名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

20160224今日の一手<その284>; 有利なときには自然な手がよい

2016-02-24 | 今日の一手
20160224今日の一手

1月24日の名南将棋大会からHさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。





昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
歩と桂の交換で馬を作っています。持ち歩があるので歩をカウントせず、先手の駒得です。
玉の堅さは同程度。美濃囲いのほうが横からの攻めに強く、矢倉は上部に厚いという違いがあります。
先手の攻め駒は21馬と持ち駒桂で2枚。
後手の攻め駒は36銀と持ち駒角で2枚。

総合すればやや先手有利です。

大局観として
駒得ですから長期戦は歓迎です。47歩成は許してはいけないので、まずはここを受けるのが本筋でしょう。さらに香車を拾って馬を引き付ければ優勢になります。それまでは我慢か。
飛車のさばき合いに持ち込むような変化もあるのですが、それはやや美濃囲いのほうに利があります。駒得もあまり生きませんから慎重に。


○ 実戦は48飛でした。

一番自然に見えますが、さばかれるのも怖いので慎重に読みます。47で清算すれば41金に当たってくるので大丈夫。実戦では39角11馬47歩成

飛角交換を甘受して香車を取りましたが、後手の飛銀をさばかれます。47同銀48角成35歩同飛36銀同飛48金39飛成

一本道ではないのですが、まあ妥当な交換で、この局面は難しいです。実戦では49歩47歩46香52金左41銀62金左55馬

とやったのですが、銀香を無駄遣いして55馬では迫力がありませんでした。

49歩47歩に55馬と引けば74桂が厳しいので64銀

これは駒損で悪そうです。

49歩としないで55馬なら

今度は64銀には37馬で悪くはないです。勢いで48竜74桂92玉95歩67銀

という寄せ合いになるのですが、調べると後手が勝ちのような。難しい終盤です。

それよりも39角に46飛がよかったのです。

42歩に68金上の味がよすぎます。28角成37歩

これで先手の有利が拡大します。

後手としては48飛に39角はまずく、52金左くらいか。

46飛45歩49飛38角11馬

飛角交換は甘受するのは実戦と同じでも、後手の飛車をさばかせてはいけません。49飛で45同銀というのは飛車のさばき合いで玉の堅さが響きます。(金の位置の違い)


○ 38飛とまわると結果が変わってきます。

間接的に47歩成を受けています。角打ちもないので37歩でしょう。そこで48飛に39角は

46飛42歩68金上

これで先手がよいというのはほぼ同じことです。

48飛に52金左は

46飛45歩同銀同銀同飛

今度は後手は37歩が邪魔なので飛車が成れませんから先手有利。
ということで、48飛よりも38飛とまわって37歩を打たせてから48飛のほうが少し得です。


× 43馬は飛車取り。

もし最初に65馬(47歩成を受けた)なら64歩と突かれて

結局43馬ですから、64歩を突かせないほうがいいでしょう。

それで24飛48飛でどうか。

27飛成61馬同銀46飛

45歩同銀47銀成

36銀から飛車の取り合いしかないですが、後手玉が薄いとはいえ銀がそっぽに行くので条件が悪く後手がやや有利です。


△ 48歩はおとなしい手です。

48飛などでさばき合いに自信がなければこれです。27銀成11馬39飛成

55馬29竜46馬

香得で75歩が楽しみ。でも後手に37角と合わせられると悩みますね。46桂と打たれる手も生じます。後手のほうが勝ちやすいでしょうか。


やや有利な局面ですから自然な手がよいです。飛車を使う48飛や38飛でやれるとおもったらその先を考えましょう。39角には46飛が利くから大丈夫、68金右の味がいい、そこまで読めたら十分です。

(この場合は必要ないですが)もしも形勢が互角がやや悪いとなれば第3の候補くらいまでは一応考えるべきで、43馬でよくならないか、48歩と謝っておいたら粘れるかもしれない、というふうに考えます。
形勢がよければ43馬や48歩はやや不自然ですから考えないほうがよい手で、逆転する元になります。

あるいは、もし自然な48飛や38飛で悪いなら形勢がよくないのかも、と考えることもできるのですが。

こういうのは少しの差が影響します。例えば後手の41金が52にあったら玉の堅さに違いがあるわけで、形勢互角か少し悪いのかも、と考えるところでしょう。逆に先手の59金が68にあれば玉の堅さでも優っているわけで、堂々と自然な手が指せますし、飛車のさばき合いでも問題なしです。
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大山将棋研究(74); 中飛車に金立ち戦法

2016-02-23 | 大山将棋研究
昭和47年12月、大内先生と第27期A級順位戦です。


大山先生の先手で、26歩に大内先生は振り飛車。当たり前なのですが、大内先生の裏芸で矢倉の時はどう指したのでしょうか?

まあ大内先生の中飛車は定番です。

大内先生の穴熊かと思いましたが美濃囲いのようです。

大山先生は金立ち戦法。棒銀や袖飛車(加藤流急戦)はやらないでしょうから、急戦を目指せばこれでしょう。

大内先生が54歩としないので位取り。これは定跡書にも出ていません。

35歩を見せられて、38飛では気合が悪いからと軽く歩を突きます。

桂馬を跳ねて大山先生が大分手得しているのですが、形勢は何とも言えません。

金を使って押さえているので先手玉が薄い、だから大内先生は包囲網を突破しようと動きます。

これで桂馬の交換。大山先生は対振り飛車では右桂を交換する順が好きですね。

この桂打ちは好点に見えるのですが

大山先生はこれでよいと思っていたのでしょうけれど、こっちに跳ねるのでは不本意です。56桂は拠点を支える駒にしたほうがよく、44歩や64歩と抑えるようになれば働いているといえるのですが。

