曽我部絵日記

曽我部昌史の写真絵日記

サバグリ!????

2006-07-24 | インポート

7月17日(月曜)

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奥に見えるのが久しぶりのsoboro。あいにくの雨。

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祇園祭の日だけあって、浴衣姿のカップルも。いやあsoboroに似合うじゃないか。

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準備中の建物内部。辰野金吾の建築って、微妙なやり過ぎ感があっておもしろい。

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サカキマンゴーさん。ここはアフリカです。

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一回目のトーク。客席側をみると、空間の高さのアンバランスさが不思議な垂直感を。

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天井を見上げると、、、濃いデザインだ
(トークに集中しろって)。

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二回目のトーク。「サバグリ」提唱者、甲斐賢治さん。
(トークに集中しろって)。

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エコハウス。一階で農業とか共同風呂とかオープンキッチンとかやって、二階に家族の個室がある。

6月2日のブログで報告をしたのだけれど、京都文化博物館に小さなカフェをデザインした。

正式には「Social Design Cafe soboro」というカフェで、ゴミのことや食物のことなど、環境や社会に関して考えるNPOが運営している。このカフェが企画するイベント、soboro DIALOGUE Vol.01「環境×メディア×アート/持続可能な社会を京都からデザインする」が開催された。
会場は、カフェがある建物の本体、つまり、京都文化博物館(旧館)のホールだ。これがまた、辰野金吾の設計。このところ、辰野金吾づいてる。

前日まで、妻有トリエンナーレの準備で新潟にいて、割と遅くに帰ってきたんだけれど、藤浩志さんが今日たまたま京都にいて昼御飯時なら話ができそうだっていうんで、ちょっと頑張って早めに家を出た(別に、話し合わなければならないことがあったわけではないが)。

京都についたら、なんと、今日は祇園祭の最終日。どおりで外国人観光客が多いわけだ。藤さんや、iop都市文化創造研究所の永田さん(soboroのプロデュースをしている人で、今日のトークゲストのひとりでもある)と昼を食べながら雑談。っていうか、藤さんと永田さんの打ち合わせを思いっきり邪魔した、ってかんじだな。

で、今日のイベントでは、ライブとトークが混ざっていて、一番始めが、サカキマンゴーさん。一人でアフリカの楽器を操り、歌う。とても独りでやっているとは思えないくらい、音が厚い。
ちなみに、ザイール(って言ってたっけなあ)の言葉では、
「こんにちは」を「ハバーリ?」っていうんだそうで、そういわれたら「ム(ン)ズーリ」って返さなくちゃいけないらしい。
曲の途中などで、突然「ハバーリ」とかいわれるが、観客はあまりついて行けてない(そりゃ、ついていけないって)。

ライブが終わったら、一回目のお話の会。
「参加のデザイン、場のチカラ」ってお題で、昼一緒だったiopの永田さん、きょうとNPOセンターの理事などをしている深尾昌峰さん、graf広報の工藤千愛子さんとぼくの4人。市民が参加する街づくり、っていうことの様々な問題を議論する、っていうのが目標(だったのかな)。オーディエンスで来てくれた藤浩志さんからの質問もあって、それなりに楽しい会だった。でも、藤さんからのフリにうまいことリアクションできなかったのが反省、っていうか、個人的にちょっとショックだった。途中で「ハバーリ?」っていってみようと思ってたんだけど、タイミングが見つからず断念(そんなこと考えてるからリアクション失敗するんだな)。

一回目のお話が終わったら、今度はarchipelagoのライブ。アコースティックの心洗われる系の音楽だったけど、講師控え室での話が盛り上がり、今度はほとんど聞かずに時間がきちゃった。

再び今度は二回目のお話の会。
今度のお題は「小さな情報、メディアのカタチ」。話をするのは、ソニーマガジンズ「Lingkaran(リンカラン)」編集長の皆川孝徳さん、NPO法人 記録と表現とメディアのための組織 [remo] 代表理事の甲斐賢治さん、NPO京都コミュニティ放送[京都三条ラジオカフェ]理事の福井文雄さんとぼくの4人。情報の達人の皆さんですね。まあ、明らかに場違い。控え室でもテレビとかラジオとか電波とか雑誌とかメディアとかって言葉が飛び交う。
でも、業種的には違うんだけれど、割と隣接した関係にあるのか、場違いというより、少し新しい知識とか考え方に触れられて、かなりたのしい。
脱資本主義的というか、反スペック主義的な価値判断の体系化のために、メディアは予想以上に使いやすい道具だってことなどを意識することになったりして、収穫も多かった。

一番おもしろかったのは、農業に関わる話で、甲斐さんが提案した「サバ・グリ」には深い共感を覚えた。プレゼンも秀逸だったが(今度ぼくもやってみよう)なんでも、今朝思いついたとか。
サブカルチャーとアグリカルチャーが合体した言葉なわけだけれど、簡単にいうと、都市の隙間で農業、というわけ。それも、特に許可を得て農家として仕事をするっていうんじゃなくて、ちょっとしたスクウォッタで始めちゃって(だけど、作物つくってるだけだし、きっとつかまらない?たぶん??)、スケボーの少年が公園の特性をつかむように作物向きの特性を引き出し、食物の自給率が落ちてるのもまずいんじゃないの?っていう疑問にも答えよう、
っていうことなんだそうだ。
「空地なら100円パーキング」っていう安直さに対抗できそうだし(この安直さは、駐車の取締強化で加速化するに違いない)、作物向けに個人単位の工夫や見立てが、「農業」っていう「業」になっているのも、いい。ちょっとした家庭菜園をやろうっていうのではなく、「農業」。なんか最近、農業が近いなあっていう気がしてたんだって(調子いいけど)。
妻有で改修しているのはもともと農家だし、建設中の(なかなか建たないけど)僕の家の前も広大な生産緑地だし、去年つくったハンガートンネルの下にあるのは「音符の畑」。そういや、随分前だけれど、NHKの企画「建築家バトル(ちょっと恥ずかしいネーミングだけど、NHK教育の企画で、若手(当時)が与えられた敷地でエコハウスを提案する、というもの)」で、みかんぐみが提案したのも、1階が農家の都市型住宅だった。これからはやはり農業か。


会が終わって、甲斐さんと企画を深めるためのミーティングをするつもりが、オーディエンスだった京都造形芸大の学生たちを妻有に誘ったりしているうちに遅い時間に。明日朝一で、淀屋橋で打ち合わせがあるので、いっそのこと淀屋橋に泊まっちゃえ、っていうことで、京都を後にしたのでした。
(淀屋橋までは、京阪で四条から特急で一直線45分。近い。けど、淀屋橋のホテルにしたら、周りがオフィス街でしかも休日の夜中。晩ご飯食べたかったんだけど、コンビニしかありませんでしたとさ)。