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「雨にもまけず粗茶一服」松村栄子

2011年01月22日 19時22分04秒 | 読書(小説/日本)


実は、以前読んだ作品・・・即ち再読、である。
なぜ再読したかと言うと、この続編が出版されたから。
物語に入り込むため、前作を読みかえそう、と思った。
さて、以前読んだとき、この作品を95点、と高評価した。
やはり、読み返して、その気持ちは変わらず。
おもしろい、読んでいて楽しい気分が持続する。
にこにこしながら読みすすんだ。
再読したついでに、再度紹介したくなった。
2008年
12月7日紹介した時の文章を下記に再録する。

よかった!
読んでいる間、ずっと楽しかった。
これほど楽しい気分で読める作品は少ない。
作品レベルも高い、上質だ。
このような作品が埋もれて、あまり話題にもならなかったのが不思議。
(単に私が情報をつかんでないだけ?)
ストーリーは「お茶」の家元の息子が家業を継ぐのがイヤで家出するところから始まる。
ひょんなことから、京都へ行くことに。
ところが、居候先がお茶の先生。
逃げても追いかけてくる「お茶」の世界。
京都変人キャラクター多数出演。
これはオススメ!

いかがでしょうか?
楽しい気分が伝わったでしょうか?
過去様々な青春小説を読んだけど、少なくともベスト3に入る、と思う。
青春「茶道」ストーリーにして、重要なファクター「成長」もしっかり描かれている。
脇をかためるキャラクターも濃くて、楽しめる。

PS
京都が舞台なだけに、京女多数出演。
京女のしゃべりと表現が巧い。
下記に一部紹介する。(上・P205)

「アズマ君、ようやっと自分の立場ゆうもんがわかってきはりましたなぁ。ええことやと思いますわ。そうやねん。うちは、この家のお嬢様やねん。アズマ君は居候や。可哀想に寝るとこもないのんを、うちのお父ちゃんに拾われてん。そこんとこを忘れたらあかんと思うわ。自転車はうちのやし」
この子も最初に会ったときには、頭のネジが一本抜けているではないかと思うくらいおっとりして見えたものだが、地元に帰ってずいぶん印象が変わった。京女油断ならじと遊馬はいささかおののきの体だ。

どうでしょうか?
絶妙な会話表現である。

【参考】
松村英子
松村栄子 - Wikipedia

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