本日、都内某所のフレンチレストランにて、師範の感謝の会が催されました。
師範とのお別れ会ということもあり、ここぞとばかりにOGが大集結・・・・
学祭の演武会の時だってこんなに集まることないのに・・・・
変更したお店でも手狭で、気づけば溢れかえってました。しかも、立食だったのである意味生存競争が・・・・
女の人っていつでも食欲が旺盛なものですね・・・・
それにしても、随分前の代の先輩方はさすがに貫禄あるぅ~
師範がまだまだ駆け出しだった頃の教え子なので、彼女たちと師範はとても仲良し。ひぃ~冗談飛ばし合ってるよ
私たちから見れば偉大で近寄りがたい師範も、彼女たちにしてみれば身近な兄貴であり、ともすると恋愛対象にもなりえたのだろう。
その当時の師範は、とてもハンサムで当時の部員だった先輩方もかなり心がときめいたらしく、どうやら恋の駆け引きもあったとかなかったとか
「彼女たちが卒業していく度にとても切ない思いをしたものです」なんて本音もポロリ・・・・
そこへ先輩方は「またまた~上手いこと言っちゃって!!」
おーい、タメ口だよ
あんなにくだけた師範を見るのは初めてでした。
一番可笑しかったのは、「結婚したとたんにみんな諦めるようになったのがよくわかりました♪」とさり気な~く、モテ自慢をするところ。
それにしても、どの時代でも、素敵な男性を目の前にしたら気が気でなくなるのは同じなんですね~
師範と先輩たちとのじゃれ合いを見ていて、とてもホッとしました。
一年生の頃、毎週金曜日に近所のG大からコーチを務める三年の男性の先輩方が来る時の同期たちの慌てようがとても可笑しかったな~
「足臭いと思われたどうしよう!!」
「道着が汗くさい!!」
そんな同期たちを尻目に「落ち着いて。何も思っちゃいないよ~」と私、クールに流していましたが、実は内心、ドキドキしてました
コーチたちの中で、ひときわハンサムでいい声の持ち主であるS先輩。
初めて会ったとき、あまりの二枚目っぷりにドン引きしました。
この当時、同期たちは、S先輩にカッコ悪い姿を晒したくないという思いもあったのか、わざと彼を避けていたみたいで、いつも売れ残っていました(爆)
かく言う私も、同期より一歩出遅れ気味な上、目が悪いので取りあえずついたコーチがいつもS先輩でした・・・・
畳の溝に指を引っかけてズッコケそうになったり、全くもって覚えが悪かったりと、かなり醜態晒しまくりで、正直、穴に入りたかった・・・・
S先輩の第一印象は、完全無欠な二枚目キャラ。でも、ある出来事がきっかけで、S先輩のことが気になり始めました。入部して間もない頃のこと。
座気呼吸法の時にS先輩が口走った「男女の何とやら」に、からかわれているのかと思い、動揺する姿を見せまいと、見栄張ってポーカーフェイスをしてやった。
私の無表情に、先輩はその時、自分がとんでもないことを口走っていることに気づき、明らかに動揺してしまった。
ワザとじゃなかったんすね・・・・
冷静沈着で常に堂々としていた男性が見せた戸惑いの表情が何とも可愛らしかったのはもとより、何の作為もなく嘘偽ることなく自分の思いを伝える率直さと見栄を張らない正直さに、ヤラれた瞬間でもありました
何だかこっちが意地悪したみたいで、私も張りつめていたものがフッと緩み、二人してあたふたしているうちにその日の稽古終了・・・・
互いにカッコ悪い姿を見せることになってしまった。
ホント、技の覚えは酷くて、先輩にはかなり迷惑をかけたのに、S先輩はイヤな顔一つせずに、根気強く教えてくれた。
でも、駆け出しの頃、先輩の優しさ故に、とても申し訳なくなってきて、自己嫌悪に陥って、危うく泣きそうになったことも・・・・
稽古後、Sちゃんと一緒に足を洗っていると、コーチたちがやってきて、その中にS先輩もいた。気まずくて、ずーっと目を伏せていた私にそっと「お疲れ」と言ってくれた。
その後、そのまま前期の稽古が終了し、次に会ったのは後期の稽古。
その時、久々に会ったS先輩の言葉、とても嬉しかったです。
「今の、いいね。とても上手くなったよ」と。
初めての夏合宿でかなり辛い思いをしていたのもあって、先輩のその一言は重みがありました。
あの梅雨の日、私が抱いた悔しさを間近で感じていたからこそ、思わず出た言葉だったのかもしれない。
落ち込んでいても、決して「知ってるよー」という素振りを見せることなく、それでいて、しっかりと他人の心の痛みを受け止め、その痛みにそっと寄り添うS先輩の優しさに、気持ちがホッとしたのを今でも忘れられません。
噂では、S先輩は、銀座の某社で働いているらしい。
今、再会したら、お互い、どんな顔するのだろう。
私は、さらっと「お久しぶりですね~」と涼しい顔でもしているだろうか。
今度の師範はだいぶ若返り、26歳の男性とのこと。
道場長から、どんな人が後継者に相応しいか?と聞かれ、E師範は
「女性に対してふしだらでない人を!」と言ったらしい(笑)
その師範は、とても誠実で真面目な人ラシイ。
でも、道場長に、品行方正な後継者を求めたクセに、E師範と来たら、「ま、互いに若いからね~行き過ぎない程度に仲良くやって下さい」と何とも意味深(爆)
後期の稽古以降、互いに間抜けな姿を晒してしまったということもあり、S先輩とは、心を許せる間柄にはなっていました。(決してデキていたわけじゃなし)
そして、代替わりのお礼の交代コンパの夜、急遽、翌日にバイト行く羽目になり、ぼやいていた時、S先輩が何の脈絡もなく「送っていくよ」と言いだし、「え?どこまで?」と聞き返して、「えーと・・・I駅まで・・・」
二年生の時、代が替わり、コーチが交代になった後も、夏合宿に備えて~という大義名分のもとに、S先輩のいるG大の日曜稽古に行ってました。
先輩に彼女がいることが発覚し失恋したというのに、先輩に会いたい!という気持ちだけが先走ったあの頃。
その日の稽古中、S先輩に付いていた時、師範が通りかかり、立ち止まったかと思うと、意味深な笑いを浮かべてじっと私たちを見つめ、何事もなくまた他の人たちの稽古を見回りに行った。
今日、本音炸裂のE師範の恋愛にまつわるエトセトラを聞いているうちに思った。
あの夏の日、E師範は、S先輩と私の様子に、年がさほど変わらない部員たちと密やかで甘酸っぱい心の交流を持った若き日の自分を思い出していたのだろうか。
the 総決算!と言わんばかりに、ストライクゾーンな恋バナを披露した師範の話を聞いていて、改めて世代交代を感じたのであった。