麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

因習と国家/櫂人vol.3の参

2017年05月21日 | 制作公演関連
櫂人の稽古場は相変わらず厳しい。
そこにはシニアもへったくれもない。
寧ろ。
そんじょそこらの若者のそれより
激しくきつい現場と言える。
役者は辛いだろうが、また幸せだ。

ただ厳しければ良いとは思わない。
高い志を持ち、そこに向かう為に、
厳しさは必要な要素となる。

そんな稽古場で演出は吠える。
この芝居は因習や国家に立ち向かい、
挫折し、そこからまた立がる人々の
闘いの物語なんだ!と。

劇団櫂人第三回公演
『ブルーストッキングの女たち』
作/宮本研、演出・美術/篠本賢一
於/上野ストアハウス
時/2017年5月24日~28日



月曜から「ココキタ」に腰を据え、
さらに細かな部分を丁寧かつ
大胆に紡いでき、今日が最終日。
明日にはいよいよ劇場入りとなる。



らいてうが雑誌『青鞜』を
創刊したのは26歳の時だ。
伊藤野枝、大杉栄もほぼ同世代で
甘粕事件に二人が遭遇するのは
時を経た38歳。それでも若い。

さて。
2017年のその世代はどのあたりか。
前田敦子、高畑充希、波瑠……
彼女らが女性開放を唱える志士を
演じるには時期尚早かな、
と思うのは僕だけではあるまい。
当時と現代では「纏っている歳」が
あまりにも違うのである。

そもそも。
演劇では役の年齢より十くらい上の
俳優が演じた方がしっくりいく。
現代を描いたものでもそうだから、
時代物は尚更である。

一方、一度担った役を演じ続け、
再演を重ねるうち実年齢が五十以上
離れちゃってる場合もあるが、
それはまた別の話だ・・・。

櫂人の『ブルスト』は初演ながら
シニア劇団なので、はなっから
役と実際に年齢差が生じてしまう。
が。
役者個々のたゆまぬ努力で
ちゃんと歳相応に見えてきた。

そんなはずはない!とお疑いなら
あとは観て確かめるしか手がない。

残席は僅か。お急ぎください。
コメント
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