地味ですが、大内先生の歩を伸ばす手が好手。これは飛車を回って2筋を突破するという意味ではなくて

15角が狙いです。これで大内先生が指しやすくなりました。44桂が空振りです。

少し有利になるといい手が出やすくなります。54の歩を突きだして54銀とぶつける意味。

金で取らせて飛車交換を挑みます。

飛車を先着されても歩で遮断されます。ここでつまらない指し方ですが52歩成同歩32桂成とすべきだったでしょう。

35歩から25飛成はひねった手です。34にいた銀を相手にするので本筋ではありません。

飛車を打って48角成が狙い。ここで受けそこないました。

27歩から49歩で35の銀を取れればよかったのですが、桂馬が痛打です。

58桂を受けられず敗勢になりました。

上部に逃げてひと粘り、と行けばよかったのですが、桂馬を拾われてどうしようもありません。

投了図は大差になりました。


定跡から外れて面白い序中盤でしたが、大山先生の56桂から44桂という構想が悪く形勢不利になりました。右で桂馬を交換したら左に打って使いたい、というのが大体の感覚です。大内先生からは25歩から15角と使えたのが大きく、そのあとの飛車のさばきまでうまくいきました。大山先生は寄せ合いは負けと見てひねった手順で対抗したのですが、大内先生の46桂がよい寄せでした。
中盤からは後手をもって並べると楽しいと思います。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山王将
後手:大内8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4三銀(42)
9 6八玉(59)
10 5二飛(82)
11 7八玉(68)
12 6二玉(51)
13 6八銀(79)
14 7二玉(62)
15 5八金(49)
16 8二玉(72)
17 9六歩(97)
18 9四歩(93)
19 3六歩(37)
20 7二銀(71)
21 2五歩(26)
22 3三角(22)
23 5七金(58)
24 3二飛(52)
25 5五歩(56)
26 5二金(41)
27 4六歩(47)
28 5一角(33)
29 4五歩(46)
30 3三角(51)
31 3七桂(29)
32 3五歩(34)
33 同 歩(36)
34 1二香(11)
35 4六金(57)
36 4五歩(44)
37 同 桂(37)
38 4四角(33)
39 3八飛(28)
40 2二角(44)
41 3四歩(35)
42 4四歩打
43 3三桂成(45)
44 同 桂(21)
45 同 歩成(34)
46 同 角(22)
47 4七銀(48)
48 5一角(33)
49 3五歩打
50 6四歩(63)
51 2四歩(25)
52 同 歩(23)
53 5六桂打
54 6三金(52)
55 4五歩打
56 同 歩(44)
57 同 金(46)
58 4四歩打
59 同 桂(56)
60 3一飛(32)
61 3四歩(35)
62 2五歩(24)
63 5四歩(55)
64 3七歩打
65 同 飛(38)
66 1五角(51)
67 3六飛(37)
68 5四歩(53)
69 2六歩打
70 5五歩(54)
71 同 金(45)
72 3四飛(31)
73 同 飛(36)
74 同 銀(43)
75 5三歩打
76 5一歩打
77 2二飛打
78 4二歩打
79 5二歩成(53)
80 同 歩(51)
81 3五歩打
82 同 銀(34)
83 2五飛成(22)
84 2六角(15)
85 5八銀(47)
86 2四歩打
87 3四龍(25)
88 2九飛打
89 2七歩打
90 4八角成(26)
91 4九歩打
92 4六桂打
93 5七銀(58)
94 同 馬(48)
95 同 銀(68)
96 4九飛成(29)
97 5六金(55)
98 5八桂成(46)
99 7九金(69)
100 6九銀打
101 7七玉(78)
102 4四銀(35)
103 7五歩(76)
104 3三歩打
105 2四龍(34)
106 2三歩打
107 2六龍(24)
108 5七成桂(58)
109 投了
まで108手で後手の勝ち



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20160223今日の一手<その283>; 穴熊を固める手順

2016-02-23 | 今日の一手
20160223今日の一手

1月24日の名南将棋大会からOさんとIさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。




昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。でも後手陣は横からの攻めには強く、34歩を突いていないので上からも攻められにくいです。ですから大きな差ではありません。
先手の攻め駒は68飛55角の2枚。
後手の攻め駒は86飛56銀の2枚。

総合すれば互角です。やや先手のほうが指しやすいかもしれません。

大局観として
先手は穴熊に囲いましたが、飛角しか動いていないので一気に寄せきるとはいかないでしょう。飛車交換や角交換の筋が見えますね。それがいいのか悪いのかの判断が最初でしょうか。うまくいかないのなら玉を固めて待っていたらどうか考えます。待っていて悪くなるなら原因は左の金銀桂が働いていないことにあるので、どう使うか。方針を決める時です。いずれにしても後手の56銀は目障りで、追い払うのか目標にするのかが課題です。


× 実戦は58金でした。玉を固める手です。

後手は57歩48金寄85飛77角13角と進めたのですが

こうなると先手だけ4歩持っているのですから指しやすくなります。いろいろなところに歩を打てるので指せる手が多くなるので好手も含まれやすいです。
以下は手順省略でこの図

銀を交換して飛車をさばいて、85飛を許してはいけないと後手が74銀と投入するようでは先手有利です。
ただし実戦では先手Sさんの見落としか、手順に77角を取られてしまって(58歩成~79角成~89馬78歩~66桂~78桂成~77飛成)攻めが切れてしまいました。

