桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

ひで子と早智子の雪冤

2020-07-19 | Weblog
昨夜のNHKのEテレ番組、ひで子と早智子の雪冤は素晴らしかった。
金聖雄監督の冤罪4部作品目となるが、冤罪との闘いを自ら選んだ立場と背負わされた立場となる石川早智子と袴田秀子さんが、正義と真実を求めて明るく闘う姿にある気高さとり凛々しさは、きっと見てくださった方々にも伝わり、その対比として理不尽を押し通す警察や検察、裁判所の醜さを判らせたに違いない。
今までの3作品は、その冤罪事件を背負った当事者だったが、今回は違う。早智子さんも石川一雄さんを選ぶ必要ななかったし、秀子さんも兄弟ではあっても逃避することは出来た。しかし、逃げずに自ら渦中に飛び込んだ。今回の作品が今までと違った力や想いを感じさせるのは、このひで子さんと早智子さんの姿に袴田事件や狭山事件、そして数多ある冤罪事件を我がことのように背負って闘う支援者の姿が重なるせいかも知れない。
余りに露骨な証拠ねつ造事件である袴田事件と狭山事件。ゆえに再審開始決定に躊躇する裁判官。警察の証拠ねつ造と検察の無実の証拠隠しに依って作られる日本の冤罪事件を思うと、狭山事件と袴田事件が無罪判決を得て、その証拠ねつ造と証拠隠しの犯罪行為が断罪されない限り、これからも同じように冤罪者は作られることだろう。
この作品を作ってくれた金監督に、そして放映してくれたNNKに感謝だ‼️