世界一面白いミュージカルの作り方

早稲田発小劇場系ミュージカルプロデュースユニットTipTapのブログです。
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まとまりたくない

2012-08-11 04:26:44 | tiptap
基本的に演出家たるもの全てのお客様にわかりやすく作ることを
モットーとしなければなりません。

しかしながらどうもわかりやすいことをよしとしない性格のため
なんか安易じゃないかとか小っ恥ずかしいとか色々考えてしまいます。

そもそもなんかまとまった物を作りたいと思わないんですね。
なんでもいいからギラギラしてたい
危なっかしいギリギリのラインで勝負したい。
諸刃の剣だと言う事はわかっていても
例え確率が低くても成功したときの
威力が強い方をとってしまうんですね。

なんでもそうだと思うんですが
ギリギリのところが一番魅力的なんじゃないかと。
お肉だって腐るギリギリ前が美味しいって言うじゃないですか。
果物もね完熟ってやつは結局腐る前ですから。
人の声だってそうです。出るか出ないかのギリギリの高さが
一番魅力的に聴こえる物です。
常にそのギリギリでいたいなあ。

このギリギリ感が上手くいった時の快感を知っていると
もうやめられないわけです。

いつまでも守りに入らず攻めていかねば。
例えカウンターを食らっても的外れで相手にされなくても
まとまる事を目標にしない。

常に挑戦していきたいなと久しぶりに実感しました。
そんな挑戦が詰まった作品。
結果が楽しみになってきました。




世間は厳しい。

2012-08-09 02:06:47 | tiptap
今日は最後のお休みでした。
あさから買い出しなんぞ行ってはみたものの
家に帰って来ると疲れてしまい少しゆったり休憩。

夜遅くまで作業してましたからね。
昼寝しちゃいました。

それからベランダで夜風に当たって夕食をたべる。
なんかゆったりしてます。

まあそれも作品の仕上がりがいいのでね。
余裕の現れなのかもしれませんが
現実は厳しいものです。

どんなに仕上がりが良くても
お客様が来てくれなくては意味がない!!

本当に三回目ならではの完成度。
どのチームも見応えあるのに
お客様が・・・

世間は厳しいですねえ。
あと一週間をきりました。
頑張って宣伝します。

本当にたくさんのお客様に観て頂きたい。
ミュージカル好きな方にも嫌いな方にも。
本当に自信を持ってお勧めしたい仕上がりです。

どうぞ宜しくお願いします!!



三つの楽しみ方

2012-08-08 02:26:28 | tiptap
トリプルキャストというとなんだか大きな会社の歴史ある大作ミュージカルを
想像してしまいます。
まあ最近はトリプでもなくクワトロキャストなんですけどね。
一つの作品を一つの役を色んな人が演じる事自体に反対ではありませんが
基本的に誰がやっても同じ物を作る事には否定的です。

そりゃあ作ってる側からすればミザンを同じにしていった方が
組み合わせが変わっても対応できるし
諸々スタッフワークも楽なんだろうけど
せっかくキャストが変わるんならキャストごとの色がはっきり出るように
演出したいと思います。

そもそも組み合わせが変わるってのもなかなか問題でして
お客様を呼ぶ為に必要な要素ではありますが
作品の完成度を上げる為には避けたい。

そこでいつもチーム制をとっているわけです。
チームごとキャストが違うと
それぞれのチームのカラーがはっきり出てきます。
5人という少人数の作品ですから
一人一人の色が本当に作品を変えます。
細かい所からシーンのカラー、立ち位置、振りなどなど
まあ本当にチームごとに違います。
台詞や歌詞も多少違ってきたりもして・・・

