たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

地主の神

2017-04-05 10:23:11 |  無社殿神社2

<入谷・地主神社 いりたにじのしじんじゃ>

 

すさみ町入谷にある地主神社は、地元の人たちから

「じのしさん」と呼ばれ慕われている産土神です。

神様を「●●さん」と親しみを込めて呼ぶのも、

神と人とが今よりずっと近くで共存し、

日常生活の至る所に、神様の存在を

感じていた頃の名残なのかもしれません。

たとえ目には見えなかったとしても、

「そこに」神様がいるのが当たり前で、

常に神様に見られていることを前提に、

日々の暮らしを送っていたのでしょう。

 

地主と名のつく神社は各地にありますが、

一説によりますとこの熊野地域では、

「矢倉神社」や「高倉神社」よりも、

古い名称ではないかともいわれています。

考えてみれば、立派な名を冠する神社も、

多くの参拝客を集める規模の大きな神社も、

もともとはすべて「地主の神」を祀る場所でした。

土地の神様がいなければ、私たちの生活はもちろん、

日本という国を守ることはできなかったのですね。