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「女たちの避難所」垣谷美雨

2017年10月24日 21時04分02秒 | 読書(小説/日本)


「女たちの避難所」垣谷美雨

3.11を生き延びた3人の女性を描いている。
地震と津波、その後の避難所生活がリアルに描かれている。

【著者の言葉】P352
 主人公は三人の女性で、それぞれが三月十一日にあの地震と津波に遭遇し、命からがら避難所に辿り着き、仕切りのない体育館での暮らしを余儀なくされます。その過程と暮らしぶりを細かく、生活者の目線で追うことを心がけました。
 モデルにした場所はありますが、あえて宮城県の鷗ヶ浜市という架空の場所を舞台にしました。

P277
 テレビでは連日キズナ、キズナと馬鹿のひとつ覚えみたいに言っているが、周りを見渡せば、離婚した夫婦は少なくなかった。離婚の原因は様々で、夫婦のことは他人にはわからない。聞いた範囲では妻の側から言い出した離婚がほとんどだった。
 三世帯で暮らしていた家族が、新しく土地を買って家を建て直すとき、少し離れた土地に別々に家を建てたというのも最近よく聞く話だ。仮設住宅で別々に住むことの快適さをいったん味わった夫婦は、二度と親世代とは同居したがらないという。

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以上、どれもハズレなし。

【ネット上の紹介】
九死に一生を得た福子は津波から助けた少年と、乳飲み子を抱えた遠乃は舅や義兄と、息子とはぐれたシングルマザーの渚は一人、避難所へ向かった。だがそこは、“絆”を盾に段ボールの仕切りも使わせない監視社会。男尊女卑が蔓延り、美しい遠乃は好奇の目の中、授乳もままならなかった。やがて虐げられた女たちは静かに怒り、立ち上がる。憤りで読む手が止まらぬ衝撃の震災小説