20160224今日の一手
1月24日の名南将棋大会からHさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
歩と桂の交換で馬を作っています。持ち歩があるので歩をカウントせず、先手の駒得です。
玉の堅さは同程度。美濃囲いのほうが横からの攻めに強く、矢倉は上部に厚いという違いがあります。
先手の攻め駒は21馬と持ち駒桂で2枚。
後手の攻め駒は36銀と持ち駒角で2枚。
総合すればやや先手有利です。
大局観として
駒得ですから長期戦は歓迎です。47歩成は許してはいけないので、まずはここを受けるのが本筋でしょう。さらに香車を拾って馬を引き付ければ優勢になります。それまでは我慢か。
飛車のさばき合いに持ち込むような変化もあるのですが、それはやや美濃囲いのほうに利があります。駒得もあまり生きませんから慎重に。
○ 実戦は48飛でした。
一番自然に見えますが、さばかれるのも怖いので慎重に読みます。47で清算すれば41金に当たってくるので大丈夫。実戦では39角11馬47歩成
飛角交換を甘受して香車を取りましたが、後手の飛銀をさばかれます。47同銀48角成35歩同飛36銀同飛48金39飛成
一本道ではないのですが、まあ妥当な交換で、この局面は難しいです。実戦では49歩47歩46香52金左41銀62金左55馬
とやったのですが、銀香を無駄遣いして55馬では迫力がありませんでした。
49歩47歩に55馬と引けば74桂が厳しいので64銀
これは駒損で悪そうです。
49歩としないで55馬なら
今度は64銀には37馬で悪くはないです。勢いで48竜74桂92玉95歩67銀
という寄せ合いになるのですが、調べると後手が勝ちのような。難しい終盤です。
それよりも39角に46飛がよかったのです。
42歩に68金上の味がよすぎます。28角成37歩
これで先手の有利が拡大します。
後手としては48飛に39角はまずく、52金左くらいか。
46飛45歩49飛38角11馬
飛角交換は甘受するのは実戦と同じでも、後手の飛車をさばかせてはいけません。49飛で45同銀というのは飛車のさばき合いで玉の堅さが響きます。(金の位置の違い)
○ 38飛とまわると結果が変わってきます。
間接的に47歩成を受けています。角打ちもないので37歩でしょう。そこで48飛に39角は
46飛42歩68金上
これで先手がよいというのはほぼ同じことです。
48飛に52金左は
46飛45歩同銀同銀同飛
今度は後手は37歩が邪魔なので飛車が成れませんから先手有利。
ということで、48飛よりも38飛とまわって37歩を打たせてから48飛のほうが少し得です。
× 43馬は飛車取り。
もし最初に65馬(47歩成を受けた)なら64歩と突かれて
結局43馬ですから、64歩を突かせないほうがいいでしょう。
それで24飛48飛でどうか。
27飛成61馬同銀46飛
45歩同銀47銀成
36銀から飛車の取り合いしかないですが、後手玉が薄いとはいえ銀がそっぽに行くので条件が悪く後手がやや有利です。
△ 48歩はおとなしい手です。
48飛などでさばき合いに自信がなければこれです。27銀成11馬39飛成
55馬29竜46馬
香得で75歩が楽しみ。でも後手に37角と合わせられると悩みますね。46桂と打たれる手も生じます。後手のほうが勝ちやすいでしょうか。
やや有利な局面ですから自然な手がよいです。飛車を使う48飛や38飛でやれるとおもったらその先を考えましょう。39角には46飛が利くから大丈夫、68金右の味がいい、そこまで読めたら十分です。
(この場合は必要ないですが)もしも形勢が互角がやや悪いとなれば第3の候補くらいまでは一応考えるべきで、43馬でよくならないか、48歩と謝っておいたら粘れるかもしれない、というふうに考えます。
形勢がよければ43馬や48歩はやや不自然ですから考えないほうがよい手で、逆転する元になります。
あるいは、もし自然な48飛や38飛で悪いなら形勢がよくないのかも、と考えることもできるのですが。
こういうのは少しの差が影響します。例えば後手の41金が52にあったら玉の堅さに違いがあるわけで、形勢互角か少し悪いのかも、と考えるところでしょう。逆に先手の59金が68にあれば玉の堅さでも優っているわけで、堂々と自然な手が指せますし、飛車のさばき合いでも問題なしです。
