老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

「ベーシック・インカムについて考える」(「サロン・ド・朔」1月例会報告)

2010-01-28 09:46:32 | 社会問題
1月22日開催の「サロン・ド・朔」北村るみ子さん講演の「ベーシックインカムについて考える」の報告をいたします。

ベーシックインカム(basic income, 以下BIと表記します)の概要については、

すべての人々に無条件に一定の所得が与えられる制度である。

世帯ではなく個人に交付される。
無条件に交付される。
ほかの所得の有無を問われない。
資力を問われない。
職歴を問われない。
能力を問われない。
就労条件を課されない。

生活するのに十分な給付水準であれば完全BI、それだけでは生活できず、稼得や他の給付などで補われる必要があるものは部分BIと呼ばれる。

という事だそうです。

BIのメリットは、

審査に伴う費用、人員、時間、エネルギーの不要。
生活保護とかと違い皆が受給するので、スティグマ感がない。
“働かざる者にも食ってもらう”ことで消費が拡大する。
生活の為に不本意な労働に従事する必要がない。

などが北村さんの話。

それに対して批判・疑問点が、質疑応答の中でありました。

Q.モラルザハードの面からも良い制度とは言えない。今でも何十万人も存在すると言われるニート、ひきこもりの人達が余計働かなくなるのではないか?何もやりたいことが無いという人に唯金を与えて好きなようにしろ、というのでは福祉とは言えないと思う。(複数の意見)

A. ニートひきこもりは今でも存在している。何もやりたいことが無いように見えるかも知れないが、彼らは彼らなりに模索しているのではないか。生存の不安を感じて危機感から働く、動き出すという事も考えられられるが、ひきこもりについて言えば多種多様であり、先ず生活の為の最低保障がなければ、落ち着いて仕事を探す事も動き出すこともできない。(後日、北村さん談)

Q.北村さんは今の社会は物が溢れていてこれ以上作る必要がないと言われたが、逆に石油などは数十年で枯渇すると言われている。国民に金を給付する事より皆で働いて限りある資源を有効に使う事の方が大事なのではないか?

A.BIの発想には、今の物が行き渡り人手も必要としない社会で、無理に仕事を作り出すより、使える給付金を渡そうという考え方がある。それがこれからの資源、エネルギーの問題とどうリンクしていくかは想定外だったので、これからも考える課題のひとつとなると思う。

次いで、北村さんから、財源について『所得税案』『消費税案』『流通通貨案』の話があった後、財源に関するQ&A、

Q.所得税案については、年収1千万以上の層から反対や海外に移住するという話も出てくるのではいか?ちよっと現実的ではない。消費税案についても、消費税は上がっても価格は変わらない(商品の内の消費税が上がるだけなので)というが日本は輸入大国であり、原材料を輸入に頼っている我が国では、商品の値上げに繋がるのではないか?

A.おっしゃるように、所得税案、消費税案についてはまだまだ問題点が多く今後の課題としたい。私は財源としては、古山明男さんの公共通貨案(*)について評価できる部分があると思う。

(*)公共通貨案というのは、関ひろのさん、古山明男さんが提唱するもので、

関さんの公共通貨論は、『日銀を民主的な国立銀行とする。その国立銀行から発行した公共通貨(今の日銀債ではない)を発行しそれを財源とする。』

古山明男さん案は、『新しい電子マネー型の公共通貨を作り配る(国債と同じ)。納税に使えるし、日銀マネーと交換できる(手数料有り)。この新しいお金は使った時に1%自動回収される。使わずに持っていると一ヶ月ごとに1%自動回収される。回収したお金は、つぎのベーシックインカムの財源になる。先に出して、後から回収して循環させる方法。』

だそうです。

これに対しては、「超インフレを招くのではないか?」「他国との国際競争力が落ちるのではないか?」「BI目当ての難民が増えるのではないか?」と様々な疑問点が指摘されました。

北村さんの話からは、聞いている人のひとつひとつの疑問点、批判点などを取り上げ、そこからベーシックインカムのあり方について考えてみようという姿勢を感じました。BIに関してはまだまだ疑問点、未知の部分も多く、国の労働、経済、通貨、企業の、人の生き方にも関わって来ることでもあり、時間をかけて考えて行くことが必要だと、私は思いました。

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パンドラ
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