58金で57歩と打ってもらえるなら金を守りにつけて歩切れにさせるので大成功ですが、75角が厄介です。

57銀成を防ぐのはなかなか難しく、66歩は打ちたくないので77角76飛78飛が手順です。

怖いのは39角成同銀77飛成同飛66角という順。

57歩では77角成同桂49飛

59飛57銀成

これはつぶれています。

66角には48角と打つしかありません。

77角成同桂57歩同金同銀成同角

後手は歩切れなのでこれで一応は先手よしです。級位者同士なら実戦的には後手が勝ちやすいかもしれませんが。

ということで、後手の飛車切りは やりすぎで、78飛に39角成同銀のあと、57歩68金66金

これで先手の穴熊が薄いですから後手が指しやすいと思います。
58金は悪手というわけでもないのですが、後手の75角が好手で、やや悪くなります。


× 守る手を先にやりましたが、攻める方を考えます。74歩は見えますね。

52金右(63を守る)73歩成同銀

77角84飛72歩

と金を作ってどうか。64銀71歩成73桂

桂馬には逃げられそうで、後手の駒だけ前に出てきました。これではよくないです。


× 64歩と打てば角交換が狙えます。

64同歩同角同角同飛55角

後手の99角成以上の手があるといいのですが、見つかりません。


△ 66飛なら飛車交換。

66同飛同角67飛68飛

47飛成48歩46竜82歩

93桂81歩成57銀不成同角同竜91と

一応2枚換えですが、後手は右桂を使えるのでだんだんと駒得になります。でも実戦的には穴熊が堅いので先手も十分指せるでしょう。


× 78金は前の変化で両取りを避ける工夫ですが

13角66飛同飛同角

78金と13角が入っているのが違います。69飛68歩57銀不成75角58歩

これはと金で攻められてしまいます。先手劣勢。


× 78銀はちょっとひねった手です。これが有効になるときもあるのですが

88歩成77銀85飛88飛87歩

55の角に当たっていても、飛車が侵入できれば先手も指せます。でも一回87歩と打たれて、97桂では同角成ですから76銀しかありません。88歩成85銀65飛

結局角が浮いているのをとがめられてしまいました。


× 77桂とはねておくのは有効な手ですが

75角58金57銀成65飛84角

これはさばききれず。

75角に58歩でどうか。

39角成同銀67金98飛54歩

39角成と切られると穴熊が薄くて勝てません。


○ 56銀を追うことを考えます。まずは77角

76飛では78飛があるので84飛に66飛で銀を追います。

47銀成は48歩57成銀58歩

後手は56歩の一手に57歩同歩成58歩56歩で千日手にもできますが、放置して65飛~55飛~57歩を狙って指せるでしょう。

後手としては45銀と引き上げます。

あとは76飛から陣形を整備して

穴熊を完成したら攻めることを考えます。54銀に66角75歩74歩

74同飛には86飛ですから65桂75角同角同飛

79の銀に働きはないのですが、77桂と跳ねれば一人前。57桂成などは怖くありません。


単純に穴熊を固めていると、後手の75角が好手で、39角成とされると勝ちにくくなります。

とは言っても左の金銀が前に出ていないので、軽い攻めしかありません。角交換飛車交換は後手を引くので先に打ち込まれてしまうのですが、飛車交換で82歩を狙うというのはないことはないです。

最後にやった77角から66飛と飛銀を追いやって穴熊を固めるというのが一番スマートです。穴熊のスペシャリストになるなら、こういう手順が自然に思い浮かぶようにならないといけないのでしょう。

後手は鳥刺し戦法ですが、振り飛車穴熊に対する相性はいいようです。34歩はつかないので袖飛車も怖くないですし、大駒交換も強気にできます。問題図では4歩交換された形で損をしているのですが、右銀も繰り出して抑え込む指し方はできたでしょう。
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大山将棋研究(73);四間飛車に玉頭位取り

2016-02-22 | 大山将棋研究
昭和47年12月、中原先生と第11期十段戦第5局です。


大山先生の四間飛車。連敗していますから穴熊はあきらめて端を受けます。

中原先生は玉頭位取りに。

55歩に備えた受け。これが癪なんですよね。現代で居飛車穴熊に44銀の形ではこう回らずに55歩同歩同銀の時に35歩から反撃をしますから、それでよければ穴熊を指すようになるでしょう。

大山先生は5筋の歩を交換して銀の繰り替え。54金と出て中央を厚くするのはまだこの時には出ていない指し方なのでしょう。

中原先生は35歩の交換を見せたゆさぶり。大山先生は74歩で、単純な歩の交換では35歩が気になるから、袖飛車かと思ったのですが。

強引な銀交換は驚きますが、やや無理な動きです。

大山先生が玉頭の位は取り返しますが中原先生は銀を投入。手堅いです。

35歩を受けて44角とすれば28飛で、33角で千日手にするのが当然のように思いますが、大山先生は22飛と受けて千日手を回避。本当になるかどうかわかりませんが、形勢がよいとみていたのでしょうか?このころは千日手は後手番でも打開していた時代ではありますが、少し不思議です。飛車がラインに入ったので中原先生の65歩は手ごたえを感じます。

