今回の一般質問は、【子宮頸がんワクチン】についての内容を行いたいと思っていますので、少し勉強をしてみました。
日本では、2009年9月に承認がおりまして、年内に発売されたようですが、先進国によっては摂取を義務付けられているところもあります。子宮頸がんは、日本では、年間約8,000人が発症し、約2,400人が亡くなっているといわれる病気です(国立がんセンターがん対策情報センターより)まだ医療従事者の間でも、子宮頸がんは“性感染症(性病)の1つで、色々な人と性行為を行ったからだ”という、誤解があるようで。
(もちろん、性交回数が増えればウイルスに感染する確率が高くなることはありますが、人数が原因ではないということです。)
子宮頸がんの原因は、皮膚に通常存在するウイルスですので、性行為による性器の挿入を行わなくても、ウイルスが付いている手などで、性器に触れるだけでかかる可能性もあります。また、ウイルスが付着してから細胞異常がおこり、子宮頸がんとなる確率は、0.1%です。なお、不正性器出血や帯下(こしけ、おりもの)の異常、下腹部痛、性交時の痛み、出血などがありましたら、婦人科への受診をお勧めします。
※ひどくなりますと、近くの臓器に異常をきたし、頻尿、排尿困難、血尿、血便、排便困難、浮腫などの症状が出ることもあります。今回は、最新の情報を含め、詳細にお伝えしたいので、ワクチンについてお話しする前に、まず子宮頸がんについてお話したいと思います。
【子宮頸がんについて】
子宮頸がんという病気は、芸能人がかかってニュースになるなど、皆さまも耳にした事があるかと思います。また、最近は、初交年齢の低下から、20代の子宮頸がん(上皮内がんを含む)の急増が問題になっています。まず、子宮がんには、子宮の頸部に発生する「子宮頸がん」と、子宮体部と呼ばれる子宮内膜からできる「子宮体がん」とがあります。子宮頸がんは、発がん性のあるウイルスの感染が原因で、子宮体がんは女性ホルモンの異常が原因と考えられています。
子宮頸がんと子宮体がんは、部位が違います
子宮頸がんの原因となるウイルスは、HPV:ヒトパピローマウイルス(Human Papilloma Virus)です。以前のコンジローマ(コンジローム)でも出てきたウイルス名ですが、色々な種類があり、皮膚の細胞に感染して、イボを作ることで知られています。手足や体、顔などにできるイボにもHPVが原因のものもありますが、子宮頸がんやコンジローマとは、HPVのウイルスの種類が異なります。
子宮頸がんの場合は、発がん性の高いHPVのウイルスが原因となります。※補足)子宮頸がんの原因となるHPVの種類(型)は、16,18,31,33,51などが知られていますが、これ以外にも39,45,52,58などもあります。この中で、特に20?30代の子宮頸がんにみられる型は、16,18が80%を占めるというデータもあります。通常、発がん性の高いHPVが子宮頸部に付着して、細胞に感染が起こっても、皮膚の新陳代謝で感染した細胞は、排出されていきます。
また、発がん性の高いHPVに感染した細胞が排出されずに、子宮頸部にとどまっていても、全ての人ががんになるわけではありません。少数(0.1%程度)の人が、3~5年ぐらいの長い時間をかけてHPVの感染細胞が変形してがん細胞となり(子宮頸部上皮内腫瘍)、徐々に広がっていくのです(浸潤がん)。※補足)子宮頸部上皮内腫瘍とは、上皮内に限局している異形成(がんになる前の状態)と上皮内がんのことです。子宮頸がんのほとんどを占める扁平上皮がんは、異形成を経て発生します。
[子宮頸がんの治療]
婦人科検診などの子宮がん検診で、その感染細胞ががん化する前に発見すれば、特に問題はありません。前述しましたように、全ての人が癌になるわけではありませんので、子宮頸部にある細胞の異常を定期的に経過観察し、異常だけの状態か、がん化したかを、チェックします。がん化してもごく初期の段階であれば、がん化した頸部を少し削ったり切り取ることで、完治することもあります(もちろん経過観察は必要ですが)。しかし、がんがかなり進行して、子宮頸部だけではなく子宮のほかの部分にまで広がっていると、子宮を摘出する可能性もあります。また、さらに進行していると、体の他の部分に転移する事があります。全てのがんに言えることですが、子宮頸がんも、早期発見が重要です。
日本では、まだワクチンがないだけではなく、20代の子宮がんの検診率も、アメリカ約90%、イギリス80%、欧州平均7割超と比較して、22%と低く、悪化するまで気づかないという人も他国と比較して多い現状にあります。遅くとも20代前半から、婦人科などでの定期的な検診をお勧めします。
子宮頸がんワクチンは、初回、1ヶ月後、6か月後と3回接種します。費用は1セットで4~6万円。けっこう高額ですが、接種後のHPV感染防止効果は約20年間らしいので、年間あたりにすると安いです。気になる副作用は、かゆみ、注射部位の痛みや腫れ、頭痛、疲労感などで、長期間苦しむことはないようです。というわけで、(処女の)じゃなくて中学生のみなさんには、子宮頸がん予防ワクチンをおすすめします。予防は早めに~。ちなみに、子宮頸がん予防ワクチンは、経験者はお断りというわけではなく、要相談で受けられます。第二の対象者は15歳から45歳の女性ということなので、婦人科で相談してみてください。
現在、国内では、子宮頸がんワクチンへの公費助成を表明する自治体が、全国に広がっています。2009年12月、新潟県魚沼市のほか、埼玉県志木市、兵庫県明石市でも、小学6年生から中学3年生の女子を対象に全額補助を行う方針です。名古屋市では、半額補助。また2010年4月から、東京都杉並区では、中学一年生を対象に全額負担(本来は1回1万5千円、3回接種が必要、計4万5千円)を開始するとのことです。
こんな感じで、質問を作っていきますが、ここのところは重要で、ワクチンを接種したからといって万全ではない部分や、ワクチン接種後の死亡例などもあるようですので、あくまでも行政が補助をしていく事も、個人の選択が根本ですが、受けたいという希望がある以上何とか施策につなげていく事が、行政の大事な事だとの思いです。