、放っておけば必ず手を抜く生き物です。その自分可愛さを上回る克己力、すなわち高いレベルの自主性を身に着けるには、まずそのモデルフォームとなることを「やらされる」過程を経て、そこから「自分は目的を達するために何をなすべきか」ということを考える能力が生まれるはずです。
 従前の下関国際の選手は、直截に申し上げれば勉強もスポーツも、それまで一度も「やらされる」環境に身を置いたことがない。要するに自主性を涵養する経験が一切なかった。
 だからこそ坂原監督は、野球を通じ、彼らに対して人生で初めての「手抜きのできない環境」を与え、そこで揉まれること、その中から何かを見つけていくことを課した。これは立派な自主性を育むプロセスでしょう。
 これらに耐えきった(厳しさのあまり逃げ出すヤツもたくさんいたそうです(-_-;))野球部員は、野球のみならず、勉強でも、実社会でも、おそらくは坂原監督の期待通り、高いレベルでの自主性を発揮してくれるはずです。
 
 坂原監督のいうちょっと厳しめの表現を額面通りに捉え、脊髄反射を起こし、知ったような顔で「自主性がウンヌン」と言っていた阿呆は、まず自主性の成立過程自体が分かっていない。言葉の持つ心地よい響きに酔っているだけ。
 そんなヤツが、文字通り命を削って部員に自主性のモトを叩き込んでいる坂原監督を批判するなんて…ものを分かっていないクソバカが賢い人を捕まえて「こいつはバカだ」と言っているようなもので、もはやギャグとしか評しようがないでしょう。

 また、「自主性バカ」は、坂原監督の練習量についても「強制的にやらせる長い練習は無意味だ」などとイチャモンをつけていましたが、本連載の最終回では、それが如何に不合理で愚かな指摘かということを見ていきましょう。

山口県発・愛?と復讐の高校野球2018(その3)

2018-09-06 19:28:14 | 周防野球列伝
 またまた続きです。
 「その2」で紹介した日刊ゲンダイの記事…実はブンヤの仕事とは「社会の出来事を真実をありのまま伝える」というものではなく、「社会の出来事をネタに、自社の意見を取材対象者の口を通じて喋らせる」ことですが…残念ながらゲンダイの記者は、坂原監督の指導理念の確かさと覚悟に完全に圧倒されて質問が完全に後手後手に回っており、自社の理念(ゲンダイの社風から察すればおそらく、「選手には自由にノビノビと活躍させたいです!」みたいなことを言わせたかったと思料)を、坂原監督の口を通じて喋らせることに完全失敗しています。
 記者が最後のほうで「昭和の野球ですね…」などと、最後っ屁のような負け惜しみを言っているのが、その何よりの証拠。
 つまりゲンダイの記者は、負け惜しみ記事しか書けないかった時点で、既に坂原監督に完敗しているのです。
 しかしそのボロ記事は残念ながら、文章を読む力のないバカどもによる、誹謗中傷の格好のネタとなってしまいました。出来の悪い記事を一知半解の知識で読み解く阿呆が多いことは、極めて残念なことです。

 そこで本稿ではゲンダイの記事と、それに触発されたバカマスコミ、ネット弁慶の言うことが如何に誤っていて、自らの無知無識をさらしているものかということについてお話ししたいと思います。

 まず、テレビでもネットでも最も多数派であった、坂原監督の「文武両道は二流」という片言節句にかみついたバカを斬りましょう。

 日刊ゲンダイやテレ東といったクソマスコミもいるいっぽうで、世の中なかなか捨てたものではなく、坂原監督の言葉を正確にくみ取った優秀なマスコミもいます。
「web Sportiva」というスポーツ記事サイトに、「高校野球で人生に誇りを。下関国際・坂原監督が伝えたいこと」(文・井上幸太)という記事があります。リンクはこちら↓
https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/baseball/hs_other/2018/03/14/___split_1/index.php

 この記事にはこう書かれてあります。
「坂原のなかに、指導者として揺るがないひとつの信念がある。『ひとつの物事に集中して取り組む』ことができなければ、大きな目標は達成できないということだ。
『何かひとつの分野を極めようと思ったとき、”片手間”でやっても成功することはできないと思っています。脇目を振らずにひとつのことに打ち込むことは、決して否定されるものではないとも思うんです。』
 誤解を招かないように、ひとつ強調しておきたいのが、決して下関国際の選手たちが勉強を放棄しているわけではないということだ。坂原は以下のように続ける。
『僕自身、一教員であり、生徒たちは野球選手である前に一学生です。授業中に居眠りをしたり、課題を提出しないといった姿勢は論外ですし、そういった行動をとった部員は練習に参加させません。でも、学校で授業をきちんと受けるのは学生にとって『当たり前』のことですよね。
『甲子園に行く』と覚悟を決めて、野球を追求する。学校内での授業は他の生徒の模範となるように全力で受ける。ひとつひとつ目の前のやるべきことに取り組むこと。そうやって『ひとつの流れで物事に取り組むことが大切なんだよ』と選手たちによく話しています』」