大山先生の囲いがまとまらないうちに角交換で困っていると思います。

33角のあわせに53角成でもよさそうですが、44角で42角を強要するほうを選びました。あとは強く戦うだけなので歩を合わせます。中原自然流が始まります。

銀をぶつけられて交換できません。

歩を使った攻めにするのが本筋。飛と桂を使う準備です。

54歩を打たせてから銀交換。すぐに銀を打たせるのですから中原先生の有利が拡大します。

有利になると自然な好手が出てきます。味のよさそうな歩の垂らし。

これで1枚はがせます。

歩の取り込みから突き出しを見て味の良い手です。

あとはどう寄せるかですが、金を釣り上げて無力化。

金の抑えを打って桂馬を使えれば攻めが切れなくなりました。

投了図。大差になりました。

名人を奪って、十段を防衛。中原先生が好調ですが、大山先生は名人を取られても(内藤先生にも棋聖を取られていましたか)十段戦の挑戦者になるのですから、中原先生以外には強さを見せていたのです。
中原先生は作戦勝ちをすれば自然な手で優勢を築いて簡単に(見える)勝ってしまいます。大山先生が中原先生相手にはムキになって無理をしている感じがします。
ここは中原先生の自然な指し方を勉強したいです。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:中原十段
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 9六歩(97)
14 9四歩(93)
15 6八銀(79)
16 4三銀(32)
17 5七銀(48)
18 5二金(41)
19 5八金(49)
20 8二玉(72)
21 7五歩(76)
22 6四歩(63)
23 7七銀(68)
24 4五歩(44)
25 2五歩(26)
26 3三角(22)
27 7六銀(77)
28 4四銀(43)
29 3六歩(37)
30 7二銀(71)
31 6六歩(67)
32 6三金(52)
33 1六歩(17)
34 5四歩(53)
35 4八飛(28)
36 5五歩(54)
37 同 歩(56)
38 同 銀(44)
39 5六歩打
40 4四銀(55)
41 8六歩(87)
42 5三銀(44)
43 7七角(88)
44 5四銀(53)
45 8八玉(78)
46 8四歩(83)
47 7八金(69)
48 8三銀(72)
49 3八飛(48)
50 7四歩(73)
51 同 歩(75)
52 7五歩打
53 同 銀(76)
54 7四銀(83)
55 同 銀(75)
56 同 金(63)
57 6七金(58)
58 7五歩打
59 8七銀打
60 4四角(33)
61 2八飛(38)
62 2二飛(42)
63 6五歩(66)
64 7七角成(44)
65 同 桂(89)
66 6五歩(64)
67 4四角打
68 3三角打
69 同 角成(44)
70 同 桂(21)
71 4四角打
72 4二角打
73 6六歩打
74 同 歩(65)
75 同 銀(57)
76 6五歩打
77 5五銀(66)
78 4三銀(54)
79 2六角(44)
80 7三桂(81)
81 4六歩(47)
82 5四歩打
83 4四銀(55)
84 同 銀(43)
85 同 角(26)
86 4三銀打
87 2六角(44)
88 7二金(61)
89 6二歩打
90 7一金(72)
91 6三銀打
92 6四金(74)
93 7二歩打
94 6三金(64)
95 7一歩成(72)
96 同 玉(82)
97 4五歩(46)
98 6四角(42)
99 4四歩(45)
100 5二銀(43)
101 4八飛(28)
102 4五歩打
103 7四歩打
104 同 金(63)
105 4三歩成(44)
106 同 銀(52)
107 6三金打
108 3一角(64)
109 3七桂(29)
110 6六歩(65)
111 同 金(67)
112 5七銀打
113 6一歩成(62)
114 同 玉(71)
115 4五桂(37)
116 投了
まで115手で先手の勝ち

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20160222今日の一手<その282>; 落ち着いた受け

2016-02-22 | 今日の一手
20160222今日の一手

12月19日の名南将棋大会からSさんとTさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。




昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
銀と桂歩歩の交換で、後手に持ち歩があるので歩を数えない、銀桂交換ですが、馬を作っているのでほぼ損得なしです。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は76飛23馬持ち駒桂で3枚。馬は後手玉に迫っていないので数えるかどうか。
後手の攻め駒は24角と持ち駒銀で2枚。
総合すれば互角です。

大局観として
駒がぶつかっているのでこの折衝で優劣が決まるでしょう。後手玉の位置が悪いので王手飛車の筋が見えますね。それに飛び込むかどうか。対抗型ではないので駒得を意識しすぎてはいけません。相手の攻め駒を減らすような駒得ならいいのですが、少々駒得になっても自玉が危なくなっては元も子もありません。自玉の安全度を中心に考えます。


× 実戦は34馬でした。飛車を取る手です。

37歩成(これで銀を損する)同金34銀21飛43角

先手で飛車を下して寄せるという予定だったのですが、両取りがありました。24飛成76角48金59銀

角と飛の取り合いですが、58の金に当たってしまうのが痛く、後手は4枚の攻めですからうまく受けられません。


△ 24馬と角の方を取ってしまえば

37歩成同桂24飛35角

銀は取られても王手飛車、45の銀にもあたっているので、これで十分に見えるのですが。82玉24角54角65歩36銀

銀銀と飛桂の交換で、駒得ではあるのですが玉の堅さが違うのでまだ大変です。39桂37銀成同金25桂

これが4枚の攻めなので受けきりは難しく、左側に逃げつつ寄せ合いを狙うしかありません。美濃囲いは堅いので先手が大変です。


△ 37の銀を取らせるのは今一つでした。36同銀は

強い手ですが、36同銀とはできないので、飛車交換は必至。最初に36同飛でも同じ事になります。36同飛同飛同銀24馬

馬で角を取る味がいいのでこれを選びたくなります。35馬が残っています。
37歩同桂同銀成同玉39飛

38歩19飛成31飛

今度は24に馬があるので上部脱出を見ながらの寄せを狙います。前の24馬の変化より勝ちやすそうですが、後手は竜があるのでまだ難しいです。


○ 銀を逃げる手を見てみます。28銀。26銀もほぼ同じでどちらがよいかは微妙です。

46歩は怖いのですが同歩で

46同角同飛同銀34馬

今度は銀と角桂の交換で、駒得というより後手の攻め駒が3枚になったというのが大きいでしょう。先手有利です。

王手飛車が残っているので82玉くらい。

自分から46歩ではちょっとばからしいです。74歩同歩73歩という格好いい筋がありました。

73同玉は85桂から73歩ですし、73同銀は34馬から31飛が両取り。73同桂に75歩

これで十字飛車の筋で技ありです。


△ あとは46銀とぶつけてどうか。

46同角同歩37銀

37同桂同歩成同金49銀

強襲されます。28玉は36歩47金寄58銀不成

これはつぶれています。

49銀には同玉しかありません。

37飛成45馬47金

しがみつかれましたが、26角があります。同竜同歩37桂

59玉58金同玉49角

王手飛車をかけられてしまいます。でも47玉76角成67金

ほぼ損得なし、互角に近いですが先手玉が薄い分だけ大変です。


王手飛車の筋が見えると欲張ってしまいたくなりますが、37の銀を取らせる変化(24馬、36同銀、36同飛)は飛銀交換くらいにしかなりません。馬は消えるし元が銀桂交換なので銀銀と飛桂交換。後手の攻め駒がさばけるのですから受けきるのは大変です。