本当に全く違う作品になってしまうものです。
それぞれの良さがあり
それぞれの解釈、それぞれの答えがある。

稽古も終盤。
3チームの通し稽古を終えて本当に実感しました。
こんなにも印象が違うとは。
どれも観て頂きたいなあ。

本当に。

明日はラストオフ。
ゆっくり休んで仕切り直し。
仕上げでございます。
切り替えていきましょう。




2週間でできること

2012-08-06 02:47:33 | tiptap
今日で稽古も2週間がすぎました。
明日から稽古場を新たにして詰めの作業です。

そもそも初演の時は稽古期間が2週間。
最後の曲が書き上がったのは本番一週間前でした。
そんなギリギリの状態で板にのせた作品。

初演時には考えられない余裕があります。
あと一週間を残してこんなにきちんとした通し稽古ができるなんて。
そうなんです。今日はBチームの初通しでした。
初演メンバーが3人もいるこのチームには安定感があります。
更に新しく入ってくれた2人。
本当に個性豊かでとてもいい刺激を与えてくれています。
もう何も心配ないんですがそれぞれ課題を見つけてくれて
もっと高見を目指す姿が本当に頼もしい。

この作品何度観てもチームごとにカラーが違って面白いですね。

さて唯一の初参加主人公の神田恭兵君も
今日はじめて大詰めのシーンの稽古。
この二週間でこれだけのナンバーと台詞をほとんど入れたわけで
本当に素晴らしいですね。
青年三回目の須藤香菜さんとの雰囲気もいい感じ。
二人のお芝居にとても心を動かされました。
もう死ぬ程観た作品ですが
やっぱりそこに生きている気持ちをぶつけられると
心が動かされます。
いやはや本当にお芝居って生ものです。

このお稽古場の感覚をそのまま劇場で伝えられるか否かは
演出家の腕にかかっております。
頑張らねば。

世界を作り、空気を作り、そして空気を共有させる。
つまり生きた時間を生み出す。
俳優ってすごいなあと思います。
素敵な俳優達と作品が作れる幸せをかみしめた一日でした。

さあ明日はまた稽古場仕込みから。
稽古に間に合うかなあ。
これから稽古場図面引きます!

自分の年で比べてみれば

2012-08-05 01:31:22 | tiptap
この二週間あまり深夜はオリンピックを観てしまう毎日です。
世の中のトップアスリートの大半が
もうすでに自分の年よりも若いんですね。

昔は世界の舞台で戦うアスリートは大人ってイメージがありました。
自分がそんな彼らを追い越すことになるなんて思ってなかった。
追い越すって言っても年齢だけですけどね。

同じような事が甲子園。
甲子園球児が自分よりも年下になったときに
年をとったんだなあと実感した記憶があります。

確かにスポーツの世界は本当にピークが早いんですね。
30歳をこえて世界の第一線に立ち続けられる
選手もスポーツもなかなかない。

更に言えば結果がはっきりしている。
勝つか負けるか。
例え体操やシンクロなどの美しさを競う種目であれ
勝つか負けるかははっきりしている。

それに引き換え私たちの世界は
まあはっきりしません。

若くて才能が豊かであっても
この世界で成功するわけではありません。
逆に小さい頃天才子役だなんだと言われて
イメージが着いてしまうとそれを払拭するのに一苦労。

大人になっても誰かが勝ち負けを決めてくれる訳でもなく
特に舞台の世界では適正に評価してくれる賞もまあなかなかない。
それは俳優であれスタッフであれ一緒。

それに評価の基準がまずないからね。
作品一つとってもても
お客様を沢山呼べた作品がいいのか質のいい作品がいいのか。
結局はルールがない。
だから面白いし終わりがない世界なんだけどね。

あとピークなんて物はなく
いくつになっても始められるし
続けたもん勝ちの部分もある。
年の功、経験、あじなんてのが武器になる。

同じ人を感動させる世界なのにこんなにも違うんだなあ。

誰かがはっきり線を引いてくれれば諦めもつくのにと
往生際が悪い私はずるずる続けているわけです。
まあこんな世界だから未だに続けられてるのかなあ。
きっと死ぬまでこの居心地の良い世界に居る気がします。
ただやっぱり自分なりの表彰台には立ちたい訳ですよ。
そのためにも日々頑張って行きましょう。

てなわけでとうとう明日で江戸川橋の稽古場ラスト。
明後日からは亀戸に移動です。
それぞれこれから詰めの稽古。
やっと細かく作れます。

一日一日噛み締めて。