大阪市立青少年会館の設置を定めた「地区青少年会館条例」が、大阪市議会での条例改正を経て、「青少年会館条例」になったのが、1999年のこと。それ以後、法令上、大阪市立青少年会館は、基本的人権尊重の精神に基づき、青少年の健全育成をめざす「一般施策」の事業展開を行う社会教育・生涯学習施設に位置づいているはずです。
とすれば、「施策の見なおし」という昨今の大阪市の動きのなかで、青少年会館の「廃止」と市長側がいうのは、そもそもがいったい、どういう法的根拠にもとづいて行っていることなのか、たいへんあやしいことになります。というのも、もうすでに99年に「一般施策化」したと、市議会でも条例改正して認めた施策を、今頃になって大阪市長は「あれは施策の名残だ」といって蒸し返して、「条例廃止」を提案しているわけですから。しかも、青少年会館は大阪市教委の設置する社会教育・生涯学習施設、つまり「教育機関」で、その設置・管理などは、市教委の権限下にあるはずです。
「法令順守」「コンプライアンス」を連呼する今の大阪市の行政当局は、まず、この歴史的事実と法的位置づけを再確認すべきではないのでしょうか。でなければ、市議会で定めた条例や、国の教育関係法令の趣旨自体、大阪市の行政当局は無視するのか、ということになりますよ。
と同時に、市議会も過去に青少年会館の「一般施策化」を、条例改正ということによって認めた以上、今ここで「あれは施策だ」といって蒸し返すようなことをすることは、本来できないはず。どうしてもそれをしたいのであれば、過去の自分たちの議論を「自己批判」するのでなければ、簡単にウンとはいえないはずだと思うのですが・・・・。
どうも、こういうスジ論が今、忘れられているような気がしてならないのですが・・・・。