じっと28か26に銀を逃げておいて、そのあとに王手飛車を見るのが安全策で最善です。馬によって後手の飛角銀の動きを制限しているので、先手から清算して楽にしてあげることもありません。平凡ですが落ち着いた受けでした。
そのあとの変化で82玉に74歩同歩73歩以下が決まったら気持ちいいですね。







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大山将棋研究(72); 中飛車に持久戦

2016-02-21 | 大山将棋研究
昭和47年11月、中原先生と第11期十段戦第4局です。大山先生3連敗でかど番。


大山先生の先手中飛車。

大山先生は穴熊をやめましたね。きれいに負かされてやっと通常営業で安心できます。中原先生は位取り模様。

中原先生は思い付きでしょう。74歩と攻めを見せて大山先生は位取り拒否。

銀を繰り出せば角を引いて軽く構えます。

さらに右に金を上がりました。普通の手なのですが、大山先生なら67に上がるのもよく見ます。軽い指し方で行こうという決断です。

これは誘いの隙を見せた手。銀冠に組むほうが普通です。75歩とやってきなさいという手です。

突かせて角をまた引きます。

76歩を取り込まれて香車を上がります。軽く軽くさばきを狙います。

66銀と来なさいと催促。向い飛車でこの歩を伸ばすのは疑問手になることが多いですが。

銀交換にはもちろん飛車を回ります。

そのあと55歩同馬に角を合わせるというのはちょっと気が付きませんでした。指されてみれば当たり前ですが。

37角成を金で取って飛車を回ります。軽い指し方が続きます。44歩を見て好調。

46歩の手筋に歩を打って飛車を取りに行きます。

と金を払って好調。ただし形勢は互角です。

55歩同金として飛車を下せば56歩を見た先手です。

58飛76角の交換は香車を取った手が57香で先手になるという意味。97角成を許さないぎりぎりの手順です。

でも飛車打ちもきついと思うのですが。銀を投入して

金を取ります。でも桂香と金の2枚換えなので自信なし。

やっと金銀の活躍する大山先生らしい順になってきました。でも怖い手です。これでよいとは思っていなかったでしょう。

金の打ち込みに角の王手。歩合がないので厳しいです。

金を取らせて角を成る。互いにそっぽに行く寄せ方です。

がっちり金打に竜を引いて1手争いであることは間違いないです。中原先生は歩しか持ち駒になく、先手玉が広いので詰めろは当分かからず。中原玉が堅いのかどうかですが。

金を寄られて歩を打つ1手。同銀は43馬、同金は同銀同銀34馬。取れないのでは中原玉は堅くなかったということです。

一回早逃げから歩を成って、中原先生は下駄を預けました。先手玉はまだ詰まないので、詰めろをかければ勝ち。

銀を補充すれば詰めろなのですか。私はこういう詰む詰まないは読めません。後手玉の詰みを読み切れますか?

ここまでくればわかります。途中に紛れもなさそうですね。

振り飛車の軽い指し方というのは私には難しすぎます。仕掛け的なさい、と誘って銀をさばき角を交換して飛車を急所に回る、というのは好調です。でもそのあとは難しく、飛車角交換で飛車を打ち込んで、というのはアマチュア向きでも、形勢は互角です。中原先生は自玉の堅さについての見落としがあったのでしょう。わかっていれば47金と打ち込むところで97角成くらい。駒得で長期戦を狙えたはずです。寄せは俗手で、とは言いますが、俗手で寄せ合い勝ちかどうかはよく読まねばなりません。読み切れないときは(実際中原先生でも間違ったわけですが)俗手は危険です。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山王将
後手:中原十段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 6八銀(79)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 5八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 5四歩(53)
13 2八玉(38)
14 5二金(61)
15 3八銀(39)
16 1四歩(13)
17 1六歩(17)
18 4二銀(31)
19 5六歩(57)
20 4四歩(43)
21 4六歩(47)
22 4三銀(42)
23 5七銀(68)
24 7四歩(73)
25 3六歩(37)
26 8五歩(84)
27 7七角(88)
28 5三銀(62)
29 7八飛(58)
30 6四銀(53)
31 5九角(77)
32 5五歩(54)
33 同 歩(56)
34 同 銀(64)
35 5六歩打
36 6四銀(55)
37 5八金(69)
38 5四銀(43)
39 4七金(58)
40 4三金(52)
41 2六歩(27)
42 4二金(41)
43 9六歩(97)
44 4五歩(44)
45 同 歩(46)
46 同 銀(54)
47 4六歩打
48 5四銀(45)
49 7七角(59)
50 7五歩(74)
51 5九角(77)
52 8六歩(85)
53 同 歩(87)
54 8八歩打
55 同 飛(78)
56 7六歩(75)
57 9七香(99)
58 7五銀(64)
59 4五歩(46)
60 7二飛(82)
61 8五歩(86)
62 6六銀(75)
63 同 銀(57)
64 同 角(22)
65 6八飛(88)
66 9九角成(66)
67 5五歩(56)
68 同 馬(99)
69 3七角(59)
70 同 馬(55)
71 同 金(47)
72 7七歩成(76)
73 4八飛(68)
74 4六歩打
75 7三歩打
76 同 飛(72)
77 4四歩(45)
78 同 金(43)
79 6二角打
80 3三銀打
81 7三角成(62)
82 同 桂(81)
83 7七桂(89)
84 6四角打
85 5五歩打
86 同 金(44)
87 5一飛打
88 5二歩打
89 5八飛(48)
90 7六角打
91 9一飛成(51)
92 5八角成(76)
93 同 金(49)
94 7八飛打
95 6七銀打
96 7七飛成(78)
97 5六香打
98 同 金(55)
99 同 銀(67)
100 4一香打
101 4五金打
102 同 銀(54)
103 同 銀(56)
104 4七金打
105 5四角打
106 4三桂打
107 4四歩打
108 5八金(47)
109 6三角成(54)
110 7五角(64)
111 4三歩成(44)
112 同 金(42)
113 5二馬(63)
114 4二金打
115 8二龍(91)
116 4八金(58)
117 4四歩打
118 2二玉(32)
119 4三歩成(44)
120 4七歩成(46)
121 同 銀(38)
122 同 金(48)
123 同 金(37)
124 3九銀打
125 1八玉(28)
126 4七龍(77)
127 3三と(43)
128 同 桂(21)
129 3一銀打
130 同 玉(22)
131 4二馬(52)
132 同 香(41)
133 7一龍(82)
134 4一歩打
135 2一金打
136 同 玉(31)
137 4一龍(71)
138 3一銀打
139 3二銀打
140 投了
まで139手で先手の勝ち





