できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学人文学部・住友剛のブログ。
関西圏に関することを中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

「目の前の子どもの現実から出発する」ということ

2007-07-15 11:22:47 | 学問

「目の前の子どもの現実から出発する」ということ。また、「子どもにできるだけ近いところにいるおとなたちの状況を見つめる」ということ。

言われてみればあたりまえの話かもしれませんが、私としては、子どもの人権に関する教育や福祉、まちづくり等々の多様なとりくみは、この原則をふまえて行われるべきだろうと思っています。また、このことは、現状把握を目的として行われる各種調査や具体的な実践のあり方に関する研究はもちろんのこと、思想や歴史、理論に関する研究、政策提案の具体化に向けての研究にだって言えることだと思っています。そして、「迷ったら何度も、この原則に立ち返る」ということを意識してきました。時には、「自分が何をやったらいいのかわからなければ、現場で活動中の人たちに聞こう」という思いすら抱いたくらいです。

さて、こういう思いで、私はこの約1年くらいの間、大阪市の青少年会館条例廃止をめぐる諸問題、あるいは条例廃止後の青少年施策の問題についていろいろ動いてきました。また、条例廃止を向かえる以前も、大阪市で活動中のNPOの人や、青少年会館の現場職員、大阪市教委や大阪市教育振興公社の職員の方、地元の方など、子どもの人権にかかわる問題にできるだけ近いところで活動中の人たちと接点を持って、いろんな取り組みをしてきました。もちろん、それが十分にできたかどうかは別ですが。

ただ、あらためて最近、子どもの人権に関する問題にとりくむNPOの人たち、子ども施策の現場で働く市職員の方、地元でさまざまな取り組みをしている人たちに接していると、「この原則をふみはずさずに、この何年か、いろんな人たちと交流して、信頼関係を作ってきてよかった」と思うことが多いです。

やっぱり、彼ら・彼女らが日々、NPO活動や子ども施策の現場でつきあうなかで見えてくる子どもや保護者、住民の姿は、これからの子ども施策のあり方を考える上で、貴重な手がかりになることが多いです。そこには、行政当局がこのごろ重視している数値データではわからないような、場合によれば、その数値データの意味を問うような、そんな手がかりすら含まれています。

逆にいうと、子どもの人権の問題に関心を持って研究をしてきた人は私以外にも多々いるはずなのですが、こういった人たちに対して私はこのごろ、この大阪市の青少年会館条例廃止をめぐる諸問題や、あるいは、今後の大阪市の青少年施策のあり方などについて、「なぜNPOや市職員、地元の人々が活動している現場に出向いてきて、いっしょにものを考えようとしないのか?」という疑問がふつふつとわいてきます。

「目の前の子どもの現実から出発する」ということや、「子どもにできるだけ近いところにいるおとなたちの状況を見つめる」ということをしないで、いったい、どんな子どもの人権に関する研究ができるのだろうか・・・・、そんな疑問が今、だんだん強くなってきています。


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夏休み、どうなるのか?

2007-07-15 10:56:44 | 新たな検討課題

青少年会館条例が廃止されて3ヶ月。そして、もうすぐ夏休み。

去年までだと大阪市内の各青少年会館で、各種の体験活動・イベントや学習会などに参加したり、あるいはプール開放などを通じて楽しく過ごしていた子どもたちは、今年、どういう形で夏休みを過ごすのでしょうか。

ある大阪市内の地区の関係者に聞くと、たとえ旧青少年会館の施設が残ったとしても、今は自主サークルなどの登録制・予約制でしか使えないので、今まで青少年会館にふらっと立ち寄って、さまざまな活動に参加していた子どもたちの居場所がなくなっているとのこと。このため、子どもたちの間からも、保護者や住民の間からも、不満の声が出てきているとのことでした。

なかには、旧青少年会館の入口前で中に入りたそうにしている子どもたちや、あるいは、「なんでここが使えなくなったんや?」と怒っている子どもたちも、その地区では出ているとのこと。こういう子どもたちが夏休みを経て、どこへ行くことになるのか。そのことがたいへん、気がかりです。

また、条例廃止後、旧青少年会館施設のうちプールはどこも使えないことになったのですが、夏休みを迎えて、地元の人たちの間から「なぜプールはやらないのか?」という声も出始めている地区もあるようです。

条例廃止後3ヶ月を過ぎて、このようにじわじわと、大阪市内12地区の子どもや保護者、住民の生活にさまざまな支障が出始めているようです。それを思うと、「子ども施策」あるいは「青少年施策」の充実という観点から見て、あるいは、「まちづくり」や「住民生活の基盤整備」という観点から見て、はたして本当に青少年会館条例の廃止・事業の「解体」が妥当だったのかどうか。あまりにも拙速にその方針を決めすぎたのではないか、という気がしてなりません。


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もうしばらくお待ちください。

2007-07-14 08:25:34 | 私の「仲間」たちへ

しばらく更新をしていなかったのですが、今日、あらためてチェックしてみると、このブログは6000回アクセスを超えていました。アクセスありがとうございます。

なかなかゆっくりとブログを書く時間もないほど、今は本業で忙しい状況なのですが、もうすぐ夏休みです。夏休みに入ると、もう少し、このブログを書く時間もできると思います。

