田中雄二の「映画の王様」

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『真田十勇士』

2016-09-25 09:29:07 | 新作映画を見てみた
講釈師、見てきたようなうそをつき



講談や読み物から派生し、幾度も劇化や映像化がなされてきた真田十勇士の物語。
今回は、名将の誉れ高い真田幸村が実は腰抜けだったら…という舞台劇を映画化。
脚本はマキノノゾミだが、どちらかと言えば三谷幸喜が思いつきそうな発想だ。

映画全体のテーマは、幸村(加藤雅也)を英雄に仕立て上げようとする猿飛佐助(中村勘九郎)のせりふにある
「うそもつき通せば誠になる」。
そこに敗者の意地や美学を盛り込んでいる。

もとより、歴史には諸説があり、どれが真実なのかは分からない。
だからこそ、さまざまな解釈が生まれ、創作が入り込む余地が生じる。
その点でこの映画には「講釈師、見てきたようなうそをつき」の精神を貫いた面白さがある。

冒頭、幸村と十勇士との出会いの物語をアニメーションで見せ、
エンドクレジットでは紙芝居風に彼らのその後を見せるなど、遊び心も満載。
評判の大河ドラマ「真田丸」よりも一足早く、大坂の陣の攻防が見られる。
コメント
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