Sightsong

自縄自縛日記

チャーリー・ヘイデンLMO『Time/Life』

2016-10-21 07:24:40 | アヴァンギャルド・ジャズ

チャーリー・ヘイデンの死後はじめて出るLMO (Liberation Music Orchestra)の記録、『Time/Life (Song for the Whales and Other Beings)』(Impulse!、2011、15年)を聴く。

Carla Bley (p)
Charlie Haden (b) (track 1 and 5)
Steve Swallow (b) (track 2, 3 and 4)
Tony Malaby (ts)
Chris Cheek (ts)
Loren Stillman (as)
Michael Rodriguez (tp)
Seneca Black (tp)
Curtis Fowlkes (tb)
Vincent Chancey (frh)
Joseph Daley (tuba)
Steve Cardenas (g)
Matt Wilson (ds)

昨年(2015年)の4月に、クリス・チークに、LMOの新作が年内に出るはずだと教えてもらって以来、楽しみにしていた。リリースはそれよりも1年あとになった。それだけに、一聴して、やや過剰な期待が拍子抜けしたような印象が残る。

それはなぜかと言えば、おそらく、ヘイデン晩年の記録2曲でアルバムをはさみこんだ結果かなと思う。ヘイデン追悼のために演奏された中の3曲は、あくまでカーラ・ブレイの音楽なのである。もちろんそれも愛している。特に、渋谷毅オーケストラのレパートリーのひとつ「Útviklingssang」など、ローレン・スティルマンのアルトを聴いていると落涙さえしてしまいそうだ。

そしてカーラのアレンジやピアノが持つ底無しの哀しさに加え、スティーヴ・スワロウの自己滅却を恐れないエロチックなエレキベース。ヘイデンの残響感を大事にしたベースとの違いがとても面白い。スワロウもヘイデン的なアプローチをみせる瞬間があり、あっと声をあげそうになる。

ソロイストは皆素晴らしいのだが、中でも特筆すべきはトニー・マラビーのテナー(特に「Song for the Whales」において)。LMOの前作『Not in Our Name』もまた聴きかえしてみなければ。

●チャーリー・ヘイデン
アルド・ロマーノ『Complete Communion to Don Cherry』とドン・チェリーの2枚(1965、88、2010年)
パット・メセニーとチャーリー・ヘイデンのデュオの映像『Montreal 2005』(2005年)
チャーリー・ヘイデンとアントニオ・フォルチオーネとのデュオ(2006年)
アリス・コルトレーン『Translinear Light』(2000、04年)
Naimレーベルのチャーリー・ヘイデンとピアニストとのデュオ(1998、2003年)
ギャビン・ブライヤーズ『哲学への決別』(1996年)
チャーリー・ヘイデン+ジム・ホール(1990年)
ポール・ブレイ+チャーリー・ヘイデン+ポール・モチアン『Memoirs』(1990年)
ゴンサロ・ルバルカバ+チャーリー・ヘイデン+ポール・モチアン(1990年)
ジェリ・アレン+チャーリー・ヘイデン+ポール・モチアン『Segments』(1989年)
シャーリー・クラーク『Ornette: Made in America』 再見(1985年)
チャーリー・ヘイデン+ヤン・ガルバレク+エグベルト・ジスモンチ『Magico』、『Carta De Amor』(1979、81年)
富樫雅彦『セッション・イン・パリ VOL. 1 / 2』(1979年)
70年代のキース・ジャレットの映像(1972、76年)
キース・ジャレットのインパルス盤(1975-76年)
キース・ジャレット『Arbour Zena』(1975年)
アリス・コルトレーン『Universal Consciousness』、『Lord of Lords』(1971、72年)
キース・ジャレット+チャーリー・ヘイデン+ポール・モチアン『Hamburg '72』(1972年)
オーネット・コールマン『Ornette at 12』(1968年)
オーネット・コールマンの最初期ライヴ(1958年)
スペイン市民戦争がいまにつながる

●カーラ・ブレイ
カーラ・ブレイ『Andando el Tiempo』(2015年)
カーラ・ブレイ+アンディ・シェパード+スティーヴ・スワロウ『Trios』(2012年)
カーラ・ブレイ+スティーヴ・スワロウ『DUETS』、渋谷毅オーケストラ(1988年)
スティーヴ・スワロウ『Into the Woodwork』(2011年)
ポール・ブレイ『Homage to Carla』(1992年)
ポール・ブレイ『Plays Carla Bley』(1991年)
ゲイリー・バートンのカーラ・ブレイ集『Dreams So Real』(1975年)
ザ・ジャズ・コンポーザーズ・オーケストラ(1968年)
スペイン市民戦争がいまにつながる


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