スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

スプリンターズステークス&真理性

2015-10-04 19:01:47 | 中央競馬
 香港から1頭が遠征してきた第49回スプリンターズステークス。マジンプロスパーが右肩の跛行で出走取消となり15頭。
 好発はミッキーアイルとベルカント。アクティブミノルがこれらの前に出ると,その内からハクサンムーンが追ってきて,結果的に逃げたのはハクサンムーン。一時的には大逃げのような形になりました。控えたアクティブミノルとミッキーアイルが続き,ベルカントがその後ろに。リッチタペストリーが続き,サクラゴスペルが並ぶところまで追い上げ,レッドオーヴァル,ストレイトガール,コパノリチャード,リトルゲルダ,スギノエンデバー,ウリウリまでは差のない集団。前半の600mは34秒1で,バランス上はミドルペースに近いですが,このレベルなら超スローペースでもおかしくないくらい。
 3コーナーを回るとハクサンムーン,アクティブミノル,ミッキーアイルの3頭が併走になり,少し離れてベルカント,レッドオーヴァル,サクラゴスペルが追う展開。直線でアクティブミノルがハクサンムーンを交わすもすぐにミッキーアイルが先頭。これをこの外に出したサクラゴスペルと,レッドオーヴァルの外に進路を取ったストレイトガールが追い,末脚に勝ったストレイトガールが優勝。サクラゴスペルが4分の3馬身差で2着。後方に控えて外から捲るという自身の競馬に徹したウキヨノカゼがクビ差まで追い込んでの3着。
                         
 優勝したストレイトガールは前々走のヴィクトリアマイル以来の勝利で大レース2勝目。今日はひとつ前のレースが同じ距離の1000万条件。そのレースは33秒9で逃げた馬が34秒1でまとめて逃げ切りました。こちらは前半34秒1の後半34秒0。最後は流して2馬身差をつけた10レースの勝ち馬が強かったともいえますが,普通に考えればレースのレベルが異様に低くなったといえるでしょう。その中で,能力の上限に近いところまで発揮できたのが,有力視された馬の中では勝ち馬だけであったという総評でいいように思います。父はフジキセキ。母の父は第31回を制したタイキシャトル。祖母の半兄に1999年の京成杯と神戸新聞杯を勝ったオースミブライト。半妹に2003年の関屋記念,2004年の中山牝馬ステークスと福島牝馬ステークスを勝ったオースミコスモ。5代母がラバテラ
 騎乗した戸崎圭太騎手と管理している藤原英昭調教師はヴィクトリアマイル以来の大レース制覇でスプリンターズステークス初勝利。

 スピノザの哲学では,真理とは真の観念の総体のことです。ですから個別の真理,たとえばXの真理だけに限定して考えるなら,Xの真理と虚偽を分かつのは,Xの真の観念であることになります。実際にはひとつの真の観念は,一般的な意味で真理と虚偽を分かつ真理の規範となると僕は考えますが,ここではあくまでも個別の真理についてのみ言及します。
 ある人間Aの精神のうちにXの真の観念が現実的に存在すると,Xの真の観念の観念もAの精神のうちに存在します。少なくとも存在し得ます。これが,Aは自分がXの真の観念を有していることを知るということです。そしてこのXの真の観念がXの真理と虚偽を分かつのですから,真の観念を有していると知っているということは,それが虚偽であるとは疑わない,もっと正確にいえば疑うことができないということです。
 ここから分かるように,スピノザは真理が真理であることの本性,いい換えれば真理の真理性は,真の観念によって確保されると考えています。より正しくいえば,真理の真理性を確保する観念は,真の観念ではなく十全な観念であると考えていることになります。十全な観念とは,第二部定義四により内的秩序からみた場合の真の観念ですが,スピノザによる真理の真理性を確保するための説明は,明らかに観念の内的秩序だけを根拠にしているからです。あるいは思惟作用だけを根拠にしているからです。
 第二部定理五が意味しているのは,観念対象ideatumとは因果関係なしに観念は存在するということです。ですからスピノザが真の観念の真理性を観念対象に求めなかったのは当然です。けれども,ある種の人にとっては,真理の真理性が真理自身の内的特徴にのみ依存するというスピノザの考え方は,真理の真理性を特徴づけるものは何もないといっているように聞こえたのではないかと僕には思えるのです。アルベルトはたぶんそうだったでしょうし,ステノもそうではなかったかと僕は思っています。
 旧約でも新約でも,聖書には民衆が神や預言者たちの「しるし」を求める記述がいくつかあります。この「しるし」というのは,特徴と解してよいでしょう。
コメント
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