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20160221今日の一手<その281>; 相穴熊の難しさ

2016-02-21 | 今日の一手
20160221今日の一手

12月19日の名南将棋大会からNさんとNさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。




昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さはやや後手のほうが堅いです。金の位置の違いだけですが相穴熊は堅さの差を重視します。
先手の攻め駒は77角1枚。
後手の攻め駒は22飛33角2枚。

総合すれば互角に近いですが、やや後手がリードしているか、というところです。

大局観として
通常の相穴熊は銀の位置が違うので居飛車穴熊のほうが堅いことが多いのですが、問題図では銀の位置が4筋同士。飛車も向かい合っていて、後手だけ歩を持っているのはポイントで、これを覆すには24歩から23歩成を実現できるかどうかと考えます。先手のポイントは37桂と使えていることで、45桂とはねる変化を考えたいです。角交換を挑まれたのですが、換えるか換えさせるか換えないか。玉の堅さを考えれば換えるのが普通で、でも後手にも33桂と使われるのが癪。角筋を止めると後手の角の方が働いていることになるので、それをカバーできるか。考えることはいろいろあって、その小さな差を比較検討して少しでも有利になる手順を考えねばなりません。勝負はこのあたりで決まるので、相穴熊を指すなら読みの力を試されます。


○ 実戦は33角成でした。一番自然な手です。

33同桂に45歩も自然な手です。後手が35歩と突くのもさばくための手筋。

24歩64角46角同角同銀36歩

桂馬を取られてしまいます。45歩と取ったのはまずかったようです。以下は23歩成37歩成同銀27歩同飛49角

飛車の取り合いしかありません。22と27角成48銀45桂(46桂だったか)23飛36馬47銀35馬43飛成57桂成

こんな進行で、先手は駒損は回復したのですが玉の堅さが劣るので不利なままでの終盤です。後手が押し切って勝ちました。

45歩と取らないで24歩でどうか。

46歩同銀27歩同飛49角

金の位置がたたるので実戦でも出てきましたが嫌な筋です。28飛27歩(26歩は77角で困る)48飛58角成同飛

47金は両取りでもあとで55角があるので大丈夫。24飛77角44歩55銀35歩同歩

これくらいでしょうか。相穴熊で角金交換は得ともいえないのですが、後手は歩切れですし先手の攻め駒のほうが働いています。やや先手有利です。


× 自分から角を換えないで24歩なら

77角成同銀46歩同銀27歩同飛49角

28飛26歩

33桂の形なら66角が怖くて27から歩を打つしかなかったのですが、ここでは66角には24飛ですから26から歩を打てます。48飛58角成同飛27歩成45桂52銀

後手玉が堅すぎます。24飛から攻めを見るだけですから後手が有利です。


△ 45同桂は頑張った手です。

77角成同銀37角29飛28歩39飛26角成

77角成とされると先手の穴熊がさらに弱くなるのが難点ですが、桂馬の働きに差があります。馬を作ってもたれられたら66角44馬(歩切れが痛い。44銀は35歩)同角同銀66角55角同角同銀24角

ひたすら角を打って、後手も馬を合わせ角を合わせという手順で、25飛を狙われるので今度は先手が角を打ってもたれます。これで小休止。互いに陣形整備をして、先手としては固めてから38銀49飛の後で角成を狙います。桂馬の位置の差があるので先手も指せるでしょう。

45同桂に77角成同銀44歩は

シンプルに53桂成同金24歩が最善のようです。31角とかやらないほうがよいです。

後手は歩切れなので37角29飛(27飛もあるかも)55桂56銀46角成。

23歩成28歩22と29歩成51飛

これで終盤突入です。先手の穴熊のほうが乱れているのですが、後手の55桂は不満。先手の と金は攻めに使えそうなので少しだけ先手がいいのかも、という終盤です。


× 45同歩もないことはないのですが怖いです。

77角成同銀35歩同歩64角

48金33桂36銀25桂

この桂馬が取れず(飛車交換はまずく、25同銀は36歩)88銀24歩38飛21飛

まあまあのようなのですが、後手からは37桂成同金25桂で19角成を狙えます。玉の堅さの違いを考えると先手の勝ちにくい形です。


× 86角とかわす手。(私はこれかと思いました。)

