ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




海洋ビル。中央区銀座6-4。1987(昭和62)年5月31日

外堀通りの銀座6丁目交差点の角に今も健在なビル。スクラッチタイルの外壁や塔屋の壁のアールデコ風レリーフなどから昭和初期に建てられたビルだろう。
『銀座四百年 都市空間の歴史』(岡本哲志著、講談社、2006年)によると、古くからの地主の吉田嘉平が同じ交差点角に建った電通ビルや国民新聞社のビルに刺激されて建てたものとしている。銀座6-4の半分あった彼の土地はかろうじて東京大空襲での焼失を免れ、戦後は納税のため細分化されて売買された。それが今の海洋ビル背後の小さい家やビルが密集している場所になるらしい。



ビル入口の左に「居酒屋ちこて」の看板がある。昭和30年に開業した老舗のバーだそうだ。1985(昭和60)年4月28日

左:1987(昭和62)年12月27日、右: 1987(昭和62)年5月24日

入口上の「海洋ビルヂング」のホーローの表札は今もそのまま掛けられている。階段室上部のレリーフは剥がれそうになっていたのだろうか、塗りこめられてしまった。

近影。2007(平成19)年3月2日

現在は外壁を塗装して3階から上には網がかけられた。また、窓が3ヶ所塞がれている。それでも、西銀座ドラッグのピンクの日除け、「ちこて」の看板や日除けなど、意外と20年前と変っていないきがする。

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コメント
 
 
 
よく拝見しております (北夙川不可止)
2010-01-14 05:56:48
今回は「海洋ビル」で検索して到達いたしました。
いや、写真を拝見して驚いたんですが、かつてはスクラッチタイル張りだったんですね~。実に美しい。元の姿を見てみたいです。
 
 
 
>北凪川不可止様 (流一)
2010-01-15 10:08:46
当ブログへのコメントをありがとうございます。海洋ビルはタイルの剥落防止の対策をしたところを見ると、もうしばらくは使われていきそうですがどうなのでしょうね。
『骨董建築写真館』を拝見しました。以前立ち寄ったページもあるようですが、改めてみると大量のコンテンツですね。全部見るには時間がかかりそうです。私は活字世代のせいか、どんな人が作ったかが分かると、なんとなく安心して見ていられます。
貴サイトの本筋とははずれるようで失礼かもしれませんが、変な看板なんかが楽しいです。
 
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