1月24日の名南将棋大会からHさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
歩と桂の交換で馬を作っています。持ち歩があるので歩をカウントせず、先手の駒得です。
玉の堅さは同程度。美濃囲いのほうが横からの攻めに強く、矢倉は上部に厚いという違いがあります。
先手の攻め駒は21馬と持ち駒桂で2枚。
後手の攻め駒は36銀と持ち駒角で2枚。
総合すればやや先手有利です。
大局観として
駒得ですから長期戦は歓迎です。47歩成は許してはいけないので、まずはここを受けるのが本筋でしょう。さらに香車を拾って馬を引き付ければ優勢になります。それまでは我慢か。
飛車のさばき合いに持ち込むような変化もあるのですが、それはやや美濃囲いのほうに利があります。駒得もあまり生きませんから慎重に。
○ 実戦は48飛でした。
一番自然に見えますが、さばかれるのも怖いので慎重に読みます。47で清算すれば41金に当たってくるので大丈夫。実戦では39角11馬47歩成
飛角交換を甘受して香車を取りましたが、後手の飛銀をさばかれます。47同銀48角成35歩同飛36銀同飛48金39飛成
一本道ではないのですが、まあ妥当な交換で、この局面は難しいです。実戦では49歩47歩46香52金左41銀62金左55馬
とやったのですが、銀香を無駄遣いして55馬では迫力がありませんでした。
49歩47歩に55馬と引けば74桂が厳しいので64銀
これは駒損で悪そうです。
49歩としないで55馬なら
今度は64銀には37馬で悪くはないです。勢いで48竜74桂92玉95歩67銀
という寄せ合いになるのですが、調べると後手が勝ちのような。難しい終盤です。
それよりも39角に46飛がよかったのです。
42歩に68金上の味がよすぎます。28角成37歩
これで先手の有利が拡大します。
後手としては48飛に39角はまずく、52金左くらいか。
46飛45歩49飛38角11馬
飛角交換は甘受するのは実戦と同じでも、後手の飛車をさばかせてはいけません。49飛で45同銀というのは飛車のさばき合いで玉の堅さが響きます。(金の位置の違い)
○ 38飛とまわると結果が変わってきます。
間接的に47歩成を受けています。角打ちもないので37歩でしょう。そこで48飛に39角は
46飛42歩68金上
これで先手がよいというのはほぼ同じことです。
48飛に52金左は
46飛45歩同銀同銀同飛
今度は後手は37歩が邪魔なので飛車が成れませんから先手有利。
ということで、48飛よりも38飛とまわって37歩を打たせてから48飛のほうが少し得です。
× 43馬は飛車取り。
もし最初に65馬(47歩成を受けた)なら64歩と突かれて
結局43馬ですから、64歩を突かせないほうがいいでしょう。
それで24飛48飛でどうか。
27飛成61馬同銀46飛
45歩同銀47銀成
36銀から飛車の取り合いしかないですが、後手玉が薄いとはいえ銀がそっぽに行くので条件が悪く後手がやや有利です。
△ 48歩はおとなしい手です。
48飛などでさばき合いに自信がなければこれです。27銀成11馬39飛成
55馬29竜46馬
香得で75歩が楽しみ。でも後手に37角と合わせられると悩みますね。46桂と打たれる手も生じます。後手のほうが勝ちやすいでしょうか。
やや有利な局面ですから自然な手がよいです。飛車を使う48飛や38飛でやれるとおもったらその先を考えましょう。39角には46飛が利くから大丈夫、68金右の味がいい、そこまで読めたら十分です。
(この場合は必要ないですが)もしも形勢が互角がやや悪いとなれば第3の候補くらいまでは一応考えるべきで、43馬でよくならないか、48歩と謝っておいたら粘れるかもしれない、というふうに考えます。
形勢がよければ43馬や48歩はやや不自然ですから考えないほうがよい手で、逆転する元になります。
あるいは、もし自然な48飛や38飛で悪いなら形勢がよくないのかも、と考えることもできるのですが。
こういうのは少しの差が影響します。例えば後手の41金が52にあったら玉の堅さに違いがあるわけで、形勢互角か少し悪いのかも、と考えるところでしょう。逆に先手の59金が68にあれば玉の堅さでも優っているわけで、堂々と自然な手が指せますし、飛車のさばき合いでも問題なしです。