35歩なら45桂が調子よく、44角35歩

35同角24歩26歩38飛

34歩なら35飛同歩53桂成です。

これは楽勝。

でも86角に46歩同銀54銀

45桂や45銀は後手にさばかれそうです。56歩42飛45歩23歩

この後は68金寄から24歩同歩77角と攻めたいのですが、後手から47歩も嫌味ですし、銀も浮いています。やや先手が指しにくいです。


△ 66歩のほうが86角よりは良くて

後手の35歩の対応は86角より劣るとはいえ

これくらいになればまあまあ。

46歩同銀54銀56歩42飛45歩23歩のほうは

これなら駒組みがもう少し自由です。この後68金寄はいいとして、78金寄までいくと47歩が気になります。26飛から35歩というのもやりにくいでしょうか。68金寄~58飛~55歩というコースか。1局です。


金の位置が1つ違うので問題図の45歩の仕掛けは一見無理そうでも成立しそうです。うまく応対しないと簡単に負けになります。

角交換になると27歩から49角の筋があり、とても怖いです。だから86角や66歩が本筋かと思ったのですが、後手の33角が働いているのでやや先手の作戦負け。でもそれで我慢することはできるでしょう。

33角成から24歩が一番主張している手で、後手が2筋の歩を交換したのをとがめに行っています。

実戦の33角成から45歩は歩得を主張する手なのですが、後手に持ち歩があるので意味が弱く、さばかれてしまいました。

45桂で77角成と乱されるのは嫌なのですが、桂馬の働きを主張する手です。44歩で殺されても成り捨てれば桂馬と2歩の交換です。24歩からは と金がどれだけ働くかの勝負です。

どの変化も後手玉が堅いので軽くさばかれる手が多く、先手はかなり苦労をします。相穴熊は序中盤が上手く指せないと勝てません。定跡研究や深い読みが必要です。さらに終盤での経験値もものを言いますし、やはりスペシャリストのための戦法だという気がします。



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第158回名南将棋大会(壱)結果速報

2016-02-20 | 名南将棋大会
今日は第158回名南将棋大会(壱)を開催しました。結果速報です。


A級優勝
青木一さん


優勝おめでとうございます。

今日はレギュラー陣の参加が少なく、1クラスだけ。何かあったのでしょうか?でも初参加の方も3名。来月以降に期待します。
参加された皆さま、ありがとうございました。


追記;大雨の予報で参加を断念したという声を聴きました。私も雨が降るとは知っていて、でも大降りになる前に終わったのですが、天候はどうしようもありませんね。
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大山将棋研究(71); 四間飛車穴熊に位取り

2016-02-20 | 大山将棋研究
昭和47年11月、中原先生と第11期十段戦第3局です。


大山先生の四間飛車、中原先生の68銀は急戦持久戦両方ありますが、左美濃が無くなったので大山先生は穴熊に。中原先生は58金右を先にできたのですから、前回は銀冠できれいに勝ったのですが、ほかの指し方でも勝てると見せたかったということでしょうか。

中原先生は6筋の位取り。

7筋の位もとって玉頭位取りの形です。大山先生は石田流。ここまでは妥当です。

この戦型は私も先手をもって指したことがあったのですが、開戦のやり方を知らなくて苦労しました。5筋の歩を交換して飛車を回るのですね。53角を目標にしていて、ぴったりした指し方です。