 下関国際は、「その1」でもお話ししましたとおり、勉強に関しては早い段階で挫折脱落、スポーツでも全くろくな戦績を出していない人間が、それでも何かを求めてやってくるところ。そうした部員の教育に関し、同記事ではこう表現されています。
「野球、勉強両方での成功体験が乏しく、自信を持てないまま、下関国際の門を叩く。目一杯野球に打ち込むことで、そうした選手たちにひとつでも誇れるものを持ってほしいという思いもある。」
 坂原監督の「文武両道は二流」というちょっと偽悪的な言葉に隠された真意とは「部員に、野球で自己のアイデンティティを形成させる」ということ。
 ただしそれを形成するには生半可な趣味的なものでは全くダメ。猛烈な練習と、尋常でない覚悟が必要となる。それを高校野球を通じて教えようというだけのこと。
 日刊ゲンダイでは「文武両道は二流」という言葉だけが独り歩きをするような悪意ある書き方をしていましたが、坂原監督は決して「野球さえやっていれば、勉強なんかしなくてもいいし、授業中に居眠りしても、宿題を忘れてもすべてが許される」と言っていない。
 ひとつのことを究極まで追求することで、他のことにもそのうち気配り、目配りが届くようになる。それが人間としての底辺を拡大してくれることを坂原監督は誰よりも重要視しており、それを高校野球を通じて教えていることがわかると思います。

 ですから「文武両道は二流」という片言節句だけに脊髄反射を起こし、坂原監督に罵詈雑言を投げつけたハンチク漫画家、ドクサレオカマ、そしてネットで悪口を書き込んでいたクソ野郎の批判は、全く的外れであり、坂原監督の言葉の真意のカケラもくみ取っていない愚かな発言であると断じていいと思います。

 次回は坂原監督の「練習は半強制。自主的にやるのを待っていたら3年間終わっちゃう」という言葉を悪意に捉え、「自主性を大切にしないのか!」「選手は監督の操り人形じゃない!選手が主役だ!」と言っていたバカどもへの反論を試みたいと思います。

(すみません。本当は前後2回くらいで終わる予定だったのですが、語りたいことが多すぎてどんどん長くなっています。呆れてものが言えなくなった方はお読みにならなくて結構ですので…とりあえずその4に続きますですm(__)m)


山口県発・愛?と復讐の高校野球2018(その2)

2018-09-05 12:48:26 | 周防野球列伝
 日刊ゲンダイが掲載した坂原監督のインタビュー記事のタイトルは「『文武両道あり得ない』下関国際・坂原監督が野球論語る」。
 この中で坂原監督は、このようなことを語っておられました。少々長くなりますが、引用します。

          ・・・・・・・(以下、平成29年8月12日付日刊ゲンダイ記事引用)・・・・・・・・

【記者】朝5時から練習するそうですが、選手が自主的に?
【監督】「半強制です。自主的にやるまで待っていたら3年間終わっちゃう。練習が終わって学校を出るのは21時くらい。本当に遅いときは23時くらいまでやることもあります。毎日ではないけど、長期休みの時期とか。遠征に行っても、大広間で生徒はみんな同じ空間にいるけど、やっていることはバラバラ。練習でもそうです。今の子は連帯感が希薄なんですよね。少しでもそういうのを大事にしていかないと、うちのような弱いチームは他に勝てない。進学校さんはそういうやり方が嫌いだと思いますけど」
【記者】確かに、自主性をうたう進学校は増えています。
【監督】「そういう学校には、絶対負けたくない。実は東筑(福岡の進学校で今大会に出場)さんとは(現監督の)青野さんの前任者のときに1回、合同練習をしたことがあるんですけど、うちの練習を見た(東筑の)選手から『やってて意味がない』と(下関国際の選手が)言われたんです。(下関国際のように)きついことはしていない。賢い子も『意味がない』と、すぐに言うでしょ? 今回の県大会で宇部(初戦)と下関西(2回戦)と、進学校に当たったので、普段練習してないだろうと思って、思いっきり長い野球をやっちゃろうと。ボールも長い時間こねて、牽制もバンバン投げて。七回になったら向こうもヘトヘトでした。僕ね、『文武両道』って言葉が大嫌いなんですよね。あり得ない」
【記者】野球と勉学の両立は無理と?
【監督】「無理です。『一流』というのは『一つの流れ』。例えば野球ひとつに集中してやるということ。文武両道って響きはいいですけど、絶対逃げてますからね。東大を目指す子が2時間の勉強で受かるのか。10時間勉強しても足りないのに」
【記者】文武両道は二流だと?
【監督】「そういうことです。勉強しているときは『いや、僕野球やってますから』となるし、野球やっていたら『勉強が……』となる。“練習2時間で甲子園”って。2時間って試合時間より短い。長くやればいいってことではないけど、うちは1日1000本バットを振っている。1001本目で何か掴むかもしれない。なのに、時間で区切ってしまったら……。野球って自力のスポーツで、サッカーやバスケみたいな時間のスポーツじゃない。100点取ろうが、3アウト取らないと終わらない。2時間練習して終わりじゃあ、掴めるわけがないんです。スポーツ庁が(部活動の休養日や時間の制度化を検討し)練習を何時間以内にしようと言っているでしょ? あんなんやられたらうちみたいな学校は、もう甲子園に出られない」
【記者】選手に任せることはしない?
【監督】「自主性というのは指導者の逃げ。『やらされている選手がかわいそう』とか言われますけど、意味が分からない。」
【記者】昭和の野球ですね。
【監督】「他校の監督さんは『楽しい野球』と言うけど、嘘ばっかり。楽しいわけがない。僕は現役のとき、日々の練習で野球が楽しいと思ったことはなかった。『楽しく』という餌をまかないと(選手が)来ないような学校はちょっと違う」
                    ・・・・・・・(引用終わり)・・・・・

