<外宮 げぐう>
ガイドブックなどを見ますと、
「外宮で祀られている豊受大御神は、
夢の中で天照太御神の啓示を受けた雄略天皇が、
丹波の国からお迎えになった神様である」
といった趣旨の案内文をよく目にします。
何でも天照太御神のお食事を作る(共にする)ために、
わざわざ丹波から伊勢山田の地に呼び寄せたそうで、
それが直接のきっかけとなったのかはわかりませんが、
現在も外宮では、神様のお食事を作るご神事が、
千年以上もの間、毎日欠かさず続けられています。
20年に一度の式年遷宮でさえ、
諸々の事情で延期された時期があるにも関わらず、
この日別朝夕大御饌祭という
神様にお食事を捧げるお祭りは、
動乱の世にも決して途切れることなく、
現在まで綿々と継続されてきました。
もしかすると、代々外宮に神職として奉職した度会氏が、
「豊受大御神は天之御中主神・国常立神と同神であり、
外宮は内宮よりも立場が上である」と唱えたように、
外宮でお祀りされている神様は、
決して「天照太御神の添え物などではない」のでしょう。