かみかみの徒然草

たっぷりの笑いにちょっぴりの涙と怒りをスパイスに、毎日を心豊かに生きよう~

朝の風景

2006-06-24 22:06:21 | 京都、再発見!
夜行バスが思ったより早めに京都に到着したので、荷物を預けるため、京都駅からそのまま地下鉄で東山に向かった。
早朝の東山駅周辺は、とても静かで、道はきれいに掃き清められている。
何一つやましいところのない、清く正しい朝の光景に、居ずまいを正される。
つつましく日々を生きる人たちの営みが、まさにこの光景に映しだされているよう。
この町の清々しいまでに美しい朝の光景は、よりよいカバン作りに情熱を傾け、モノを大事にする姿勢を貫く『信三郎帆布』のスタッフたちのひたむきさに通じる。(工房・店舗は知恩院のすぐ側にある。)



そんな気持ちのよい東山の朝の光景は、日々の忙しさですっかりノビきった私の心に喝を入れてくれる。
この瞬間がたまらなくて、ついついまた京都行っちゃうんだろうなと思う。
平安神宮の朱色の大鳥居が見えると右に折れて疎水べりに沿って歩くうちに宿に着く。
この宿のお世話になるのは既に四回目で、ここまで来るともはや定宿である。
早朝にも関わらず、フロントのおじさんは爽やかな笑顔で迎え入れてくれる。
家族旅行では「狭い!」「うるさい(父のいびき・・・)」で大ブーイングだったこの宿も、一人旅・友人との旅行にはとても重宝している。

フロントで快く荷物を預ってもらったあと、身軽になって再び地下鉄に乗って三条通に向かう。
こんな朝早くにせっかく来たのだ。イノダコーヒーで朝食をとることにした。
京都市役所前で下車して、京極通りを通って三条通に出る。
ちょっとしたお店が並ぶ三条通も早朝はさすがに人通りがまばら。
開店前の石黒香舗のウィンドウに飾られた商品を覗き込んでいると、ほんのりといい匂いがする。さすがお香屋さん。軒先の残り香にしばし幸せな気持ちに浸る。
八時前のイノダコーヒーはお客がまばらで、順番待ちなしですぐに席に案内して貰える。
途中、鳥かごの並ぶ中庭を通っていくのだが、この光景はいつかのベトナム旅行で泊まったレックス・ホテルの朝の光景と一緒で思わず懐かしくなった。古都でオリエンタルな光景に出くわすとは夢にも思わなかった。
中庭を通って案内された部屋は洋館を模した重厚な作りだけど、朝の光が降り注ぎ、素敵なサンルームになっている。

こんな所で朝のひと時を過ごせるなんて、何て贅沢なことなんだろう。
この瞬間を迎えられただけでもあの狭いバスに乗った甲斐があったというもの。
前日、出発ギリギリまで仕事で、取り急ぎコンビニのサンドイッチで済ませていたので、イノダのモーニングメニューでやっと生き返った感じ。
ここで腹ごしらえをして落ち着いたところでお店を出て、そのまま烏丸線から奈良に向かった。

(続く)

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