橡の木の下で

俳句と共に

「チューリップ」令和6年「橡」3月号より

2024-02-27 16:15:33 | 俳句とエッセイ
チューリップ      
         亜紀子

白き尾が風にちよろりと猫柳
めかぶ好き二月生れの子も我も
節分を前に角出すチューリップ
主より犬の外套あたたかく
つれづれに小豆煮てをり寒の雨
窓まどに皆一家族ヒヤシンス
つぼみたる檸檬光の春の中
冬日ざしランチお洒落なコッペパン
翡翠に岸辺片寄る冬帽子
雪の富士左右の車窓に旅初め
菰被る高楼いくつ風の中
冬三角明日は良き日と見上げたり
探査機を入れて一月望の月
人智とは何ぞと問へば星凍る
ネタニヤフ凍つる亡霊枕辺に
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