<入谷・地主神社 いりたにじのしじんじゃ>
すさみ町入谷にある地主神社は、地元の人たちから
「じのしさん」と呼ばれ慕われている産土神です。
神様を「●●さん」と親しみを込めて呼ぶのも、
神と人とが今よりずっと近くで共存し、
日常生活の至る所に、神様の存在を
感じていた頃の名残なのかもしれません。
たとえ目には見えなかったとしても、
「そこに」神様がいるのが当たり前で、
常に神様に見られていることを前提に、
日々の暮らしを送っていたのでしょう。
地主と名のつく神社は各地にありますが、
一説によりますとこの熊野地域では、
「矢倉神社」や「高倉神社」よりも、
古い名称ではないかともいわれています。
考えてみれば、立派な名を冠する神社も、
多くの参拝客を集める規模の大きな神社も、
もともとはすべて「地主の神」を祀る場所でした。
土地の神様がいなければ、私たちの生活はもちろん、
日本という国を守ることはできなかったのですね。