<小口・高倉神社 こぐちたかくらじんじゃ>
周囲を川に囲まれた小口・高倉神社は、
きちんとしたお社を持つ「有社殿神社」です。
しかし、本来は建物のない「無社殿神社」で、
この地に鎮座する前は、近くの川べりにある、
通称「岩の鼻」という場所にあったと聞きます。
本殿と二つの摂末社への参拝を済ませ、
神社の裏手のほうへぐるっと回りこむと、
木々の向こうに川の流れが見えてきました。
社殿に隠れるようにして流れるその姿は、
この神社の「ご神体の在処」を示しています。
ちなみに、旧社殿地に鎮座していた頃は、
「御火の神事」というお祭りがあったのだとか。
明治時代に廃れてしまったそうですが、
熊野の伝統でもある「火」と「水」の儀式が、
このような小さな氏神でも行われていました。