または in the mood for love とも言う。ちなみに英語タイトル。
ウォン・カーウァイ作品はどうも難解でちょっと・・・と言う人でも、この作品は知っているのではないでしょうか?
マギー・チャンのファッション、狂おしいまでのプラトニックさで揺らぐ男女の感情。
当時、オトナの恋愛映画として、かなりのヒットだったそう。
そして、近年稀に見るプラトニックさと映像の美しさでカンヌ映画祭で話題になったそう。
大学生の終わりの頃、DVDで初めてこの作品を観ました。
この年は『小さな中国のお針子』を始め、『北京ヴァイオリン』『春の惑い』『HERO』と、やたらに中国映画の年でした。
特に、『春の惑い』『たまゆらの女』(私は個人的に好きですが、全体的にはあまり評価は良くない模様・・・)は恋愛映画としては秀逸の出来で、その勢いで『花様年華』を観ちゃったわけです・・・
時代の雰囲気、チャイナドレス、ハイヒール、梅林茂の音楽、ナット・キングコール、映像。
どれをとっても雰囲気があって、まさに in the mood for love な気配が濃厚。
でも・・・・・
チャン夫人の描き方は終始客観的で、一体どこまで行ってるの?チャン夫人はチャウ氏のことを本当はどう思ってるの?というのがなかなか読めなかった。
で、一方、チャン夫人のことを本気で恋してしまったチャウ氏の描写は、観てるこっちにまでダダ漏れなくらいにしっかりと描かれているわけで、痛々しいラストにはかなり凹みました・・・・
この人、一体これからどうやって生きていくんだろう・・・・という重い終わり方。
あまりにも後味が悪かったです。
当時はチャウ氏の視点で作品を観ていたため、何ともいい気分がしなかったのですが、数年経った今、チャン夫人の本音がやっと見えてきた気がします。
そして、チャン夫人の戸惑いもわかるような気がする。
夫がどうも浮気をしているらしい。それも隣人の奥さんと・・・・その隣人がチャウ氏である。
最初は、妻への復讐のため、チャン夫人に近づいていったのだが、思いがけない方向に話が展開していく。
秘書として、当時の職業婦人の走りでもあるチャン夫人は、一緒にいてホッと出来るチャウ氏に惹かれていく。
一方のチャウ氏も妻とのすれ違いの日々の寂しさから、聡明なチャン夫人に惹かれていく。
惹かれ合うところまでは一緒だったのだが、その後のそれぞれの感情の動きに差が開いていったような気がする。
チャウ氏は勢いで本気になってしまっていたのだが、チャン夫人は常に後ろめたさがあったのかも。
チャン夫人の心の中は常に葛藤だらけで、全てを投げ打つ覚悟が出来ていなかったのかもしれない。
でも、目の前のときめきには抵抗出来ない・・・・
夢見る生き物のようでいて、実は現実的だ。
特に女性ってそうかもしれない・・・・
本気の恋愛と恋愛ごっことの線引きははっきりしている。
このまま突っ走るか?抑えるか?の見極めは早いうちについている。
チャン夫人もまた、線引きをしっかりとっていたつもりが、徐々にその線がぼやけていったのであろう。
曖昧になりつつある境界線上での心の揺らぎはまさにin the mood for love だ。
チャン夫人とチャウ氏は結局別れた。
チャン夫人は、チャウ氏への思慕の情を心の奥底に封印して、一応の結論を出したが、チャウ氏はいつまでも燻っていて、その想いは見ての通り。
チャウ氏が叶わぬ恋の終止符を打つまでに相当の時間がかかる。
そして、『2046』に続く。
『花様年華』、淡々としているようで、何度か観るうちに味わい深くなる作品。
一回観ただけじゃわからない微妙な色合いは、観る度に変わる。
まるで万華鏡のよう。今度観た時はどう変わっているのだろう?
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当時、オトナの恋愛映画として、かなりのヒットだったそう。
そして、近年稀に見るプラトニックさと映像の美しさでカンヌ映画祭で話題になったそう。
大学生の終わりの頃、DVDで初めてこの作品を観ました。
この年は『小さな中国のお針子』を始め、『北京ヴァイオリン』『春の惑い』『HERO』と、やたらに中国映画の年でした。
特に、『春の惑い』『たまゆらの女』(私は個人的に好きですが、全体的にはあまり評価は良くない模様・・・)は恋愛映画としては秀逸の出来で、その勢いで『花様年華』を観ちゃったわけです・・・
時代の雰囲気、チャイナドレス、ハイヒール、梅林茂の音楽、ナット・キングコール、映像。
どれをとっても雰囲気があって、まさに in the mood for love な気配が濃厚。
でも・・・・・
チャン夫人の描き方は終始客観的で、一体どこまで行ってるの?チャン夫人はチャウ氏のことを本当はどう思ってるの?というのがなかなか読めなかった。
で、一方、チャン夫人のことを本気で恋してしまったチャウ氏の描写は、観てるこっちにまでダダ漏れなくらいにしっかりと描かれているわけで、痛々しいラストにはかなり凹みました・・・・
この人、一体これからどうやって生きていくんだろう・・・・という重い終わり方。
あまりにも後味が悪かったです。
当時はチャウ氏の視点で作品を観ていたため、何ともいい気分がしなかったのですが、数年経った今、チャン夫人の本音がやっと見えてきた気がします。
そして、チャン夫人の戸惑いもわかるような気がする。
夫がどうも浮気をしているらしい。それも隣人の奥さんと・・・・その隣人がチャウ氏である。
最初は、妻への復讐のため、チャン夫人に近づいていったのだが、思いがけない方向に話が展開していく。
秘書として、当時の職業婦人の走りでもあるチャン夫人は、一緒にいてホッと出来るチャウ氏に惹かれていく。
一方のチャウ氏も妻とのすれ違いの日々の寂しさから、聡明なチャン夫人に惹かれていく。
惹かれ合うところまでは一緒だったのだが、その後のそれぞれの感情の動きに差が開いていったような気がする。
チャウ氏は勢いで本気になってしまっていたのだが、チャン夫人は常に後ろめたさがあったのかも。
チャン夫人の心の中は常に葛藤だらけで、全てを投げ打つ覚悟が出来ていなかったのかもしれない。
でも、目の前のときめきには抵抗出来ない・・・・
夢見る生き物のようでいて、実は現実的だ。
特に女性ってそうかもしれない・・・・
本気の恋愛と恋愛ごっことの線引きははっきりしている。
このまま突っ走るか?抑えるか?の見極めは早いうちについている。
チャン夫人もまた、線引きをしっかりとっていたつもりが、徐々にその線がぼやけていったのであろう。
曖昧になりつつある境界線上での心の揺らぎはまさにin the mood for love だ。
チャン夫人とチャウ氏は結局別れた。
チャン夫人は、チャウ氏への思慕の情を心の奥底に封印して、一応の結論を出したが、チャウ氏はいつまでも燻っていて、その想いは見ての通り。
チャウ氏が叶わぬ恋の終止符を打つまでに相当の時間がかかる。
そして、『2046』に続く。
『花様年華』、淡々としているようで、何度か観るうちに味わい深くなる作品。
一回観ただけじゃわからない微妙な色合いは、観る度に変わる。
まるで万華鏡のよう。今度観た時はどう変わっているのだろう?