いま、これからの大阪市の青少年施策について、いろいろと考えていること、思っていることがいくつかあります。時間が取れ次第書いていきますので、情報発信はもうしばらくお待ちください。


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大阪市人権施策推進審議会の意見募集

2007-07-09 08:48:14 | 国際・政治

http://www.city.osaka.jp/shimin/topics/070606.html

大阪市の人権施策推進審議会が、市民やNPO団体などに対して、「今後の人権行政の在り方」に関して意見募集をしています。今月20日(金)がしめきりとのことです。

ちなみに、上記のホームページを見ると、この意見募集に際してはワード文書のファイルで書式がつくられているし、電子メールでの意見送付も認められているので、上記のページから書式ファイルを取り寄せ、電子メールで送るといいでしょう。

なお、この人権施策推進審議会は、別に子どもの問題だけに限らず、被差別部落出身者のこと、在日外国人のこと、障がいのある人のこと、高齢者のこと、ジェンダーのことなど、多様な人権関連の諸課題と、これに関する施策や行政の在り方について議論をすすめているようです。

それから、この審議会で今、どういうことが議論されているかは、大阪市市民局のホームページのなかから、下記のアドレスをクリックすると、だいたいの様子がわかるようになっています。

http://www.city.osaka.jp/shimin/shingikai/01/jinken/index.html

何か、大阪市の人権施策について意見を述べたい人は、この機会を積極的に使うといいかと思いますよ。


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徐々に活動を再開します。

2007-07-08 21:10:28 | 新たな検討課題

青少年会館条例が廃止されてから、早いものでもう3ヶ月たちました。

条例廃止後3ヶ月が過ぎて、大阪市内12地区の子どもや保護者、地域住民の人たちの暮らしがその後どうなったのか、春まで青少年会館で勤務していた人たちがその後どうなっているのか。いま、かつての青少年会館で自主サークル活動などがどんな形で展開し、そこで活動している人たちがどんな悩みや課題を抱えているのか、などなど。こういった現状を確認するための研究プロジェクトを、今月から本格的に開始することにしました。現在、先月からいろんな人たちへの協力要請や日程調整など、本格的なプロジェクト始動のための準備作業などを、細々と続けております。

また、この間、やはりこの春の青少年会館条例廃止に納得ができなかったため、大阪市の青少年施策に関する行政関係者との接点をできるだけ持たないようにしてきました。ですが、今の様子を見ていると、こども青少年局が発足したとはいうものの、これからの大阪市の青少年施策をどうするかということについて、いまだ展望が見えてこない部分もあるようです。こういうことから、「今後、子どもや若者の人権を尊重するような施策を打ち出してほしいので、それに沿った取り組みに関して」という限定つきですが、大阪市の青少年施策に関する行政関係者との接触も、今月から再開していくことにしました。

そして、これは「市民の会」レベルでの取り組みになりますが、今後の大阪市の青少年施策のあり方を考える上で検討の素材にしてほしいということで、「創造都市戦略」の内容の具体化ということに関連して、地域社会レベルでの市民・NPOの取り組みを主軸に、子どもの体験活動や芸術・文化活動などをより充実させていくという観点に沿った政策提案文書をすでに作っています。これも、大阪市側に示して、対話の素材にしていく予定です。

こういう形で、徐々にではありますが、大阪市の今後の青少年施策を考える上で必要な市民団体レベルでの活動、あるいはグループでの研究活動や個人的な活動などについて、できる範囲で再開していこうと思います。今後とも、どうぞよろしくお願いします。


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あらたな行政機関の役割

2007-07-07 16:03:02 | 国際・政治

http://www.jichiroren.jp/md/topic/index.php?page=article&storyid=593

たまに公務員労組関係のホームページを見ていると、面白い情報に出会うことがありますね。

この引用は、自治労連のホームページでの情報ですが、ここでは詐欺行為の発覚、経営破たん、一方的な撤退など「企業の社会的責任」が問われるようなケースで、指定管理者の取り消しをされる民間業者がぼつぼつ出始めているようです。また、このホームページでは、自治体側の委託のあり方も問われるというコメントが行われていますが、まさにそのとおりだなという風に思います。

こういう情報に接すると、これまでは一連の行財政改革のなかで、「官対民」という図式で、「官」つまり行政の持つさまざまな問題点を指摘し、これに対して民間の持つ効率のよさやサービスのよさなどが強調されてきましたが、「民間もいろいろ、なかには今までの行政よりヒドイのもある」といわざるをえないということがわかってきます。

やはり今後は、行政が担ってきた仕事を民間にゆだねるとしても、ゆだねた民間側がどういう風に仕事をしているのかをチェックしたり、あるいは、公的な業務を安易に引き受けて、ダメだとわかればすぐに撤退するような民間業者を、委託前の段階でチェックしたり、委託後もそういうことがないかどうかをチェックする、そういう体制の整備が必要になってくるのではないでしょうか。つまり、民間に公的な業務をゆだねることを前提とした上でのあらたな行政機関の役割の定義と、それを引き受ける行政機関の体制整備が求められている、という風に思うのですが。


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