 はっきり言いましてこのインタビュー記事はかなりの悪意を持って書かれているのですが…記事の発表直後、ネットを中心に坂原監督の指導方法に関し、轟々たる議論が巻き起こります。
 ネット界隈での賛否はほぼ半々で、高校野球や山口県の内情に詳しい人ほど親坂原派が多く、逆に「ヤフー知恵袋」などのように、ドシロウトが集まりやすいメジャーどころに行くに従って反坂原派が多くなっていく傾向がありました。まあ、この辺はほぼ予想通りです。

 ただ、ひどかったのはバカマスコミやエセ有識者ども。
 テレビでは記事発表直後の8月14日、テレビ東京が放映した「バラいろダンディ」という番組が、上記記事の発言を都合のいいように切り取り、地上波で堂々と放送しやがったのです。
 ユーチューブにその番組が現存しているので、ぜひ見て下さい。
(リンク先 https://www.youtube.com/watch?v=tjS1IKEl3GU&t=118s)
 この番組内ではまず、倉田真由美というババアのハンチク漫画家が、こんなことを言っています。
「もし自分の息子の部活の先生がこういうことを言ったら、ちょっと待ってくださいよって言いたくなりますね」
「将来があるから。子供達には。」
そして、ド腐れオカマ・カルーセル真紀がこんなことまで言っています。
「(「文武両道は二流」という言葉だけを見て)言い過ぎですよね。二流だとかさ。学校の先生でしょ?先生がこんなこと言って。馬鹿野郎ですよ。(中略)だってさ、運動選手はみんな馬鹿かってことになるじゃない。」
 しかもこの腐れ番組では、「下関国際は、三本松に負けました。ザマアww」みたいな終わり方をし、坂原監督の人格を公共の電波を使って散々貶めた挙句、下関国際の敗戦をみんなで祝うといった、とんでもない終わり方をしていました。もはやこれは、相手が反撃できないことを見越して行った、公共の電波を利用したリンチと言っても過言ではなく、絶対に許されない行為です。
 
 ネットでも、日刊ゲンダイの記事に脊髄反射を起こしたバカが、こんな罵詈雑言を監督に投げつけています。
 「ヤフー知恵袋」をはじめ、各種の掲示板等における雑言をいくつか取り上げてみましょう。
・時代に遅れた化石脳筋の戯言です
・大体、監督の現役時代なんて何の科学的根拠もなく根性論ゴリ押しでやってたような時代でしょう?
「俺たちの頃はこうだった。」では一生変わることはできないのでは?
あと、その監督の言った「文武両道ありえない」はできない人の言い訳。
・賛否あるけど俺は嫌いだなぁ、部員はあんたのコマか!って言いたくなる。主役はあんたじゃないだろ
・下関国際って高校にはまともな生徒がいなかったんだろうなとは思う。だから監督も程度が低い発言しかしない
・下関国際の野球部監督キチガイだろww携帯解約だの、部費徴収だの、文武両道は無理だの、猿かww誰かここぶちのめしたれ

 次回からは、テレビ番組のハンチク漫画家とクサレオカマ、そしてネットで坂原監督を叩いていたバカどもの批判の言葉が、どれだけ現実離れしたおとぎ話であり、自分たちの無知無識をさらした発言であるかということを見てみたいと思います。
(…余談ですがこの議論が巻き起こったころ、坂原監督を批判した皆さんは生きてますか???息をしてますか????( ´艸`))