スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

一手損角換り補足&別の証明

2008-08-02 21:46:56 | 将棋トピック
 一手損角換りに関してはついこの間再考したばかりなのですが,直後に別の指し方が出てきましたので,ここに補足しておきます。
 初手と3手目は順番が入れ替わっても同じです。
 1-Ⅰ
 ☗7六歩☖3四歩☗2六歩☖3二金☗2五歩☖8八角成☗同銀☖2二銀と進む形。
           
 1-Ⅱ
 ☗7六歩☖3四歩☗2六歩☖3二金☗7八金☖8四歩☗2五歩☖8八角成☗同銀☖2二銀と進む形。
           
 1-ⅡB
 1-Ⅱの☖8四歩に替えて☖9四歩。
           
 2
 ☗7六歩☖3四歩☗2六歩☖9四歩☗2五歩☖8八角成☗同銀☖2二銀。
           
 3
 ☗7六歩☖3四歩☗2六歩☖3二金☗7八金☖8八角成☗同銀☖4二銀。
           
 これらの指し方の考え方の背景は,続考などを参照してください。
 4
 羽生善治名人が棋聖戦第五局で指した順で,☗7六歩☖3四歩☗2六歩にいきなり☖8八角成☗同銀。この場合も☖4二銀と上がることになります。
           
 考え方としては,おそらく3に2をミックスさせたもの。☖3二金と上がっていない分,後手は振飛車の含みが多く残ります。先手も☗7八金としていないので,玉の囲い方の制約はいくらか軽いといえるかもしれません。棋聖戦の前だと今期のA級順位戦の1回戦で丸山忠久九段が,棋聖戦の後では日本シリーズの2回戦第一局で,深浦康市王位がこの順を指しています。

 明日は高松記念の2日目優秀のチータカカップ。並びは,平原-神山の関東に有坂-斎藤の北日本,荒井-西川-牧の九州で,浜口と香川は単騎。関東ラインから。

 第二の意味であれ第三の意味であれ,もしもそれが成立しないということを証明するならば,人間の精神mens humanaのうちにある混乱した観念idea inadaequataを原因causaとして,この人間の精神のうちに十全な観念idea adaequataが発生するという場合があるということを示す必要があります。したがってこれを逆に考えるならば,こうしたことは生じ得ないということを示すことさえできれば,背理法によって第二の意味と第三の意味は共に成立すると証明できるということになります。
 人間の精神のうちに混乱した観念があるということは,この人間の精神の本性naturaを構成すると共に,ほかのものの観念ideaを有する限りで神Deusのうちにある観念があるということです。そこでまずこの観念をXとします。次に,この観念を原因として神のうちにYという観念が発生するとしましょう。そして最後に,このYの観念が,Xの混乱した観念を有すると最初に仮定した人間の精神のうちに,十全な観念としてあり得ると仮定します。
 これを神のうちでのみ考えるならば,ある人間の精神の本性を構成すると共に,ほかのものの観念をも有する限りで神のうちにある観念Xから,これと同じ人間の精神の本性を構成する限りでの神のうちに,Yという観念が生じるという意味になります。このとき,XとYの実在性realitasすなわち完全性perfectioは,ほかのものの観念の分だけXの観念が上回ると考えられます。つまり原因の実在性が結果effectusの実在性を上回るわけですので,この限りではこうしたことが不可能であるとか不条理であるとはいえないということになります。
コメント
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