曽我部絵日記

曽我部昌史の写真絵日記

週末の地方巡業のつづき

2007-12-06 | インポート

11月16日(金)

この週末は、アートポリスの公開審査会と、大阪で小学生のワークショップ。くまもとアートポリスの打合せのため、夜熊本県庁に。


11月17日(土)

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朝早くから、熊本駅前広場の指名プロポーザルの公開審査会。よく知っている建築家がたくさん参加しているプロポーザル。公平に議論するのは当然なんだけれど、いろいろと気を使うもんだ。結構、大変。夕方、西沢立衛さんを設計者として選定。明日のために、夜の便で大阪に。


11月18日(日)

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宿泊したのは、アーティスト藤浩志さんの部屋。バードロッジと銘打って、全国のいろいろな場所に拠点を作っていて、プロジェクトの関係者に開放してくれている。ここはその大阪ブランチ。南に、淀川ごしの梅田の街を臨む。

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用事は、松井山手ということろで、小学生相手の基地作りワークショップ。地元の学生たちのチームが協力してくれていて、今回は、学生たちが、子供がカスタマイズしやすいように工夫をしたフレームをあらかじめ考案し用意する、っていうことにした。こういうのとか、

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こういうのとか。基本は、身近にある素材をもちいて基地をつくる、っていうことなので、フレームもなるべく、身近なもので。

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始めるなり、フレームを解体したり移動したりして、三つ分まとめて制作するグループなどが出現。こういう、当たり前のようにアグレッシブなことをできちゃうのが面白い。

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お父さんによると、かれは日常的にこういうものの制作を頑張っているとか。名前が僕と同じ(漢字が)らしい。

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必ず窓をつくろう、ってことにしたんだけれど、こういう覗き穴とか、どれにも独特の窓がついている。

爆風に煽られて倒壊する家(基地?)も出たけれど、そういったハードルも克服しつつ、無事完了。会場を片付けて、学生たちと打ち上げで飲んでから、藤さんのバードロッジへ。熊本と大阪の週末が完了。


11月22日(木)

この週末(3連休)は日本文化デザイン会議。授業を終えて、最終の飛行機で神戸に。研究室の学生たちは、昼のうちに到着している。


11月23日(金・祝)

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単管足場のシステムを用いた、避難所の拠点施設のモデルを制作するのが初日の仕事。朝8時、現地に学生たちが集合し、部材の搬入に立ち会い。このアングルで定点観測をしようと思ってとったのがこの写真。


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100円ショップの水平器でレベルをとりつつ、ベースの高さ調整。くさび形のジョイントで組み上げるシステムなので、素人でもかなりスピーディーに制作が進められる。快調。

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計画をしたのは神奈川大学曽我部研究室と武蔵工業大学手塚研究室。制作は神戸大学、大阪工業大学、神戸芸工大の学生たちも手伝ってくれた。

で、この写真が朝11時前。この日の写真はこれが最後。というのも、昼食直後に突然の嘔吐と下痢と手足の震えで全く機能しなくなった。ただ、日本文化デザイン会議のためにも取材の対応だけはしなくっちゃと思って、4時すぎまで頑張って、あとはホテルに戻ってダウン。朝まで室温最大に設定して爆睡。定点観測はできませんでした。


11月24日(土)

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横浜に戻るかどうか迷いつつ、朝ホテルのロビーで馬場璋造さんに症状のことを話したら、とても心配をしてくれつつ「そういえば先週わたしも同じような症状で、そのままドバイに行ったんだけれど、ドバイの2日目でなおりましたよ」っておっしゃっていて、そうか、もうちょっと様子をみつつ頑張ってみよう、と思いなおした。

ところでこれは、会場にあった、包丁とかはさみとかでつくった鷲(?)。怖い。

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水没コンペ公開審査会場。今回の日本文化デザイン会議の会場は、遠藤秀平設計のビーンズドーム。巨大な防災拠点施設で、普段はテニスコートが9面の体育館。その、テニスコートで様々なプログラムが行われる。段ボールを敷いて座布団の椅子で審査会っていうのは新鮮だったけれど、体の不調はどうにもならず、どっちかっていうと、早く帰りたいなあ、っていう気持ちばっかり。

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夕方まで、コンペの審査前半→デザイン会議開会式→シンポジウム「生き残り建築家」パネラー→コンペの審査後半&表彰式、と順番に続き、何とか持ちこたえて、この日の役目は完了。歓迎レセプションとか、翌日の式典関係その他のプログラムを一式失礼させていただいて、帰路に。次の日も含めて、結局、50時間くらい何も食べなかったら元気になった。週末だけで解消しているのが、うれしいような残念なような…。


最後に、足場システムで作ったものを紹介。被災時に活躍する、汎用品の足場システムを利用したシェルターをつくる、っていうのが目標。曽我部研究室は、拡張可能な防災拠点システム。


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これが曽我部研究室のシェルターの全体像。情報ラウンジ(休憩場所)を中心に、調理スペースや授乳室などが放射状に取り付く。外周はキャンチ型の足場を利用したベンチ。

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外周のベンチでお弁当を食べる親子。斜めに引っ掛けた足場板が背もたれになっている。

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座敷のスペースもあって、ここで弁当を食べる人も。「ぐらぐらタウン」っていう防災知識育成ボードゲームを体験できることにしていたんだけれど、集客にちょっと失敗。

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情報ラウンジ。テーブルもベンチも足場。HPシェル型の屋根がかかっている。

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一応、手塚研究室のものも紹介。巨大な回廊になっていて、なかでイベントができる。回廊を走り回ったり上ったりする子供も。回廊に並んで弁当を食べる人たちもたくさんいたみたい。