24歩には46歩。交換できれば十分ですが、36歩から動かれます。

じっと歩を取り込むとは。玉が堅いから成り込まれても平然とできるということです。

と金を作れば中原先生が十分に見えますが、大山先生は左桂を逃げてしまえるのも大きいです。

55歩と合わせて銀で取るのかと思ったら飛車で取るのですね。54歩には45飛が両取り、34銀に飛車を成れば十分です。

大山先生は苦心の受け。

でも手順に飛車を回って、大山先生の25桂36銀がさばけませんから、ここでは中原先生が指しやすいです。

でもじっと歩を打って駒得で焦らせ、容易に崩れないです。

55銀に角を切るのはいいのか悪いのか。26角と逃げておく方かと思いました。

大山先生は2枚換えでまあまあなのですが、この歩は急所。とはいえ取るべきだったと思います。

香車は拾っても拠点ができたのは大きいです。中原先生が有利になりました。

空間に角を打っておくものですか。46角打とかで一気に決めたくなるのですが、危険だと。谷川先生よりあと、現代将棋では寄せを読み切るものだと思います。

大分迫られましたが、75角の効果で歩を打って手数を稼ぎます。

さて、これで寄せ合いです。

銀打でどうにか手を稼いで中原先生が勝ちになったようです。

これで72香成が詰めろ。2手すきですね。66桂と取られて詰まなければ中原先生の勝ち。

55角は受けになっていませんでした。詰みがありました。


玉頭位取りに対抗して穴熊が流行していたのですが、それでも持久戦になれば位取りで十分指せるようです。55の歩を銀で交換して56飛、というのを覚えておきたいです。角頭を狙う構想がクリーンヒット。やはり穴熊と石田流はいい組み合わせではない、という気がします。飛車交換をねらうようなさばきの筋は左銀が浮いてしまいますし、相当工夫しないと指せません。
でも中原先生の好調な手順をじっと受けて耐える大山先生の力もすごかったです。74歩の拠点を作らせてしまったのが敗因でしょうか。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:中原十段
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 9六歩(97)
14 8二玉(72)
15 6八銀(79)
16 9二香(91)
17 5七銀(48)
18 9一玉(82)
19 6六歩(67)
20 4三銀(32)
21 6五歩(66)
22 8二銀(71)
23 5八金(49)
24 5二金(41)
25 6七銀(68)
26 3五歩(34)
27 2五歩(26)
28 3三角(22)
29 1六歩(17)
30 1四歩(13)
31 7七角(88)
32 3二飛(42)
33 2六飛(28)
34 5一角(33)
35 7五歩(76)
36 5四歩(53)
37 8六歩(87)
38 3四飛(32)
39 8八玉(78)
40 3三桂(21)
41 7八金(69)
42 7一金(61)
43 7六銀(67)
44 6二角(51)
45 6七金(58)
46 1二香(11)
47 8五歩(86)
48 5三角(62)
49 9五歩(96)
50 6二金(52)
51 6六銀(57)
52 4五歩(44)
53 5五歩(56)
54 同 歩(54)
55 同 銀(66)
56 5四歩打
57 6六銀(55)
58 7二金(62)
59 5六飛(26)
60 2四歩(23)
61 4六歩(47)
62 3六歩(35)
63 同 歩(37)
64 同 飛(34)
65 2四歩(25)
66 3八飛成(36)
67 2三歩成(24)
68 2五桂(33)
69 5五歩打
70 同 歩(54)
71 同 飛(56)
72 4四銀(43)
73 5四飛(55)
74 5二歩打
75 4五歩(46)
76 同 銀(44)
77 5五飛(54)
78 3六銀(45)
79 4四歩打
80 4二歩打
81 3五飛(55)
82 4四角(53)
83 3一飛成(35)
84 2八歩打
85 5五銀(66)
86 同 角(44)
87 同 角(77)
88 2九歩成(28)
89 7四歩(75)
90 1九と(29)
91 7三歩成(74)
92 同 金(72)
93 7四歩打
94 7二金(73)
95 7五角打
96 6九銀打
97 6八金(78)
98 5三香打
99 6六角(55)
100 5八香成(53)
101 4八歩打
102 6八成香(58)
103 同 金(67)
104 3九龍(38)
105 9四歩(95)
106 同 歩(93)
107 9三歩打
108 同 香(92)
109 7三香打
110 5九龍(39)
111 6九金(68)
112 同 龍(59)
113 7八銀打
114 6六龍(69)
115 同 角(75)
116 5四桂打
117 4一飛打
118 6六桂(54)
119 7二香成(73)
120 5五角打
121 8一成香(72)
122 同 玉(91)
123 7二金打
124 投了
まで123手で先手の勝ち



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20160220今日の一手<その280>; 攻めるは守るなり

2016-02-20 | 今日の一手
20160220今日の一手

12月19日の名南将棋大会からHさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。




昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは先手のほうがやや堅いです。
先手の攻め駒は持ち駒角1枚。
後手の攻め駒は55銀と持ち駒角で2枚。

総合すれば互角です。

大局観として
先手は79銀が遊んでいて、57の金も囲いから離れています。ですから穴熊も堅くないですし、攻める駒も足りないです。ですからもっと駒組みをしたかったのです。後手が角交換にもっていったのは良い判断でした。
まずはゆっくり指してもよいかどうかを考えます。実はそれがうまくいかないので困るのですが、その時には攻めて相手の陣形を乱さないと勝負になりません。


× ゆっくり指すなら56歩です。44銀の一手で、

後手から75歩が残っています。66角と手放しても狙いがなくて目標にされそうですし、67金では囲いがさらに薄くなります。79の銀を使えるならそれでもいいのですが、88に打ちこまれないようにするには88飛~68銀~57銀という組み替えですが、それは47や58に角打ちの隙ができます。67金~88飛~48金~68銀~57銀というのも65歩を目標に動かれそうです。つまりは作戦負けがはっきりしてしまいます。


× 実戦は64歩から動きました。

64同歩63歩52飛41角

51飛62歩成41飛というのもなくはないですが、54飛62歩成同金74角成73歩47馬

ここまで進めばうまくいった感じです。でも次の56歩に58金と形よく引いたのが疑問手で、24角で困りました。

37銀は25桂ですし、46銀の進出が止まらず、後手が押し切りました。

56歩には67金24角48飛

危ないようでもこれなら指せていたでしょう。68銀が楽しみです。

後手としては73歩ではなく56歩47金57角

これならわかりやすかったでしょう。


× 58飛とまわったら振り飛車らしいのですが

69角48飛56歩47金87角成

68銀75歩35歩76歩34歩77歩成

やはり馬を作られるとまずそうです。


○ 目をつぶって35歩と攻めます。

56歩47金35歩34歩

25桂38飛69角

桂馬を取り切れないので気が進まないのですが、飛車は使えました。金取りの受け方は48金上とするしかないですね。36歩の突き出しが手筋。

これに36同飛は57歩成同金上56歩

技ありで終了。

36同金は37歩

これも駒損になります。

39飛87角成を入れるしかなく、それから36金。

17桂成同銀16歩同銀

この図は見事に金銀バラバラで(私が指すとこうなるのですが)でも54桂や45金が残っています。16の銀を取れば同香で攻めに働きます。よく見ればこれで先手が有利です。


× 先に38飛とすると

56歩47金69角に58歩と打てるのですが(打たずに48金上なら44銀で87角成が残る)

歩切れになってしまいます。87角成に35歩同歩同飛

44銀38飛77馬

34歩はあるとはいえ、25桂とされて無傷では取れません。後手からは55桂か気持ちがいいですし、99の香も取られます。これは後手が有利です。


☆ まとめ

振り飛車穴熊で角交換はやりたくなく、角打ちの隙ができやすいです。問題図では79の銀が働いていないのでなおさらですし、77桂と跳ねさせられているのもマイナスです。それでも35歩と玉頭方面から動くのが唯一均衡を守る手で、攻めるは守るなりということがわかります。形が乱れようが、相手玉も乱してしまえば堅さは同じくらいになるのですから、穴熊の陰形がなくなっても勝負です。

私穴熊を指したとしたらいつも金銀バラバラになるのですが、なぜでしょうね。玉を固める将棋は向いていないのかもしれません。









コメント
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