古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

風の犬   藤原新也  

2024-04-14 06:21:10 | 藤原新也
「乳の海」所収。

ロンドンに行った年の夏、足をちょっと痛め、

コルセットなどをあてがって、不自由の身と

いうのを味わったらしい。右の脚が左の脚の

3分の2に二カ月後、痩せ細っていた。

右脚だけ20年くらい歳をとったようだ、と

いうと、温泉に行ってきなさい、と言われる。

その方面に詳しい人に聞くと山梨県の下部という

ところがフジワラくんにはいいだろう、という。

そこで老婆に会い、その老婆は片方の乳がない。

どうやら乳癌のためきってしまったらしい。

神様にもらったもんを罰当たりなこってす、と

その老婆は言う。

その下部を出て、身延についたころにはすっかり

日も暮れていて、老婆に宿を聞いた。その老婆は

あの片方の乳のない老婆にそっくりである。

三日ほど、身延に泊まり、山を歩いていると、

四匹の仔犬を連れた母犬と出会い、母犬は仔犬の

ために身を挺して守る、という話が紡がれてゆく。

(読了日 2024年2・14(水)0:50)
               (鶴岡 卓哉)





























































ンドンに行った年の夏、足をちょっと痛め、

 
corset    
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