スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典マイルチャンピオンシップ南部杯&改革者

2015-10-12 19:21:19 | 地方競馬
 今年もJRAの開催日と重なった第28回マイルチャンピオンシップ南部杯
 ハッピースプリントが躓き気味の発馬。内からタガノトネール,エーシンビートロン,ポアゾンブラックの3頭が並んで逃げるようなレース。およそ1馬身差でベストウォーリアとダブルスターが併走。少し離れてワンダーアキュートという隊列。前半の800mは45秒7でこれは超ハイペース。
 前の5頭からエーシンビートロンは3コーナーを回って脱落。タガノトネール,ポアゾンブラック,ベストウォーリア,ダブルスターの4頭がほぼ一団で直線に。直線に入るとポアゾンブラックは一杯に。タガノトネールは直線の半ばまで粘りましたが,ベストウォーリアが余裕をもって交わすと抜け出して優勝。大外からワンダーアキュートがよく詰め寄ったものの,ぎりぎりで粘ったタガノトネールが2馬身差で2着。ワンダーアキュートがハナ差の3着。
 優勝したベストウォーリアは前走のプロキオンステークスから連勝。重賞は5勝目で大レースは2勝目。第27回に続いて南部杯連覇。能力的にはワンダーアキュートとさほど差がないかもしれませんが,距離適性は上回り,ここは大本命。それに相応しい内容のレースであったと思います。距離が伸びるのはあまりプラスにならないと思われ,路線の選択は難しいところですが,マイル前後のレースに出走する限りは,大きく崩れてしまうことは考えにくい馬だろうと思います。
 騎乗した福永祐一騎手は昨年3月のドバイデューティフリー以来の大レース制覇。国内では一昨年の天皇賞(秋)以来。南部杯は初勝利。管理している石坂正調教師は昨年の有馬記念以来の大レース制覇。南部杯は連覇で2勝目。

 スピノザがデカルトの哲学について不十分なところがあるとステノに語ったことがあったと仮定します。この仮定は,スピノザが自分の哲学について語ったという仮定に必然的に直結します。なぜなら,デカルトの哲学の不十分さについて語ることは,どの部分にどんな不十分さがあるかを語るのと同じです。そしてそれが不十分であることを示すためには,その不十分さがどのように是正されなければならないかを語る必要があります。そして是正されたデカルトの哲学は,もはやデカルトの哲学ではなく,スピノザの哲学と解さなければならないからです。
 ステノの書簡を論評するにあたっては,そのこと自体はさほど重要ではありません。スピノザはアルベルトにも同じようなことを語ったことがあったかもしれませんが,アルベルトはそれを十全に理解できなかったと思われ,実際にはスピノザの徒労にすぎなかったという結論が出てくるだけだからです。この場合に重要なのは,ステノが実際にスピノザにこのことを語られたと仮定した場合に,それをよく理解することができたという点にあります。少なくともステノは,スピノザがデカルトの哲学の改革者であるということを,部分的には正しく把握していたと僕は考えています。
                         
 ステノがスピノザをデカルトの哲学の改革者と規定するとき,おそらく念頭に置いていたのは,二元論と平行論の相違に関連する部分であったと僕は思います。ステノの書簡の中には,物体に対する物体の衝撃がなぜ精神によって知覚され得るのか,デカルトの二元論ではステノ自身に確証的に示すことはできないし,その二元論を平行論に改革したスピノザの哲学においてもそれは同様であるという主旨の記述があるからです。二元論的な説明は人間の身体と精神の秩序を正しく説明することができず,それは平行論によって説明されるというのがスピノザの考え方であるという認識は,僕は正確な認識であると考えます。いい換えればこの点において,ステノはスピノザがデカルトの哲学の改革者であることを正しく認識していたと僕は考えるのです。
 この部分のステノの記述はもっと論評する価値があるでしょう。
コメント
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